Ψ筆者作「カルーセルのある広場」 F120 油彩



 先にアメリカについて述べたので本邦のことにも触れなければならない。自分達の過去は棚に上げ、現下の問題について正義ずらをするのは誠に白々しく、どの面下げて「戦争反対」など叫べるのかと思うからで

 現在右翼保守陣営の政治家、その御用マスコミ、その提灯持ち「文化人」、歴史修正主義者、レイシスト、これらに煽られるネトウヨ等有象無象に以下のような論調が見られる。

 「大東亜戦争は、欧米列強から亜細亜を解放するための正義の戦争であり、防衛、自衛戦争である。日本はアジア諸国に数多のモノカネを投入し、その近代化と福祉の向上に貢献し、アジア諸国の独立に寄与した。…」

 仔細は別稿でも書いたし、多言を要するので割愛するが、結論だけ言えば、彼らのこのような主張は総て大ウソである!その「アジア解放・正義の戦争論」について一面からだけ反論しておく。先の戦争で日本人の死者は、政府見解でも310万人、また日本軍が殺したアジア諸国の民間人は、540万人~2040万人と正確な把握すらできない。また、言うまでもなく「ヒロシマ・ナガサキ」の人類未曾有の惨禍、東京以下大都市空爆による無差別大量殺戮、南洋諸島や沖縄の悲劇…これだけ多くの日本人が死に、他国の人間を殺したという事実一つとっても、どの面下げて「正義の戦争」といえるのか!最早まともな人間の神経ではない。抑々、それだけの犠牲を払って、自らが亡国の淵に立たされてまで,何の義理あってアジアを「解放して差し上げる」必要などあるのか!大うそも甚だしい、そもそもご本尊はいつアメリカから解放されるのか!?卑怯未練のこじつけである。彼らは出来事の些末な一事をつまみ食いし、これを自分達の都合の良いように解釈しそれが事の本質であるかのように嘯き、都合が悪くなると証拠を見せろとい言い、不利なものは後世の判断に委ねるなどの逃げを打つ。

一死以て大罪を謝し奉る」(陸軍大臣 阿南惟幾 )、「バカな戦争をした」(外交官白洲次郎)、これらの言葉が総てを語っているではないか。

 大事なことは、かかる歴史修正主義者や「嫌中憎韓」のレイシスト達の戦争の合理化が、将来に向かっての東アジアの「安全保障」に関係して、亡霊のように蘇ってきているということである。決して過去のことではない。