無人島で、船座礁!マジ遭難!ようやく生還! | 清水国明オフィシャルブログ「清水国明のブログ」 Powered by Ameba

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瀬戸内海のど真ん中
岩国と松山の中間あたりに無人島「ありが島」があります。
清水国明が日本一わくわくする無人島キャンプ場を造りました。
これまでの集大成、これからの希望です。
どうぞ遊びに来てください。
http://arigatou.p-kit.com/

無人島の初日の出 
あけましておめでとうございます
新年6日目ですが
いまようやくそんな気分です

瀬戸内海の無人島
周防大島の先端にある「片島」へ
昨年の12月28日から上陸し

年末年始を家族と
会社スタッフ、親しい友人たちと過ごす
という企画で

不便で快適ではないけれど
楽しさがある「無人島体験ツアー」

「感動」があるところに
人もモノも、そしてお金も集まるという
「集客メソッド」の実践

「無人島体験ツアーに参加された皆さんは
船が難破して無人島に漂着した遭難者です
自分の生きる力を目覚めさせて
過酷な無人島生活から脱出し
自宅へ無事生還してください

その時電気や水道や水洗トイレがある
今までの暮らしの便利さに
これまでにない感動を覚えるでしょう
その気付きがこのツアーの目的なのです」

そんなことを
今から考えると
チョット上から目線で語っていたのですが

広島からの往路で
先行する2艘の引き波がつくった
大きな三角波のてっぺんに乗ってしまい

ありゃ、転覆?
という一瞬がありましたが
上陸してからはほぼ順調で

予定していた
避難基地としてのドームハウス
薪風呂
テントサイトデッキの建設作業が終了

天候も穏やかで
いい年末年始を迎えることができました

ひとえに
今回の無人島基地づくりに
寝る間も惜しんで
目的だった魚釣りも我慢して
建設作業に励んでくれた
仲間たちのおかげ

ありがとう
ありがとう

言葉に尽くせない
感謝の思いを込めて

この島を
「ありが島」と名付けることにしました

漢字で書くと
「有難島」

困難なことがたくさんあるけれど
それを乗り越えることで
でっかい感動に出会うことができる

そして
さっそく困難がおとずれたのです

会社のスタッフや友人たちが
すべて島を離れた夜

その夜から
私と6歳の息子「国太郎」と
妻「敬子」の三人だけで過ごすことになる夜

それまで穏やかで
島内探検やゴムボートでキス釣りなど
楽しむことができていた海が
急に荒れ始めて

みんなを「国太郎」と二人で対岸の港まで送って行ったきり
無人島に戻れなくなってしまったのです

島には「敬子」一人

「国太郎」と私は
風が収まるまで港の船の中で寝ていたのです

ようやく家族だけで過ごせるはずの一夜を
バラバラに過ごして朝になりました

風は相変わらず「北東」の7~8メートル

まともに無人島に向かって吹き付け
瀬戸内海とは思えない荒波です

せっかくの薪風呂の屋根がはがれ
テントが飛ばされ
頑丈なドームハウスもぐらぐら揺れていると
一睡もできなかった「敬子」からの電話レポート

でもこんな時のために
避難できるドームハウスを造っておいて
本当に良かったです

再びみんなに
ありがとう
ありがとう

私の船は
25フィートで250馬力の船外機が付いている
ちょっと大きめのボートです

これくらいの波や風なら
対岸ですから渡れないことはないのですが
砂浜沖に錨をおろして
船を停泊させるのが大変です

走錨という、錨が用をなさない事態が
起きるかもしれません

そうなると岸壁に打ちつけられて大破
もしくは砂浜に打ち上げられて座礁か転覆です

船にある二つの錨を
しっかり準備して
明るくなってから無人島へ向かいました

予想以上の波と風が
まともに海岸へ打ちつけています

一瞬ひるんで
風裏になる島の反対側に船を回して
崖を登って「敬子」を救出
という案も頭をよぎったのですが

せっかく錨を準備したのだからと
えいやっと投入

が、船は全く止まらず
砂浜の横の切り立った岩壁に向けて
どんどんと流されてゆきます

バックにギヤを入れて
思い切りアクセルを開けました

しばらく後退していた船のエンジンが
ピタッと止まり
いくらセルを回してもかかりません

再び岩壁が迫ります

急いでもうひとつの錨を投入
少し流される方向が変わりましたが
船は砂浜へ真横になって打ち上げられてしまいました

大きく打ち寄せる波で船が傾き
今にも転覆しそう

プロペラに巻き付いたロープを切るために
ナイフを握って波打ち際へ飛び降りました

腰まで浸かって
波に翻弄される船の後ろで格闘しながら

「くにたろー!そこから飛び降りろー!男だろー!」
とデッキにしがみつている「国太郎」に叫びました

今思うと
すごい高さからのジャンプでした
よくやったと思います

泣きながらドームハウスにいる
ママを呼びに行って
でもそのあと「国太郎」は
お菓子を食べて
爆睡してしまったらしいです

プロペラに固く絡みついたロープを
なんとか切り終えたのですが

ぐらぐらと波に翻弄される船を
妻と二人で砂浜から
ただ見つめているしかありませんでした

ふと思い付いて
ぐらりと海側に傾いた船の下に
流れ着いている大きな発泡スチロールのブイを差し込み
次の波で岸側に傾かないようにしてみました

満ち潮だったのが幸いしたのでしょう
じわじわと船尾が海へ入ってゆきます

ブイの押さえを妻に任せて
船に飛び乗り
バックギアでアクセル全開

グワングワンと砂を巻き上げながら
なんとか岸を離れることができました

沖にコンクリートブロックを沈めた
係留ロープにやっとのことで船を繋ぎ止め

ホームセンターで買った
一人乗りのビニールボートに乗って
砂浜へびしょ濡れで漂着したのです

これが座礁、漂流
そしてこれからが「清水家」の無人島遭難暮らし

結論から言いますと
夕方波が収まってきたので
船に戻って
傷ついた船をだましだまし操船して
ようやく対岸の港までたどり着き

そして今
周防大島のリゾートホテルの一室で
これを書いています

部屋に入ってまず最初にしたのは
冷たい海水とロープ操作で
感覚がなくなっていた両手を
温かいお湯に浸すこと

蛇口をひねると水が出て
お湯まで出てくる
この便利で快適な現実に

心から
あーありがたい
ありがたい

ありがとう
ありがとう
とつぶやいていました

私はもう
こんな便利な日常を過ごしていたんだ
それに気付かず、感謝も忘れて

あれも欲しい
これも足りない
もっともっと

今ある幸せに物足りなくなったら
「ありが島」に行くことにします

過酷な無人島体験でしたが
妻の「敬子」はそんな中で
能天気な動画撮影をやっていました

転覆しそうな船の後ろで
波とロープと格闘しているときも
撮影してるので
さすがにキレそうになりましたが

今となっては
貴重なドキュメントです

まずは平和な無人島シーンを
よろしかったら


無人島8日目vol.2
http://youtu.be/OJoSWTO3J0I

無人島8日目vol.3
http://youtu.be/UOvGG1EQyBs


無人島 Let'Go 探検!!
http://youtu.be/7CchA00rMnc

http://www.youtube.com/watch?v=IdOHVeJE5UM