北戸蔦別岳ー幌尻岳-2015.7.6
北戸蔦別岳-幌尻岳-2015.7.6 (単独)
チロロ林道から北戸蔦別に登ったのは過去に一度だけ。当時67歳だった父親を連れて2泊3日の行程でゆったりと幌尻岳に登っている。七つ沼、そして北戸蔦別山頂でのテン泊はいずれも貸し切りで、贅沢な時間を過ごした。
ヌカビラ岳までの急登が辛かったことが強く印象に残っている。
2001.6.29 七つ沼での静かな朝
あれから14年、再び同ルートから北戸蔦別に登ってみることにした。
前日に前天塩岳のヤブ漕ぎを終えた体。自宅で寝てしまっては起きられないと思い、夜中に旭川を出発する。
深夜の登山口には車が6台ほど駐車されていた。
今時期は夜明けが早い。ジムニー車内は狭くて熟睡できないことも手伝って、早々に目が覚めてしまう。
体は疲れており、まだ寝ようと努力してみたが、頭が冴えて寝ることができなかった。
仕方ないのでさっさと準備して出発とする。
ウォーミングアップ的に早歩きで林道歩きを終えて取水ダム到着。
これより沢沿いの左岸につけられた道を進む。
夏道および渡渉点は明瞭。以前判然としなかった記憶があるが、ずいぶん変わった印象だ。
高速道路のような巻道を快調に進むと、沢には雪渓が現れる。
今まさに崩壊途中で、油断ならない。慎重に進んで尾根取りつきとなる。
これよりいよいよヌカビラ岳までの急登だ。しばらくは急でドロドロの夏道。
ひたすら急登が直線的に続く印象だったが、トラバース気味に進む場面も多く、記憶は曖昧だった。
途中にあるトッタの泉には凍りそうなほど冷たい水が流れている。
ここで1リットル水を補給し、計2リットルの水分とする。
縦走装備とは違って、日帰りは行動中の水分だけで良いから荷が軽い。
高度をグイグイ上げると、感動的な山並みが広がる。
チロロ岳からルベシベへ続く稜線。
夕張-芦別の稜線。
ヌカビラ岳まですこぶる快調に登っていたら、足が攣り始める。
年甲斐もなくオーバーペースだったようだ。
足をマッサージし、ナトリウムを補給して何とかごまかしながら歩く。
戸蔦別岳ー幌尻岳。
北戸蔦別岳までは景色を堪能しながら最高の稜線歩き。
ついつい写真を撮る回数が多くなるのは仕方ないところだ。
天候にも恵まれ、どこを見ても素晴らしい展望。
北戸蔦別山頂。
当初の予定では北戸蔦別で終了だったが、時間は早いのでまだ先へ進めそうだ。
1967峰も考えたが、距離は長い。途中で足が攣る可能性を考えると、距離の短い戸蔦別の方が無難と判断し、稜線を南進することに決めた。
戸蔦別川流域の山々と、雲海の十勝平野。
1881Pから一登りすると、戸蔦別山頂となる。
戸蔦別山頂から望む、幌尻岳と七つ沼カール。
ナメワッカ(右)、カムエク(中央)、奥に39のドーム。
ここまで来たら幌尻にも登りたくなるのが心情。
時間は十分、メンタル面もOK、あと問題なのは足の攣りだけだ。
足の攣りが酷くなれば引き返しと決めて、幌尻岳に向かうことにする。
足元に七つ沼を眺めながら、カールバンド上を進む。
この時期としては雪渓は少な目と思われる。
いよいよラスト、幌尻の肩への登りとなる。
気温も上がって汗が噴き出る。無理せずゆっくりと登る。
一汗かいて肩へ出ると、頂上まではお花畑が続く。
幌尻岳山頂。無事到達。
さすがは百名山。平日にもかかわらず多くの登山客で賑わっており、その大半は道外の方々のようだ。
お話をお伺いすると新冠コースからの方が多いのには驚いた。皆さん片道18キロもある林道を、よく歩いてきたなと・・・。昨晩は新冠ポロシリ小屋に40人も宿泊していたという。
ツアーを組むうえで、リスクの高い沢沿いのルートは避け、天候に左右されない新冠ルートを選んでいるということだろう。
辿ってきたルートを望む。ヌカビラ岳(左)ー北戸蔦別(中央)-戸蔦別(右)
最高の山日和にいつまでも山頂に留まっていたい気分だが、帰りの行程は長い。
約20分ほど休憩した後、下山開始である。
さあ、頑張ろう。トッタの泉を楽しみに!
山行を終えて
当初は北戸蔦別までのつもりが、欲が出て戸蔦、そして幌尻まで延長延長となった山行。
初めから幌尻ピストン!といったアドレナリン全開の気合の入った山行ではなかったので、下山後は達成感よりも疲労感が上回った気がする。最後、足は棒(笑)
足の攣りは普段滅多にない事で、ちょっと調子に乗っていた結果である。
あと2年で50歳、若いつもりで無理はできないと実感。
普段当ブログでは時間等についてあまり記載はしてませんが、幌尻日帰りに興味のある方もいらっしゃると思いますので、参考までに載せておきます。
4:17登山口-5:56尾根取りつき-7:02ヌカビラ岳-7:28北戸蔦-8:15戸蔦別-9:54幌尻岳
10:15幌尻岳-11:33戸蔦別-12:49北戸蔦-16:07登山口
(登り5時間37分、下り5時間52分 休憩含む) 獲得標高3100m
※幌尻ピストンを前提にしていなかったので、軽量化などは一切考えない普段通りの装備(37Lザック)。走ったりもしていません。ただ黙々と歩いただけです。(走るの苦手で走れません)