6. 親子の間で起こる奇跡 | 親と子の訓読家庭教会

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後天時代に於ける子女教育を考える

最前線だけが神体験の場所か

私達親は今まで、万物復帰や伝道や渉外や開拓や、その他もろもろの前線活動を通じて自分達の内的勝利が外的勝利に繋がる事を体験して来ました。つまり、我々が内的限界を乗り越えた時には、いつも神や御父母様との霊的、心情的出会いがありました。そして、その様な時によく「神」は外的な現象や実績で私達に示してくれました。それは、ある時には直ぐ後に、又ある時は時が経ってから示されました。

私はロシアでの伝道を中心とした10年間程の宣教生活を終えて、アメリカに帰った後、2年間程 世界カープ本部の仕事をする様になりました。アメリカでの生活は大変便利で、しかも入教して以来初めての保障された様な生活は、外的にはとても快適でした。ロシアでの不便で、時には身の危険をも感じながら前線を指揮していたのとは大きな違いです。しかしそのうち、段々と神体験が少なくなって来ている自分の生活に気が付きました。

教育に起り始めた奇跡

それで、私はもっと朝早く起きるなど、更に規則正い生活をしてみましたが、以前の様な神体験は起こりませんでした。それは、宣教時代に比べ、以前のような切羽詰った環境がないためです。それでは、どうすれば良いのでしょうか。ロシアの厳しい環境の中に又帰って、もう一度神に出会う生活に戻らないといけないのでしょうか。それとも、アメリカの地で、一人で万物復帰か訪問伝道でもして、新たな神体験をすれば良いのでしょうか。


答えは簡単です。もし、与えられた厳しい環境のなかでしか「神」に出会えないのならば、荒野で神に出会っても、カナンで信仰を失ってしまったイスラエル民族と同じです。それでは、私達は天一国が出来た時に本当の意味で福地定着を実現出来る祝福中心家庭にはなれないでしょう。

それで私は、与えられた本部の仕事の中でもっとオーナーシップを持って、伝道ではなく、今度は教育の分野で奇跡を起こせるかどうかチャレンジしてみました。そして、親子問題や祝福問題て悩んでいる何人かの二世のリーダー達に責任をもって指導し始めました。すると、次元は違いますが、自分にも少なからず彼らと同じ様な問題があることを発見しました。そして、彼らの問題を自分の問題として考え、自分が彼らより先に変って行こうとすると、驚いた事に、なかなか長い間抜け出せずに悩んでいた二世達が、突如変り始めたのです。

たとえば、ある日私が自分の親に対して、新たに勝利した心情圏で持って、ある子に話そうとすると、その子の方から、親を許せたと言って嬉しそうに話し始めるのです。又ある日、私が自分の相対者に対してもっと深く心情的一体化が出来たなと感じた時、別な子は自分は始めて相対者と深い話が出来たと行って報告の電話を突然かけてくるといった具合です。万物復帰や伝道や新人教育等で不思議な体験を幾つか経験した私も、二世リーダー達の教育でのその様な不思議な体験をしたのは初めてでした。



親子の間で起こる奇跡

その様な経験を通して感じたのは、心の教育は知識や技術だけでは出来ないと言う事と、特に二世教育は多分に霊的なものが多いと言う事です。そして、その教育のポイントはやはり「インサイド・アウト」の観点と姿勢です。つまり、物事を内的・原因的観点で見つめ、先ず自分の心が良い方向に変り始めると、外的・現象的にも良い結果が出始めるという事です。しかし、今度はそれを子供達ではなく、まず親からはじめようと言う訳です。勿論、責任者の子供達には、その責任ゆえの全体蕩減がある程度かかっているかもしれませんが、基本的には親が変われば子供も変わるはずです。

私は自分自身の子供の成長をそこまで考えて、自分の信仰生活を真剣にしていなかった事に気が付かされ、悔い改めました。それで、私が3人の子供達の事を良く祈って行くうちに、神から与えられた個々のすばらしい神性と、悲しいかな私達夫婦、もしくは我らの祖父母から引きついでしまった可愛そうな欠点も見えて来ました。

その後、私達夫婦は、もし私達の子供の個々の神性を育みながら、同時に彼らの欠点を、自分達夫婦の責任として、先に自覚して直していくならば、先天時代の万物復帰や伝道と同じ様な(又はそれ以上の)奇跡が日常の家庭生活のなかで起せるはずだと思うようになりました。そしてその後の更なる体験から、これこそが天一国に定着すべく祝福中心家庭の為の、もう一つの新しい最前線であると感じ始めたのです。