教会の研究2 http://blogs.yahoo.co.jp/asyuranote/22227967.html
ゴッホ作「オーヴェールの教会」油彩 1890年
佐伯祐三作 「「オーヴェールの教会」油彩 1924年
筆者作「オーヴェールの教会」油彩 F20 2005年作
同上「オーヴェールの教会」油彩 F10 1995年頃作
上掲は総てパリ近郊オーヴェール・シュル・オワーズにある教会の絵である。同地は言うまでもなくゴッホ終焉の所。
この教会をゴッホが描かなかったら知られる事はなかったであろう一田舎町の何でもない教会である。
私もそうだったがこの教会をゴッホの絵のイメージで捉えていた人が現物を見たらその意外な大きさにビックリするだろう。
この原因は一番知られているゴッホの絵に描かれている人物と教会の大きさのの比率にある。ゴッホは人物を大きく描きすぎている。因みに人物の衣装も被り物はオランダ人のそれである。しかしこのような造形的価値観を持ち込んでも全く意味はない。佐伯のもそうだ。あの教会のドッシリとした量感や奥行きがまるで出てない。
つまり彼らは教会そのものを描いたのではなく教会というモティーフを通じて自己の造形世界を具現化したに過ぎない。
因みに佐伯というとすぐにヴラマンクと来るが彼はユトリロ、ゴッホにヴラマンクに勝るとも劣らず傾倒していたと言われている。この作品、佐伯が現場で意識してイーゼルを立てたとしたらその傾倒ぶりを示す面白い資料だ。全く同じ向き、同じ角度で描いている。
一番下の拙作、クソ真面目にこの教会を描いても勝負にはなるまいと百も承知で、ただ彼らと同じ場所で同じ絵を描いてみたかっただけ。「スケベ根性」なし!そういう絵もある。