ミュラー邸 | ヨーロッパ建築巡礼記 改 デザインで豊かな生活を

ミュラー邸


 

ミュラー邸はアドルフ・ロースによる設計で1928-1930年に建設されました。

 


Muller Villa はロース晩年の住宅作品です。
竣工は1930年ですが、一般公開がされるようになってからはまだ4年半ほどです。3年の年月と約1億5000万円の費用をかけて修復し、2000年5月から公開されるようになりました。

アドルフ・ロースは1870年生まれ、著書『装飾は罪悪』で有名なオーストリアの建築家です。アールヌーヴォー華やかなりし頃に装飾は罪悪だと唱え、近代建築の様式論に多大な影響を与えた人物です。

ミュラー邸は友人ファンティチェック・ミュラーのために設計された3人家族の家で、ロースの居住空間コンセプト『ラウムプラン』を実現した空間です。
ラウムプランの特徴として、複雑な内部構成、微妙に段差をつけて空間を構成することが言えます。ラウムというのはドイツ語で『空間とか部屋』という意味ですが、均質で流動的な空間でなく、内側に力のこもったような空間です。
人間がそこに住み込み意味を込めていくといった空間。
ロ-スは内部空間のプロポーションやスケールを調整しながら立体的に空間を構成し、これを最終的にシンプルな外形にまとめあげます。

 

 

財布事件の後、ミュラー邸に再び戻り入り口で待っていると係の人が出てきましたが、もう予約で一杯だから今日は見れないと言われました。
かなり粘って交渉しましたが無理そう…

でもそんな時に10人くらいのおそらく設計事務所の社員旅行のような集団が来ました。結構年配の方が多くてその人達はちゃんと予約をしていたみたいです。
この団体の人がわざわざ日本から来たんだし、一緒にまわってもいいよと言ってくれて中に入ることが出来ました。

今日はほんとに人の温かさが身に染みます。
ミュラー邸は本来、完全予約制で、1時間半のガイド付き見学ツアーのようです。
そんなことは全く知らなかったので運が良かったです。

玄関から順番に部屋ごとに、ガイドさんがしっかり説明をしてくれます。
1時間半の見学ツアーは密度の濃い、有益な時間でした。
あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、外からの印象と中の印象が全く違うことに驚きました。レベル差がそれぞれの部屋で異なり、螺旋状に上昇する複雑な内部構成です。自分がどこにいるのか分からなくなる空間でした。

単純な外観から、こんなに豊かな空間が作れるものか…
実際に体験しないと分からない空間です。
ロースマジック。

内部はもちろん写真撮影厳禁だったのでポストカードセットを購入し、外観の写真を撮り、時間のゆるす限りスケッチをして宿に戻りました。