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米価格の高騰と小売の現場での品不足を端に発した農林水産大臣の交代によって農林水産大臣になった小泉進次郎氏の発言や行動が連日注目を浴びています。

 

農林水産大臣になった途端、備蓄米を卸業に競争入札で売却する事を辞め、随意契約で小売業に直接売却する事で市井の小売り業の店頭に備蓄米が顔を見せる様になってきたのだが、その代わり備蓄米の大半を放出してしまった小泉農水大臣。

 

米の収穫まで後3ヶ月。その間に備蓄米を必要な災害が起きなければいいのだが・・

小泉氏は何の為に備蓄を行っているのか理解が出来ない様だ。更に今年の米の収穫量が少なかった場合どうするのか?という問題もある。もう備蓄米を放出するという手が通じなくなる。

 

他にも「多くの農民は2000万円もするコンバイン等の農機を購入するが、ソレってレンタル契約で借りれば良いだろう・・」「JAへ農家が米を収めた時の支払いの概算方式を後払い方式に改めよ」「JAは東京の都心部にビルを持つべきではない。農民はソレを望んでいるだろうか?」等の不見識な意見表明をするなど、いささか農水大臣としての資質に難ありと思うのは間違っているのだろうか?

 

行動力がある事は認めるが、農業やJAを中心にした流通構造に対する不見識から来るおかしな発言の数々は、何時か大ポカをするのではないか?と不安でしょうがない。

 

あなたはどう思いますか?

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参ります。本日紹介する作品は、当ブログでもお馴染みの中山七里さんの警察小説『武闘刑事』です。いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

千葉県警本部捜査一課高頭班の郡山弦爾(げんじ)は、マンションの隣室の小湊雪美・真央母娘とご近所付き合いで親しい付き合いをしていた。

そんな母娘がある日射殺体で発見される。県警本部は捜査本部を設置。高頭班が投入される。容疑者は絶対に逮捕するという強い想いで捜査に当たる捜査員達。懸命な捜査の末に容疑者として浮かび上がってきたのが在日米軍曹長スチュアート・ヒギンス早速取り調べと行きたい所だが、そこには、米軍基地問題や日米地位協定の存在が、米軍の圧力、事を荒立てたくない外務省、防衛省の協力は仰げず、自衛隊の介入により捜査は難航。しかし容疑者をこのままにして置けないと班長の高頭冴子は策を巡らすのだが・・・

【解説】

 

①本作の著者は当ブログお馴染みのミステリー作家の中山七里さん

 

本作の著者は当ブログお馴染みのミステリー作家の中山七里(なかやましちり)さん。

1961年岐阜県出身の64歳。

1961年岐阜県の呉服屋で生まれる。小さい頃から本が好きで特にミステリー作品を読み漁る。高校時代には自分でも小説を書き始めていた。

大学時代『謝罪』という題名で東大安田講堂事件をテーマとした作品を江戸川乱歩賞に提出。予選通過を果たしたが決勝までいかなかった。その後就職を機に文筆から手を引いた。

2006年、大阪への単身赴任時、大好きな島田荘司のサイン会に赴き生の作家を見て一念発起して作家の夢にもう一度チャレンジ。

2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい大賞』受賞。48歳でメジャーデビュー!

当初は会社員との兼業作家だったが後に専業作家となった。

 

主にミステリー作品を発表する作家さんでメジャーデビュー作『さよならドビュッシー』では、明るく爽やかな音楽ミステリーという新たなジャンルを確立した。他にもダークでシリアスなホラーミステリー、警察小説、リーガルミステリー、コージーミステリーなど様々なテイストのミステリー作品を発表している。

 

多くの作品で物語の最後にこれまでの作品の流れをひっくり返す落ちを付けることから「どんでん返しの中山」という異名でも呼ばれる。

 

代表作

・『さよならドビュッシー・岬洋介シリーズ』

・『弁護士御子柴礼司シリーズ』

・『刑事犬養隼人シリーズ』

・『嗤う淑女シリーズ』

・『作家毒島シリーズ』

・『ヒポクラテスの誓いシリーズ』

など

 

②『高頭冴子』シリーズとは?

 

『高頭冴子』シリーズとは、中山七里著作の警察小説。

千葉県警の高頭冴子警部を主人公にした物語。

身長180cmの長身にして気の強い男勝りの高頭冴子は38歳の女警察官。警察官としての誇りと志が強い熱い女。間違っていると思ったら上司や同僚、警察組織さえ敵に回しても筋を通す『千葉県警のアマゾネス』

初刊である『逃亡刑事』では、刑事殺しを目撃した少年を護る為、濡れ衣を着せられ逃亡の身になりながらも自身が勤める千葉県警内に巣食う権力者達と戦い抜いた女傑である。現在千葉県警本部捜査一課高頭班で男共を率いて奮闘中!

 

【感想】

 

千葉県警の女傑!高頭冴子の物語が久々に帰ってきた。

犯罪者の逮捕や市民の命を護る為なら、どんな権力や組織を敵に廻しても構わない。

そんな彼女が率いる捜査一課高頭班所属の刑事達も熱い男達である。

 

そんな班員のひとり、郡山弦爾は、自身が住むマンションの隣室の住人であるシングルマザーの小湊雪美とその娘真央と親しく近所付き合いをしていた。しかし、ある日そんな母娘の射殺遺体が発見される。怒りに燃える郡山は容疑者の逮捕を誓う。

 

捜査本部が設置され高頭班も投入。班長の高頭冴子と班員達も地道な捜査を進め、ある男に目をつける。しかしその男は在日米空軍軍人で、身柄は治外法権の米軍基地内に潜んでいる。高頭は、身柄の引き渡しての取り調べを要求するが、米軍の返答はNO!そして外務省や防衛省は事態への介入に及び腰。捜査本部には、米軍からは圧力が掛かり、自衛隊からの妨害も・・・

 

しかし、そんな理不尽に黙って従う高頭冴子と班員ではない。横暴な態度の米軍に対し牙を剥く女アマゾネスの秘策とは?

 

日米地位協定で日本の警察組織が確たる証拠を提示せねば米軍人の犯罪容疑者の取り調べは大変難しい。米軍基地内に居るとなれば、基地内は米国という事で身柄引き渡しも難しい。時には立件する前に米本国へ帰国ということも・・・日本政府も強く出られない。

 

本作では、その米軍基地問題、在日米軍人の犯罪、日米地位協定の不平等、等の問題を取り上げストーリーに絡ませた。

 

消極的で弱腰な日本の各官庁の態度が捜査の進展を妨げる。ジリジリと不満を募らせる読者。

 

そこに、犯罪を憎み、警察官としての誇りと使命から犯罪者の逃げを許さない漢達(主人公は女性だが・・)の熱い想いと行動が、読者の溜まった不満を一気に解消

 

こういう盛り上げ方は著者のお得意。

 

最後はプチどんでん返しもありなのは中山七里らしい。

 

もちろん初刊だった『逃亡刑事』程は全体的に、パワーと緊張感が劣るが、まずまず読める警察小説だと思います。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事にはHaru photographyさん、ソイロさんの写真素材が写真ACを通じて提供されています。