ある人が木炭デッサンはつまらないと言った。実はこの台詞多くの人から聞いた。かく言う私もそれを見るのも嫌だという思いをしたことがある。かくほど左様にそれは「造形の基礎」として徹底的にやらされるものである。それは今も昔も洋の東西を問わない。とりわけ美大へ進もうとする場合は年間100枚以上描くかもしれない。
ではなぜ木炭デッサンとはそのような意義を持つのであろうか?
まずアカデミックな造形の修行の基礎として最も合理的ということが言える。
そのアカデミズムとは「フォルム、調子(トーン、グラデーション)、立体感、質感、量感等」に関わる概念である。ここには「色彩」はない。論理的には上記のようなアカデミックな意義はタブローを描きながらでも学ぶことができるが、色彩はそれ自体非常に重要でまた厄介なものであり当然「色を塗る」ということに伴う難しさもある。したがってとりあえずはその「色彩」を省いたモノトーンの世界からはじめると言う合理性が一つ。
それでは鉛筆でもよいかというと洋画・油彩はデザイン(美大のデザイン系は鉛筆デッサンで試験するのではないか?)などの分野より画面のスケール、重厚さ、広域にわたるトーン付け、部分の緻密さ、硬軟の表現、など正確でかつ骨太の造形性が求められる。一般的なハッチング(雨降り描き)などでは対応できない。つまり上記のようなアカデミックな修練では大らかさと柔らかさを併せ持つ木炭が最適ということになる。画家によりキャンバスに木炭で直接下絵を描いたり、その「味」を生かす人もいるくらいだ。
デッサン自体が、必ずしもアカデミックな傾向でないタブローにおいても、例えば上記の「質感」、「量感」とはこういうものと言うことを理屈ではなく体で知ると言う意味でその修行は役立つし、フォルムの安定性や構成は勿論、ヴァルール(ものともの、パートとパート間の色相、明度、彩度に関わる相関関係)、色調のバランス等重要な基礎的意義を持つのであるが、木炭はその意義に応え得る最も合理的素材ということになる。
当然古典派系の絵画においては冒頭のアカデミックな要素の正確さが求められる。それは一言で言えば「絵の強さ・安定感」に関わる。ひとつでも曖昧なところがあるとどこかひ弱で、安定感を欠いたもとして映じてしまうのである。
蛇足だが木炭は硬軟各種ある。紙は20号キャンバスぐらいの大きさの木炭紙に描く。これも一般的なMBMなど各種ある。消すのは食パン。焼きたてでもなく古すぎてもない、ヤマザキパンの6枚切り半斤(ここまで書いてある技法書はないだろう!)ぐらいでよい。ぼかしにはガーゼ、他に計測用の編み棒か市販の計測器(名前失念)。最後はフィキサティ-フで定着。
参考までにそのサイトをご紹介。
http://homepage2.nifty.com/mhiro/file00.html
ではなぜ木炭デッサンとはそのような意義を持つのであろうか?
まずアカデミックな造形の修行の基礎として最も合理的ということが言える。
そのアカデミズムとは「フォルム、調子(トーン、グラデーション)、立体感、質感、量感等」に関わる概念である。ここには「色彩」はない。論理的には上記のようなアカデミックな意義はタブローを描きながらでも学ぶことができるが、色彩はそれ自体非常に重要でまた厄介なものであり当然「色を塗る」ということに伴う難しさもある。したがってとりあえずはその「色彩」を省いたモノトーンの世界からはじめると言う合理性が一つ。
それでは鉛筆でもよいかというと洋画・油彩はデザイン(美大のデザイン系は鉛筆デッサンで試験するのではないか?)などの分野より画面のスケール、重厚さ、広域にわたるトーン付け、部分の緻密さ、硬軟の表現、など正確でかつ骨太の造形性が求められる。一般的なハッチング(雨降り描き)などでは対応できない。つまり上記のようなアカデミックな修練では大らかさと柔らかさを併せ持つ木炭が最適ということになる。画家によりキャンバスに木炭で直接下絵を描いたり、その「味」を生かす人もいるくらいだ。
デッサン自体が、必ずしもアカデミックな傾向でないタブローにおいても、例えば上記の「質感」、「量感」とはこういうものと言うことを理屈ではなく体で知ると言う意味でその修行は役立つし、フォルムの安定性や構成は勿論、ヴァルール(ものともの、パートとパート間の色相、明度、彩度に関わる相関関係)、色調のバランス等重要な基礎的意義を持つのであるが、木炭はその意義に応え得る最も合理的素材ということになる。
当然古典派系の絵画においては冒頭のアカデミックな要素の正確さが求められる。それは一言で言えば「絵の強さ・安定感」に関わる。ひとつでも曖昧なところがあるとどこかひ弱で、安定感を欠いたもとして映じてしまうのである。
蛇足だが木炭は硬軟各種ある。紙は20号キャンバスぐらいの大きさの木炭紙に描く。これも一般的なMBMなど各種ある。消すのは食パン。焼きたてでもなく古すぎてもない、ヤマザキパンの6枚切り半斤(ここまで書いてある技法書はないだろう!)ぐらいでよい。ぼかしにはガーゼ、他に計測用の編み棒か市販の計測器(名前失念)。最後はフィキサティ-フで定着。
参考までにそのサイトをご紹介。
http://homepage2.nifty.com/mhiro/file00.html