Ψ筆者作 「昔日の陽射
し」 F30 油彩

近く「佐伯祐三」に関する本が出版される。中身は、その「軌跡」、「芸術」、「病気」、「晩年」、「周辺」、「造形性」、それと佐伯外伝たる因縁話から贋作事件にわたり、従来の評伝で伝えられなかった側面や新事実を含み、佐伯全般にわたって網羅している。今般その企画に一部関係した。それを「記念」して上掲のイメージ画を制作した。モデルは祐三、米子夫人、後を追うように早世した愛娘彌智子である。
その関係でここ数年来近代本邦の洋画界に係る本を何冊か読んだ。佐伯をはじめ、青木繁、中村彝、村山槐多、前田寛治、里見勝蔵その他、「下落合」関係、「中村屋サロン」の荻原守衛(碌山)に因んでは穂高の碌山美術館も訪れる機会を得た。
その過程で、例えば20世紀初頭来のヨーロッパ、本邦を問わず多くの画家にとってセザンヌ、ゴッホの扱いは別格であったということ、コロ―を評価する画家が意外に多かったなど、有意義な知見を得た。以後諸々気づいたこと、存念を連載していく。