以前にも紹介させていただいたと思うのだけど、チベット仏教を学んでいらっしゃる生徒さんのブログを、ご本人の承諾をいただいたので紹介させていただきたいと思う。
かなり興味深い。
「今日は先日の休日出勤の代休を取り、またクンダリーニヨガのオンライン教室に参加。
二巡目の七回目に当たるらしい。」
私のクラスは10回1セットという形で繰り返すので、これは17回目のクラス参加ということになる。
「今日は二つほど、よっしゃあと思えることがあった。
一つ目はスーリアクリヤというメニュー。
一回目の時は体の左右の違いを感じはしたものの、ブログ(私の書いているこのブログ)に書いてるような生徒さんの体験よりちょっと薄いなと感じていた。
今日は左の鼻を閉じて二、三回呼吸した途端に体の左右の濃密さがガラッと変わり、ぼんやりと熱感が生じ、さらに二、三回呼吸すると尻か腰の辺りに割とはっきりした熱感が生じた。
更に呼吸を続けていると、その熱感が左半身に広がっていくのを感じた。
色がはっきり見えていた訳ではないが、左半身が赤黒く濃密、右半身は白じゃないけど白系統で左より薄いというものを感じていた。
ブログで紹介されていた生徒さんは不思議と言っていたのを思い出したが、左鼻を塞いで呼吸しているだけでこんなふうになるなんて、確かに不思議という言葉がピッタリだなと思えた。
なんとなく子供の頃にみたキカイダーを思い出していた。」
キカイダーってこれね。
世代が同じなので同時に思い出していた。
(笑)
この生徒さんはプラーナを熱感として理解しておられる。
私はピリピリとした電気感で感じる。
この辺りは個人差で、共通しているのは左上半身が右よりも密度が濃くなった感じがするということだと思う。
右片鼻呼吸でも空気は左右の肺に入るはずだから、空気とプラーナは流れが違うということがわかる。
さらにその後に赤い何かの出現を指摘しておられる。
これはアパーナだ。
私はアパーナをラヤヨガメディテーションで知った。
左の仙腸関節の辺りに赤いものがでてきた、そんな感じだった。
しかしスーリヤクリヤでアパーナが理解できるとは全く考えていなかった。
スーリヤクリヤの目的はプラーナのコントロールだと思っていた。
しかしここで起きていることはプラーナがアパーナを引っ張り出しということだろうと思われる。
すごいね。
目は閉じているので当然色は見えない。
見るというのは網膜に写るということのはずだから目を閉じていれば当然何も見えない。
これは色を感じ取るという現象だ。
脳の色覚に関わる部分がダイレクトに働いていると考えていい。
こういう現象を勘違いしているあーぱーなスピリチュアル大好きさんたちが、
「エネルギー見えますよ」
とか、
「オーラ見えますよ」
とかいいだすわけだ。
過去に明らかに潰しが効いていると感じさせられたのは、フラダンスをやっていた方と太極拳を長年やっていた方だった。
この二人は横隔膜、胸郭の動きで潰しを効かせていた。
しかしこの生徒さんの場合は気とかプラーナ、チベット仏教でいうルンのコントロールで潰しが効いている。
彼が長年学んできた行法の質の高さがよくわかる。
「二つ目は非常に地味だが、キルタン・クリヤの後に深呼吸をしていると、息が腹の下の方までスムーズに降りていったような感覚があったこと。
言葉にすると、それがどないした?というくらいのものだが、その昔、ヨガの本や仙道や気功、借力の本などを買い、それらの行を独習したりしていたが、体の中の硬さを感じて息苦しさを感じ、呼吸法をやってスムーズに腹式呼吸ができることがなかった。
やってりゃそのうち慣れるのかと思っていたが、やっぱりいつもどこかの硬さを感じていた。
なので、スムーズに腹式呼吸ができるなんてのは、私には感動ものだったりするのだ。
たぶんいつも今日のように呼吸できるようにはなってなくて、まだまだこのクンダリーニヨガのトレーニングを積み重ねる必要があるのだろうが、頑張ればこうなれるんだという体験にはなったと思う。」
私が腹式呼吸というものに突き当たったのは中学で空手の道場に通い出したときだった。
ごつくて人相が悪くて完全に悪役面だった空手の先生が、むおーっていう感じの呼吸音をさせながら、
「腹で息を吸ってえええっ!」
とか言っていたのだけど、私には呼吸は胸でするもの以上の理解はできなかった。
腹式呼吸なんて全くできなかった。
私が腹式呼吸さらに丹田呼吸を理解したのは柳生心眼流の稽古を始めて3年目、落の形が体に入ったときだった。
そこで初めて姿勢と呼吸の関係を知った。
例を出そうか。
仰向けで足を肩幅に開いて膝を立てる。
そこで腹をふくらませて息を吸って、引っ込めて吐くを何回か繰り返してみる。
今度は座って同じように呼吸をしてみる。
腹部の可動域が全く違うのがわかると思う。
その差が体を起こすということでおきる体の中の緊張なのだ。
「あ、そうだ。
クンダリーニヨガの教室にで、腸腰筋と大腿四頭筋の関係の話も教えていただいた。
教室が終わってから大腿四頭筋のストレッチをやってみたが、めちゃくちゃ硬かった。
若い時にも何度もやったストレッチだが、とんでもなく硬かった。
こちらも地道にやらねばな。
また、スーリヤクリヤとチャクラ瞑想の関係も教えていただいた。
このヨガの面白さは、コレができたら、これに繋がりますというところ。
ホンマに面白い。
いったい、どんな人らが作ってきたんやろな?」
腸骨筋は股関節の屈筋で膝を上げる筋肉なのだけれど、大腿四頭筋はひざを伸ばす筋肉だ。
しかし大腿四頭筋はひざを上げるときにも作用する。
腸骨筋と働きがかぶるわけだ。
フェルデンクライス身体訓練法という本には、人間はひとつの動作の中で同じ方向に二つの筋肉が働くときは、より表面で末端の筋肉を使う傾向にある、という内容の記述がある。
腸骨筋と大腿四頭筋なら大腿四頭筋を使う傾向にあるということだと思っていい。
同じことは大臀筋と大腿二頭筋、三角筋後部と棘上筋の関係でもいえる。
これが重要な胴体の筋肉の相対的な弱化につながる。
スーリヤクリヤは上半身左にプラーナを集める。
慣れれば上半身左に意識を集中させるだけで同じことができるようになる。
意識の集中ということではチャクラ瞑想も同じだ。
ただ身体内部の点に集めていくという意味ではチャクラ瞑想はやはり難しい。
スーリヤクリヤの達成は、そのための重要な足掛かりとなる。
どんな人らが作ったんやろうね?
(笑)
しかしその思いこそが過去にいた偉大な先人達への尊敬や、その先人達が見ていたものに対する帰依になる。
時間と空間を超える。
仏教徒にはさんざんうんざりさせられてきたので、もう来るなと内心思っていたりする。
自称令和廃仏毀釈推進委員会。
(笑)
でもまあ、こうやって本物を見せられるとすごいなと思わされる。
ほんとすごいね、チベット仏教って。
恐るべしだよ。