90 100点満点 | 愛しい3の日を君に贈る

愛しい3の日を君に贈る

この人生を命ある限り届けたい。

この世でテストが大好きな人がいるのだとしたら…

是非とも好きになれる方法を教えて欲しい。


テストの用紙が配布され“はじめ“という合図と共に答案用紙をめくる瞬間が

どうにも…慣れない


それは、大人になっても全くもってあの頃と同じ気持ちだ


ただ、テストに対してどこまでも挑み

何なら出題者の心理まで読み解き論破する感覚を快感とする人物を知っている


「兄」だ


昔からガリ勉で優秀な兄

本当に同じ母親から生まれてきたのか?という疑問すら沸く


カエルの子はカエルのように

“例えば“医者の子は、医者のように

兄弟なら大体似たような成績で近しい感じにもなる

…はずだったのかもしれないが


兄のようになるには、自分はかけ離れ過ぎていた

親や親類の姿を見て“兄と自分は違う“とかなり早い段階で確信していた


「算数ほど解き切った快感はない」

と豪語する兄の心理に対して

「算数ほど解き切れない苦痛はない」

と反比例する心理を持つ自分とは

到底、平行線のままだった


ある日、算数のテスト返しがあった算数嫌いは続きつつも

成績はいつも普通でとてもよく無ければ悪くもなかった


小学生のテストは、表裏とあり…

表は100点満点

裏は50点満点…


いつものようなテスト返しに

いつものように着席をする自分がいる。


先生:『この中に0点を取った人が…1人います。』
自分;(そうなんだ…誰なんだろう、可哀想に)

テスト用紙は、1人ひとり点数が見えないようにそっと先生からもらう

何点かな…
そっと見た瞬間、まるで崖から突き落とされた気分だった
想像していない点数を目の当たりにする


0点を取ったのは…自分だった

友達:「ねえ、誰なんだろうね、0点とった子」
自分:「ねえ…」
なんて必死でテストを見えないように手で覆い
冷静を装って話を合わせた

全く分からない問題でもなかったのだが、そうかと手ごたえのある感覚もなかった
そろばんを習っていた自分にとってあり得なかった
ただ、言えることは、このクラスで0点は自分だけでビリってことだ


「何で…先生…点数を言ったんだろう」

疑問は止まらず

自分の心の違和感を先生の信頼に充てて0点にした感覚を覚えている


0点なんて漫画の世界だなんて思っていた。

そっと…親にばれないうちに破って捨てながら、それが現実にあることをひしひしと感じていた


できればそんな点数を人生でとりたくものだのだけれど

100点があるように0点もあるものだから


人生で忘れもしない0点も

時が経てば良い経験なのかもしれない


今じゃあ少し笑える話にもなっている