中心人物の重要性 | 親と子の訓読家庭教会

親と子の訓読家庭教会

後天時代に於ける子女教育を考える

顕進様が語られた「中心人物の重要性」についてのお話を紹介します。

神様の摂理と人類の歴史を通じて、様々な課題やビジョン、アイデアなどを推し進めてきたのは偉大な個人たちでした。こういう中心人物たちによって、人類は新しいレベルの悟りへと導かれてきたのです。宗教的または霊的な志向を持たない世俗的な人々でさえ、中心人物の重要性を認識することができます。ですから、霊性を持ち、神様が人類を産みかえるために人類の歴史を通じて働いてこられたことを理解している人であれば、中心人物の重要性についてさらに深く認識する必要があります。

例えば、エイブラハム・リンカーン大統領は、南北戦争を通じてアメリカという国が代表するものを定義しました。彼の存在がなければ、アメリカは全く別の方向に進んだかもしれません。当時、アメリカは、さまざまな思想的パラダイムの間で意見が分かれており、特に奴隷制に関しての相違がありました。共和党の立場は、西部につながるすべての新しい州は奴隷制を認めないというものでした。しかし党は、奴隷制の終結ではなく、経済的利益のための自由労働を支持していました。リンカーン自身は共和党員でしたが、問題に対する彼の視点は異なっていました。

奴隷解放宣言とゲティスバーグ演説の中で、彼は、「すべての人は平等につくられている」という独立宣言を引用して、奴隷制の問題を実用的な問題から国家の道徳の問題へと転換しました。彼の解釈によれば、これはアメリカが対処しなければならない道徳的な問題でした。なぜならば、それは国家が依って立つ基本的な原則的倫理と、この国が世界に対して代表することになる基盤を決定するものだったからです。彼は、奴隷解放宣言に署名し、アメリカを建国当初から悩ませていた奴隷制の問題を終結させました。彼はそれを行う義務があったわけではありませんが、大きな政治的な代価を払い、しかも命までも犠牲にしてそれを行ったのです。

人類史上の重要な瞬間はどれも、大きなグループや組織ではなく、偉大な個人たちによって決定されてきました。そういう人たちは、多大な個人的代価を払うことにより、この世界をより良いものとする驚異的な変化をもたらしてきた功労者なのです。