今朝の起床もいつも通り
眠気眼で引き戸を開ける
スコシ冷える土間の下駄
食卓はどこからか樟脳が匂っている
「今日から小学生…か。」
期待と不安が眠気に勝っていく瞬間を感じとる
空腹を満たして
自分の体よりも大きい
白いシャツに
紺色のスカート
完璧な小学生
「ち…ちびまる子やん…。」
ピカピカの空っぽのランドセルが嬉しかった
ピカピカの真っ白のシューズ靴を履いて
お父さんもお母さんもいつもと違う
何だか格好良くて
何だか綺麗
いつもこれが良いな
「ほらほら、ランドセル背負ったままで良いから!ここに立って!写真写すからね!こっちよ!」
「はーい。」
「お父さん!もう一枚ね!今度は、お母さんも並ぶから!」
カシャ…
かしゃかしゃ…とシャッターが鳴り止まない両親の気持ちが伝わってくる
「お父さんと撮った…っけ?」
「ほら、まーちゃん、ハンカチ、ティッシュ持ったね?行くよ!」
振り向けば
いつものように穏やかに
お爺ちゃんの細い目は
また細くなって
タバコをぷかぷか吹かせて見守ってくれる
「いってらっしゃい。」
新しい始まりの日は
お爺ちゃんとの時間と交換だ
「行ってきます。」