草花
名も知らぬ うす紫の 草花は
雑草の中 春風にゆるる
(なもしらぬ うすむらさきの くさばなは
ざっそうのなか はるかぜにゆるる)
雑草の 茂る中に
ポツンと うす紫色の
草花が 咲いている
その草花が
春のあたたかい風に
ゆらゆらと ゆれて
たたずんでいる
夏みかん
白むくを かぶりて甘く 夏カンは
五月の風に かすかにゆるる
(しろむくを かぶりてあまく なつかんは
ごがつのかぜに かすかにゆるる)
花嫁の 白無垢のような白皮をかぶった
甘い夏みかんが
木の枝で 五月の さわやかな風に吹かれ
かすかに 揺れている
つばめ
植へ初めし 稲田に映ゆる 夕ばえに
つばくらの舞ひて 影を映せり
(うへそめし いなだにはゆる ゆうばえに
つばくらのまひて かげをうつせり)
田植えをしたばかりの田んぼが
夕陽のきれいな色に染まり
その上を飛ぶ ツバメの影を 映しだしている