ユダヤ博物館…正直言って私には重すぎる展示内容であり、建築空間であった。ユダヤ人の歴史をしっかり勉強したことがない自分には理解できることはほんの僅かであったであろうが、何とも言えない気持ちになった。

ユダヤ博物館は、メタリックな外観をひっかく傷のような開口部を無数にもつ。平面は蛇のように折れ曲がる、ジグザグの形状だ。それを串刺しにする軸線が走り、ジグザグと交差する部分は空白のヴォイドになっている。吹き抜けのヴォイドは、何も展示しないことにより、逆説的にホロコーストの悲劇や、ベルリンの歴史におけるユダヤ人の不在を示す。

亡命の軸は、ニューヨークやアムステルダムなど、主な亡命先となった都市の名前が壁に記され、ユダヤ人の取得したパスポートなどが展示。突き当たりの明るいガラス戸を抜けると、外部に出ることが出来る。そこは、7本×7本のコンクリートの柱が並ぶ、ホフマンの庭。柱のてっぺんには木を植え、中央の1本はエルサレムの土、まわりの48本はベルリンの土を入れる。それぞれが互いの場所を意味するという。
ホロコーストの軸では、アウシュヴィッツやビルケナウなど、強制収容所の名前を壁に記し、亡くなったユダヤ人の遺品が展示。

奥の分厚くて重い扉を開けると、ホロコースト・タワー。
勝手に出入りできず、係員がいて、数人ずつ入ることしか許されない。打放しのコンクリートに囲まれた暗いヴォイドだが、上部の細いスリットからわずかに光が差し込む。ここでは沈黙し、押しつぶされそうな絶望の空間を経験する。

ここまでは地下であり、地上とは全く異質な建築空間を体験できるのであるが、この何とも言いようのない雰囲気というものがユダヤの歴史を物語っている。

軸から一気に3階までのぼって、ようやく常設の展示室に至る。

常設展示では、ユダヤ人の子供や女性、シナゴーグなど、多様な切り口でユダヤ人の歴史と生活を紹介しています。かなりの量が展示されている。

ユダヤ博物館は建築ミーハー的な、建築見学をするような場ではないことが確かである。。。
そこには強い精神性…絶望…または希望が…人間とは…


日本を発つ前に『夜と霧』を読み、アウシュビッツ収容所にも行く予定でしたが、時間的な問題から今回はポーランドには行けませんでした。このユダヤ博物館で感じたことも蓄積し、今後自らが成長した時に訪れたいです。


*写真は建物の平面が分かる看板です*

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