愛しい3の日を君に贈る -28ページ目

愛しい3の日を君に贈る

この人生を命ある限り届けたい。

小学校になるとどんどん遊ぶ範囲も活発になる


我が家は、昔から石垣の上。

何でも我が家の下には計り知れないほど巨大な石がある…らしい。


この町全体を襲った大水害で牛が流れていく中…我が家は、この家の石のお陰で守られたそうだ。


そんな我が家は

山の斜面に沿うように建っていて

家裏は、竹藪が生い茂っている。

幼い私には、かぐや姫を想像しやすい環境だ。


遊ぶのが子供の仕事ってもんだ。

何せ普通のアスファルトの道に面白さが無いから無防備に危険な道を選んで突き進んでいく。


家裏の竹藪を辿り

蜜柑畑をすり抜けていくと

ちょうど我が家の真上にある同級生の家に遊びにいくことにした


その日も同級生の家で遊ぼうと…

上級生と同級生らとで、生い茂る蜜柑畑をスコシ消毒かかった蜜柑の葉を掻き分けながら歩いていた。


私と同級生と…お姉ちゃん達がいたかな


『草凄いな』

『行くぞー』

『大丈夫?気をつけてよー!』


声を掛け合いながら突き進んでいく姿は、まるでスタンドバイミーがバックミュージックだ。


イケイケドンドン…

(あれ…何?)


ポツン

…と、石の上に何かがいる。



そーっと歩みを進めながら

よーく見ると…

シュルッととぐろを巻いた真っ白い爬虫類?

らしきものが

…座っている。


「あれ…何やろうね」

「…」

「(あれ?皆…気付いてないのかな?)」

  

サイズは

小学生の手のひらにぽんっと乗るくらいの小さな…真っ白な生き物。

トカゲ…?

ヤモリ…?

…何?


いや、とぐろを巻いてるし…

へ…?

び?

へび!?

いや…蛇にしては小さすぎる。

真っ白。

全然、動かない。


でも…

こっちみてるし…

う…動かないけど。

でも、見てる…よね?


ごちゃごちゃと迷宮入りの回想が続く。

そーっと背を屈めて前を歩いていこうとするもやはり微動だにしない。


なんや…全然動かんやん!

よっし!

通れる!


その生き物は、私が前を横切ろうともびくともしなかった。


死んでる?

いや、目ははっきり見開いていた。



『あれ…何やろね?』



私の声かけに誰にも反応しないのは、目的地に必死なんだろうか?


ハァハァハァ…

最後の難関モノレールのレールを飛び越えて


『やったー!着いた!!』


やっと、友達の家に到着。


『ねぇねぇ…

さっきの…

何やったんやろう?

白い爬虫類っぽかったけど、あんなの見たことないよね?』


『え?何言うてんの?そんなの無かったよ。』


『え?あったやん!!ほら…しっぽ巻いてさ、こんなに小さくってさ!』


言えば言うほど信じてもらえないのか、誰一人共感してくれず、嘘つきものになりそうなので私は言うのを諦めた。


昔から…

家裏の棒一本隔てた隣近所の畑には

山の真ん中に

小さな祠が祀られている

白い巳の山だと言う言い伝えがあった。


嘘か本当か…

未だに分からないが、後にも先にも

『白巳の神様』

に会ったのは、これが最初で最後だ。


今も言い伝えはホンモノだったと…

私は、信じている