春と秋、年に2回、グルメな同級生夫婦Rちゃんに誘われて
長野に行くようになって5年くらい経つのかな。
じつをいうと私は学生時代から長野にゆかりがあり、
というのも9年前のいまごろ亡くなった親父が、母上と
白樺湖のさらに奥へ行ったところに夏の間、住んでいたからだ。

この間の連休、キノコを食べに長野に行ってきた。
親父が暮らしていた家からわりと近い場所だったので、
久しぶりに、懐かしいあの家に寄ってみることにした。
私の記憶がたしかなら、2009年の1月ぶりだ。
親父がいなくなったら、私たちだけで山小屋へ行くことはたぶんない。
売りに出したところ、運良く住んでくれる方が見つかり、
家の片付けをしに向かったのが最後だった。



諏訪南で中央道を降りる。



山が色づきはじめていた。

どこに行くのかよくわかっていないそ氏に、
「おじいちゃんが昔住んでいた場所に向かっている」。
私はそう説明した。

「逢いたーい!」と、そ氏は言った。
もう居ないんだよ。
お空に行っちゃった。
そ氏は眉間にしわを寄せ、もう一度「逢いたーい、よー」と言った。
3歳児にはちょっと難しかったかな(笑)。



久しぶりに訪れた別荘地。
私が22から32歳までオートバイで
しょっちゅう通っていた思い出の場所。
結果から言って、元親父の家は、
とてもきれいに住んでもらっていた。
新たにカーポートが作られていたり、
庭にたくさん薪が並べてあったり、
この場所に愛着を持って住んでくれている。
よかったなと思った。
後日、母上に報告したら、彼女もうれしそうだった。

せっかくだから、当時お世話になっていた整体のセンセの家へ。



なぜこんな山奥に!? とみんなが驚く、ゴッドハンドのセンセ。
万年腰痛に苦しんでいた親父がしょっちゅうお世話になっていた。
いまよりもずっと不摂生をしていて、身体がぼろぼろだった私も、
長野に行くたびに、センセにかかっていた。スグ治った。



センセは、右の女の子を見て、え、 いつの間にふたりも!?
と、驚いた顔をしていたけど(笑)、ノンノン。
彼女は友だちの娘さんで、親が来ないのに、
私たちと今回キャンパーで旅をした小学校6年生のH。

なつかしい時間を過ごし、



お昼はセンセが教えてくれた白樺湖の蕎麦屋。



翌日、ざっぷりキノコを食べるというのに、
キノコ蕎麦、たのんでしまった。ついつい……。



みんなでいただいた天ぷら盛り合わせ。
カボチャとサツマイモがあまり好きじゃない私たちは、
そ氏にお願いして全部食べてもらった。



外は冷たい雨。
温かい蕎麦がおいしかったね。



雨がやんだので、ビーナスラインを車山方面へ。



山歩きも楽しんだのでした。

ここはね、昔飼っていたイヌ(ヘン子ちん)と
散歩がてらよく来たんだよ。
そ氏に教えてあげたら、
「カッカと?(そ氏は豊のことをカッカと呼ぶ)」と言った。
ううん、豊の前に飼っていたイヌ。
……3歳児には難しい話よね(笑)。
眉間にしわを寄せて一生懸命考えているそ氏の顔を見ながら、
私はふふふと笑うのだった。