ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

本日辺りで今年のお盆休みは終わりかと思いますが、皆さんは如何お過ごしであったでしょうか?

 

私はできれば読書三昧といきたかったのですが、家族が体調を崩してしまい、あれこれ忙しい日々を過ごしていました。

 

こういう連休中に家族が体調を崩した場合、かかりつけの医院も含め多くの医院がお休みだったりして大変!

 

それでも具合が悪くなった家人を抱えて難儀するなか、休日緊急当番医を引き受けてくれる医院があって大変助かりました。

 

連休中でも医院を開いてくれる、こういう尊い方々の献身あって市民の命が守られている事に本当に感謝します。

 

休日緊急当番医の方々、この場を借りて礼を言わせてもらいます。

 

本当にありがとうございました。

 

閑話休題

 

はい、それではいつも通り本の紹介へと参ります。

 

本日紹介する作品は、当ブログではお馴染みのミステリー作家である、

 

中山七里さんの『バンクハザードにようこそ』です。

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますので、よろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

しがない個人事務所を開く司法書士の東雲は、久しぶりに訪ねてきた友人の燎原の顔色が悪い事に気が付き心配していた矢先、彼が勤める箱根銀行の金200億円を横領し自殺したとの報道に驚愕する。

誠実で責任感がある、あいつが銀行から金を横領し、たった一人の家族である妹を残して死ぬはずがない。

燎原の妹の杏子と共に彼が隠していた「箱根銀行の裏決算書」と遺言を見つけた東雲は、箱根銀行が燎原を人身御供に殺した事を悟り、箱根銀行への復讐を誓う。果たして復讐の中身とは・・・

 

【解説】

 

①本作の著者は中山七里さん。

 

本作の著者は中山七里(なかやましちり)さん。

1961年岐阜県出身の64歳。

1961年岐阜県の呉服屋で生まれる。小さい頃から本が好きで特にミステリー作品を読み漁る。高校時代には自分でも小説を書き始めていた。

大学時代『謝罪』という題名で東大安田講堂事件をテーマとした作品を江戸川乱歩賞に提出。予選通過を果たしたが決勝までいかなかった。その後就職を機に文筆から手を引いた。

2006年、大阪への単身赴任時、大好きな島田荘司のサイン会に赴き生の作家を見て一念発起して作家の夢にもう一度チャレンジ。

2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい大賞』受賞。48歳でメジャーデビュー!

当初は会社員との兼業作家だったが後に専業作家となった。

 

主にミステリー作品を発表する作家さんでメジャーデビュー作『さよならドビュッシー』では、明るく爽やかな音楽ミステリーという新たなジャンルを確立した。他にもダークでシリアスなホラーミステリー、警察小説、リーガルミステリー、コージーミステリーなど様々なテイストのミステリー作品を発表している。

 

多くの作品で物語の最後にこれまでの作品の流れをひっくり返す落ちを付けることから「どんでん返しの中山」という異名でも呼ばれる。

 

代表作

・『さよならドビュッシー・岬洋介シリーズ』

・『弁護士御子柴礼司シリーズ』

・『刑事犬養隼人シリーズ』

・『嗤う淑女シリーズ』

・『作家毒島シリーズ』

・『ヒポクラテスの誓いシリーズ』

など

【感想】

 

まず本作を読んでみたところ、感じたモノをあげてみよう。

 

①この物語は、親友を失った詐欺師の痛快な復讐劇といった感じのストーリー。

 

本作は、銀行に友人が粉飾決算の人身御供として殺された司法書士の男が亡くなった友人の妹と共に銀行へ復讐を行う物語です。

 

正直、良くある感じの復讐劇で。主人公がどう銀行を相手取って騙すかが胆の物語

 

銀行が舞台ということで専門用語を使った難解な記述があるかと思ったが、『極めて平易に書かれていて、読みやすい記述で、サクサク読むことが出来ます。

 

②『銀行相手の復讐劇』といった物語なので、緻密で壮大なストーリーが待っていると勢い込んで読んだのだが・・・

 

本作は『銀行相手の復讐劇』という事で、さぞかし緻密で壮大なストーリーが待っているだろうと、勢い込んで読んだのだが・・・

復讐が意外とあっさりと成功してしまい、拍子抜け!したというのが本当の所。

 

単純な展開の仕掛けを持って銀行を騙し、それが実にあっさり成功してしまう。

 

ココらへんは、元銀行員だった池井戸潤氏の様に、銀行内の事を良く知っている方の描く物語と比べると明らかにディテールが甘く、「雑」な描き方で、緊張感が薄く、

銀行側が主人公の仕掛けにあっさりハマり、地獄に堕ちていく・・・

 

主人公が司法書士という事が活かせている感じがしないし、「裏で詐欺師をやっている」という設定も、うーん!

 

亡くなった友人の妹も件の銀行に内定中って感じの設定なのに、あっさり主人公の復讐話に乗っかるわ。それでいて「復讐」においては、殆ど関与せず。空気の様な存在に・・

 

③友を自殺に見せかけて殺した犯人が予想通り・・

 

そして友を自殺に見せかけて殺した犯人は「たぶんコイツだろうな」と大概のミステリー好きの方なら思う人物が、「ドンぴしゃり」過ぎて唖然!捻りもなにもない。

 

 

《総論》

正直、池井戸潤氏の描く半沢直樹的な読み応えを期待していた自分にとって、「やっつけで書いたの?」ぐらい思うほど中身が薄いというか、あっさり描かれた内容にがっかり・・中山さん、スランプ?

 

逆に「難しい事判んない。細かいディテールなんてどうでもいいから、すっきりする結末の復讐劇を読ませて!」っていう読者にはおすすめかも?

 

という感じで自分にとっては読み応えという点で不満があった印象の作品でしたが

2時間で完結するサスペンスドラマを観た様なあっさり読める一冊を探している方にはおすすめの一冊です。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 


※当ブログ記事にはminokikakuさん、モッファさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。