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昨日の8月23日に第107回夏の全国高校野球選手権大会決勝戦が兵庫県甲子園球場で行われ、沖縄県代表沖縄尚学高校が日大三高を破り優勝を果たしました。

 

酷暑の中で行われたこの夏の甲子園大会は、例年以上の酷暑対策を高野連が行いまして・・・

①8月5日の開会式を16時から行い、その後の第一試合を17時30分から1試合だけ行った。その後も試合も暑い日中を避け朝と夕方に行った。

②試合前の守備練習(ノック)を行うか、行わないかをチームが選択できる様にして時間も短縮した。

③5回終了後、暑さ対策に特化した時間を設け。選手は全員、ベンチ裏の冷房がきいたクーリングスペースに移動し、理学療法士の指導のもと、サーモグラフィーによる体温測定、着替え、手のひらや頸部などの冷却、アイススラリーやスポーツドリンク、経口補水液の摂取などを行う様にした。アンダーシャツだけでなく、ユニホームも着替えられるよう106回大会から背番号を2枚配布しています。

④選手用のスポーツ飲料、アイススラリー、経口補水液をベンチ裏に常備しました。アイススラリーはスポーツ飲料などをシャーベット状に凍らせたもので、飲むことで深部体温を下げる効果があります。理学療法士が試合前のほか、試合中にも2~3回程度、摂取を促しました。

⑤すべての試合を対象に、おにぎり、パン、ゼリータイプの栄養食品、100%果汁を提供。

➅主に学校応援団の生徒向けに一、三塁側アルプス席そばに空調がきいた応援団臨時休憩所を設けています。休憩所には飲料なども用意。

⑦待機する学校応援団のために一、三塁アルプス席の入場門前に日よけテントと扇風機、ミスト扇風機を設置しています。また107回大会から学校応援団の生徒向けに新たにダクトクーラーを導入。

⑧審判委員は白シューズ、白帽子を着用。

等を行い酷暑対策をできる限り行った様です。ただ、もうこの暑さでの野球の試合と応援を続けていくのがよいのか?あらためて考え直した方がよいのではないかと私などは思いますが・・・

 

後、今回の大会では、生徒による暴力事案で広島代表広陵高校の出場を巡ってSNSが「炎上」。暑かったですねぇ(笑)その後、広陵高校は生徒と保護者、学校の安全の為と称して二回戦を辞退するという何とも後味の悪い事をしでかして大会に「冷水を浴びせる」という涼しげな行為をして頂きました。

 

しかしこういう冷却が二度と起こらない様に大人達はもっと真摯に対応して欲しいですね・・

 

閑話休題

 

はい、それでは、本の紹介へと参りましょうか。本日紹介する作品は、

岡田真理さんの『眩光の彼方』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

「プロにはいかない」立花国際大学の外野手・笠谷は、神奈川ブルーソックスのスカウト・真柴瑞稀の誘いを一蹴した。安定した生活を求めて社会人野球に進むと笠谷は言うが、元警察官の瑞稀は持ち前の洞察眼で、本心ではないと疑う。そこには、警察官時代にとある少年犯罪を未然に防げなかった後悔があった。他の有望選手を差し置いてドラフト上位に笠谷を推す瑞稀。スカウト陣から反対の声が上がるなか、瑞稀は笠谷の本当の想いを探り始めるが……

【解説】

①本作の著者は岡田真理さん。

 

本作の著者は、脚本家で小説家でもある岡田真理(おかだまり)さん。

1978年静岡県生まれの47歳。立教大学文学部卒業。
アメリカ留学後、アスリート専門のマネジメント事務所に勤務し、プロアスリートのマネージャーを4年間務め、退職後はフリーランスのライターとして独立し、プロ野球、格闘技、オリンピック競技のアスリートを取材。スポーツ誌や経済誌に記事を提供。スポーツ団体のオフィシャルライターなども務める。

2023年にTBSの深夜ドラマ「私がヒモを飼うなんて」で脚本家デビュー。

2024年、ABCテレビ・テレビ朝日「セレブ男子は手に負えません」の脚本を担当。

同年、6月に「ぬくもりの旋律」で小説家デビュー。第12回静岡書店大賞の小説部門で大賞を受賞。

2025年、TBS日曜劇場「御上先生」では脚本協力。

脚本家と小説家の二足の草鞋を履いています。

全日本軟式野球連盟の理事、プロ野球静岡県人会を運営するベースボールラボ静岡の理事、NPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション代表を勤める。

 

代表作

・ぬくもりの旋律

・眩光の彼方

 

②『眩光』とは?

 

『眩光』(げんこう)とは、中国語発音でピンイン。意味は目も眩むような強い光、フレア。暗い所から明るい所へ出る時などに目が眩む様子などを表しているそうです。日本語ではありません。

【感想】

前年の2024年、「ぬくもりの旋律」で作家デビューと第12回静岡書店大賞小説部門大賞を受賞した岡田真理さんの二作目は、やはりスポーツライターであった経験を活かしたスポーツモノだった。

 

本作は、元警察官という異色の経歴を持つプロ野球球団の若手スカウトを主人公に、高校や大学を卒業予定の有力選手を勧誘する仕事の内幕と「プロ野球選手になる」という夢に悩み心揺れる選手達の懊悩を描いた作品です。

 

ストーリーの本線は、学生時代に将来への夢もなく、父親が警察官だったからと警察官になった主人公の瑞希が警察官になって10年目に起きた挫折を機に警察を辞め、プロ野球球団のスカウトに転身した。

そんな新人スカウトの瑞希は、かつて甲子園にも出場した事もある大学野球の有力選手・笠谷蒼佑を狙うのだが、本人は「プロには行かない。将来の事も考えて実業団野球へ」と意思表示する。

しかし瑞希の元警察官として鍛えた洞察力は、笠谷にプロ野球への未練と憧憬を感じ取る。

そこで瑞希は、先輩スカウト達に批判されながらもドラフト候補に笠谷を推すのだが・・・って感じのお話

 

物語は、瑞希が笠谷の心の奥底に燻っている「本音」を聞き出したいがために奮闘する様を描いている。(瑞希目線)

 

ただ気になる点も無いではない。

 

物語には、笠谷目線での、自身の心の葛藤・懊悩の様子が殆ど書かれていない。できれば彼の目線で描かれた心の葛藤がもっとじっくり描かれていればもっとこのお話が盛り上がったのでは?と思わんでもない。

 

そして、逆にストーリーの本線とは別に、プロ野球界では芽が出なかった元プロ野球選手が現役引退後に起こした「罪」とその事で世間からバッシングを受ける家族のエピソードが描かれているのだが、これ本作に必要だったのか?

 

本線のストーリーだけで読ませた方が話が振れずにスッキリ行けたのでは?と思ったのだが・・・瑞希目線だけではなく、上記の笠谷目線の心の葛藤・懊悩を描いた方がもっと判り易いお話にできた感じがして、何か惜しい。

 

ということで、本作はものすごく推せる作品とまではいかないが、まずまず読める作品だと思うのですが、どうでしょう。読んでみませんか?

 

 

 


※当ブログ記事には、36sengaさん、歩夢さんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。