YAHOO掲示板『どうしたら上手く描けるの』より転写 

 いくつかポイントがあります。先ず基本的にポルトガルではどのような相場、システムで売買されているのか情報を得て、それに則して売るというのが最善だと思いますがその際は「模写」であることを表示しているわけですからその分は割り引いてかかる必要はあるでしょう。
 いろんな意味で「手ばなしたくない」という作品については、高値をつけるより未完を理由とするとかして「非売」とすべきです。いろんな意味で、自ら作品の『評価」に差をつけていると思われるのは避けた方が良いと思います。
 未練ある出来の作品はお気持ちは良くわかりますが、私も経験ありますが、そういうものは他人から見ても欲しくなるような出来のものである場合がありますし、後からみればそれほどのものではなかったということもよくあります。まして今回のは模写ですのでいくらでも描けると思いシビアにいきましょう!
 日本式の号いくらという話ですが、この点を参考までにちょっとお話しておきます。
 「号いくら」というのは「評価価格」とされています。つまり間に画商が入った、市場で取引される場合の目安となる価格です。つまり「自己売り」する場合には目安とするにしても画一的に適用する必要はないのです。
 普通画商は公募展や個展等を通じで目をつけた作家と取引をするわけですが契約にあたり「発表価格」(評価価格)と画料(画家手取り)を決めます。普通画料は20~30%、つまり発表価格号2万だとすると10号を売った場合画家の手取りは4~6万、それでもコンスタントに売れればそれなりに生活は成り立ちますがとてもそうは行きません。
 そうして年齢や実績や団体等の地位に応じその評価価格はシビアに反映し、年鑑等に記載されます。因みに年鑑には多くは画商が掲載依頼するのですが金を払えば載せてやるという年鑑もあります。これが私の言うハッタリ商売にも通じる「年鑑評価型市場体系」です。ただなまじ評価価格が高くなるより安くても売れたほうが良いというのが画家の正直なところでしょう。
 どんな大手画商も企業規模としては小企業ですしマーケット自体が小さいのでやむを得ない部分もありますが、そういう「契約作家」はまだ恵まれている方で多くは画商すら入ってません。つまりどう転んでも生活の場としては貧弱なのです。
 したがって自分で自分なりの市場体系を確立しするとかして悪いことはないので、そういう意味では価格も販売方法も、取引時期や条件も全部画家と客が協議して決めてよいのです。
 店のマージンも積極的に「営業活動」してくれたら半分でも良いと言う話も可能です。

≪上記補足≫
 
 後から自分で読んでみてちょっとわかりずらいかなと思うところがあったので補足します。
 最後の方からですが「号いくら」と、本邦のデパート画廊やローン販売で行われているような動かしがたい固定的なものにすると、たとえば常に号単価×号数で計算されることになります。これにこだわると売れるものも売れなくなるのでその辺は弾力的にやってよいということです。
 しかしそうは言っても、同じ号数なのに価格が極端に違うというのは、「これは≪売り絵≫だな」とか「これは本当は売りたくないんだな」とか感じさせてしまうのも良くないのでどうしても売りたくないものは「非売」にして見てもらうだけにした方がよい、というのが「自ら作品の≪評価≫に差をつけていると思われるのは避けた方が良い」という意味です。
 それから買い手がついたらなるべく早く売ってしまうのに越したことはありませんが、それでは次の個展に支障をきたすというのであるなら仕方ないでしょう。いずれにしろ「顧客開拓」とか「販売実績」とかをつけるという意味で当初は「材料費プラスコミッション」プラス多少の労力費でもよいと思います。