長尾山(札幌市)-湯の沢川北東面沢ー2024.7.20 | 道北ヤブ山日記

長尾山(札幌市)-湯の沢川北東面沢ー2024.7.20

長尾山(札幌市)-湯の沢川北東面沢ー2024.7.20 (2名)

 

長尾山は無意根山の北の稜線上にある1211mのピーク。

通常は積雪期に無意根山とセットで登られることが多いのだろうか?

 

札幌通いの成果で?中山峠と朝里峠を繋ぐ稜線上の未踏ピークは長尾山だけになった。

エリアを集中的に攻めるスタイルの自分としては、冬まで待つことできずに、登頂計画を立ててみた。

無雪期記録が見当たらないのも、興味を抱かせる。

 

手っ取り早いのは豊羽鉱山の夏道を使うルートだろうか。

夏道は直接ピークを通っていないため、500m程のヤブ漕ぎを我慢すればピークに立てる。

但し、山行としての面白みはまるで無い。

 

暑い時期は沢ルートが良いと、湯の沢川から北東面を詰める計画とする。

地形図では判断に迷う微妙な地形が見受けられ、一筋縄で済まない予感。

果たしてどうなるかのかワクワクしながら湯の沢林道ゲート前から歩き出す。

 

林道は整備された立派なもので、ゲート番号が分かれば奥まで入れるだろう。

山頂へ通じる北東面直登沢は、660m右股か680m右股のどちらが繋がっているかは悩ましいところだ。

 

660m二股と読んで、林道を離れヤブ被りのショボい右股に入る。

防虫ネットを装着して見どころの無い沢を淡々と行く。

 


・784の西を抜けて順調と思っていたがCo930で沢は消滅する。

懸念していた通り、北東面直登沢への入り方はやはり難しかった。

 

100mほどのヤブ漕ぎの後、直登沢にCo940で運良く突き抜けた。

どこで間違えたのか・・・・。この沢はどこから続いているのか・・・・。

平坦な地形になった後の分岐はいずれも右を取ったが、どこかで左に入るべきだったか??

答えは下りの楽しみに取っておくことにした。

 

直登沢は涸れ沢だった。

明瞭な沢形は直線的に続き、定山渓天狗山を背に高度がグングン上がる。

これまで標高の上がらない地形を辿ってきたので、ようやく山登りと言った感じ。

 

終盤はいくつも現れる沢分岐を勘で適当に進み、稜線近くで遂に濃密なヤブに捕まる。

ミストサウナのような北海道らしからぬ湿度と酷暑でのヤブ漕ぎは堪える。

最近は熱中症回避のために、30分に一回という普段の倍の頻度で休憩だ。

うちわはクーリングと虫除けに必携アイテムである。

 

稜線上はハイマツとネマガリのミックスヤブが濃い。

ガチ山ちゃんが若さに任せて突き進む姿はナカナカ頼もしい。

 

長尾山に三角点は無く、山頂標識のある木を見つけて山頂とした。

札幌の山とは言えど、盛夏にヤブ漕ぎでここを訪れる輩はそう多くないだろう。

 

足元にコツンと当たりがあり、まさか三角点?と思って苔を掃うと、町境を示す標石だった。

 

背丈を遥かに超えるヤブで展望は良くない。良い訳ないが正解か(笑)

山頂近くの木に2mほど攀じ登ると、展望が得られた。
朝里岳ー余市岳。

 

無意根山。

目を凝らすと元山コースの刈り分けがしっかり見えていた。

情報では刈り分けがヤブ被りらしいのだが、酷いヤブ漕ぎをしていると、一級国道にしか見えない(笑)

 

帰路は縦走路に出て夏道を下る選択肢も持っていたが、これ以上暑いのは勘弁と、涼を求めて沢に引き返すことにする。

 

さてさて、直登沢出合の答え合わせだ。

ヤブ漕いで降り立ったCo940をそのまま進んでも、一向に登りの沢に合流しない。

じきに合流するとの予想に反し、下部にはゴルジュや大滝が出る始末で、キツネにつままれた気分だった。

 

上から覗いた感じでは持参した40mロープでは支点からの距離が足りないと思われたが、下から見上げると2段になっていた。

上部は30mロープ一本あれば懸垂できよう。

 

沢を下り切ると、林道終点に合流する。

結果的には登りに使った沢の小尾根を挟んだ一本東の沢を最後まで下りてきたことになる。

つまり660m右股ではなく、林道終点の680m右股が山頂に続く直登沢だったという訳だ。

 

ルートはこんな感じ。

 

林道終点の沢に入れば、何てことなく山頂に導かれる。

未知のルートは自分の足を使って一つの解を得るところが醍醐味。