これは佐伯が作ったとされるキャンバスに描いたもの。画像の上部がちょっと切れてしまった。
膠が入っているので弾力がない。したがってものが当った時など亀裂が心配。張替えも難しい。地塗りの絵の具は吸収が早く艶を消失する。私の絵は普通の油性キャンバスでも最終的にマット(艶なし)になるのでむしろギラツキが残る方が気になる。
途中の二層目からは艶が残る部分と吸収される部分と斑になる。佐伯がどんな溶き油を使っていたかによるが、そのままだと調子を均一にするためニスがけが必要だろう。佐伯の画面ではニスがけが多く見られる。いずれにしろ佐伯は艶の問題ではなく乾燥の早遅の問題でこのキャンバスを作ったと思われる。
後者については後日もっと下地材を厚塗りしたキャンバスを作って確認したい。
なおこの画面、下地の仕上げ塗りを丁寧し研磨したら細密描写に最適だろう。