ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が危篤という情報が世界を駆け巡った。この法王日本にも来たことがある。世界中を旅行、自身も数カ国語を駆使してメッセージを送る。これほど世界中を歩いた法王もいないらしい。空港に着くと第一歩は必ずひざまずき大地に接吻する。

 在位期間中は、進化論やビックバン宇宙の認知、ガリレオの名誉回復などキリスト教社会では画期的なことがあった。その意味では歴史に残る法王だろう。
 やがて「帰天」という言葉が使われるだろう。
 そのあと新法王を決める会議「コンクラーベ」が行われ、決まったら法王庁の煙突から白い煙が上がる。

 ヨハネ・パウロ2世は自らを狙撃したブルガリア人を「許した」。キリスト教では「悔い改め、許し」が大きな教義。しかし、世の中には絶対許してはいけないものがある。社会的責任などという種のものではない。看過するということの罪を自我の問題として捉える。