愛しい3の日を君に贈る -8ページ目

愛しい3の日を君に贈る

この人生を命ある限り届けたい。

あの喧嘩は何だったんだ

気がついたら2人はいつも通りだ


「夫婦って…一体。」



ある日…

「お母さんがいない。お父さんと…何かあったかな。」

何も聞いてないけど何かあった事だけは察し、小さな心がキュッと苦しくなった



普段台所にお母さんの姿は無く

父親がいた


慣れない手つきに漂うのはお決まりの

「卵焼きとベーコン」

見た目はお世辞に身綺麗ではないが、これが胡椒が効いてて強めにしょっぱい

愛情はたくさんだ


お母さんは?って聞いたものなら壊れてしまいそうで

ただ黙って明るくいなきゃと装った自分がいた



秒針が沈黙を埋める



『お母さん病院にいるから、明日、行こうか。』

「う…ん。」


父親から突然、そう話され

後はどうしていたか全く覚えていない



翌日、病院に行くと…

そこには、パジャマ姿のやんわりとした母親がいる


「さくらちゃん」

抱きつくパジャマはいつものお母さんの匂いだ


いつものような何かに迫られている表情はしていない


何故か穏やかなのは自分達と会えたからなのか

普段の家事業務から手が離れたからなのか

病院の白いベッドの匂いには最後までなれなかったけど


ともかく母親がいて会えることが嬉しかった


そこに、寂しさが存在しないのは、母親がいつも愛してくれていたからだ


どうして入院しているのかも分からない

あのトトロの物語の中でめいちゃんがお母さんを追いかけていく気持ちと同じだった



そうして、母親は、自分たちを育ててくれた臓器にさよならをした

命を育ててくれた体の一部が亡くなってしまうことを惜しみながら感謝を送りながら


残された体ととも自宅に戻ってくることになった



「お母さん、女の子で無くなった気がしてしもたよ。」

…なんて苦笑いしながら、私は、お母さんがいればただそれだけでよかった


私の命をその体で生んでくれたことのこの上ない素晴らしい母親は、何があっても変わらないとおもっているから