ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

時々、人から「◯◯さんは読書が趣味らしいですが、どんな読書生活送っているの?」なんて、聞かれる事があります。

 

自分の答えは「週1~2回本屋を訪れおもしろそうな本を物色。1~2冊購入。週1~2冊紙の本を読みます。また月3~4回図書館を訪れ本を物色。そのまま読書したり本を借りたり。Amazonの電子書籍サービスの「Kindle」で本を買ってタブレットで読んだりもするし、無料のWeb小説サイト「小説家になろう」「カクヨム」で作品の物色。選んだ作品を自宅ならPCで読み、職場の休み時間はスマホで読んだりもするよ・・と答えると、何か変なものを見る様な表情で離れていきます・・・

 

読書が好きな方ならこんな感じってありますよね?(笑)・・・

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参ります。本日紹介する作品は、黒頭白尾さんの、『隻眼錬金剣士のやり直し奇譚1 片目を奪われて廃業間際だと思われていた奇人が全てを凌駕するまで』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

突如として地球にダンジョンが出現して5年。
最初期からダンジョン攻略に挑み将来を期待されていた凄腕の探索者チーム『ノーネーム』は、突如現れた『試練の魔物』というイレギュラーモンスターに襲われ全滅の危機に襲われていた。チームの前衛八代夜一は、チームメンバーを助ける代わりに片目の視力を奪われて隻眼となってしまった。
世間からは、落ちこぼれ探索者の烙印を受けてしまった夜一だったが、本人は探索者として生きる道を全く諦めていなかった!戦闘スタイルを全く別のものに変え、あの『試練の魔物』との再戦を図る夜一。

これは片目を奪われて引退するしかなくなったと周囲に思われていた男が織りなす逆襲の物語である・・

 

【解説】

 

①本作は無料購読可能なWeb小説サイト『小説家になろう』発のライトノベル小説

 

本作は無料購読可能なWeb小説サイト『小説家になろう』発のライトノベル小説作品。(※カクヨムでも読めるので以下のリンクから試読してみてください)

著者は黒頭白尾さん。ライトノベル作品の著者らしく詳しい情報は明かされず、著者曰く「なろう系が好きなおじさんです。色々と書いていくつもりなので応援よろしくお願いします」だそうです。

 

本作は「第4回HJ小説大賞年間最優秀賞」受賞作品です。

本作は2024年12月19日、実本及び電子書籍化され刊行されました。

 

小説家になろうの本作ページリンク↘

https://ncode.syosetu.com/n2470ie/

 

カクヨムの本作ページリンク↘

 

 

②HJ小説大賞とは?

 

HJ小説大賞とは、日本の出版社・ホビージャパンが主催するライトノベル作品向けの文学賞。2006年創刊の同社のライトノベル雑誌『Novel JAPAN』が創刊したことに伴い「ノベルジャパン大賞」の名称で開催されていたが、紆余曲折あり、何度か名称変更されたり、選考方法が変更されるなどをして、2020年、HJ文庫大賞はノベルアップ+小説大賞と統合され、「HJ小説大賞」となった。

 

【感想】

 

本作は、ライトノベル系の文学賞の1つ『2024年HJ小説大賞年間最優秀作品賞』受賞作品。

ストーリーのスタイルは「現代の地球に突如ダンジョン(迷宮)が現れ、人々の中からダンジョン内のモンスターを倒しドロップする魔石や有用な資源を得て地上で売り払うハンター(狩人)なる職業が出てきた世界のお話」いわゆる「ダンジョンもの」と言われるライトノベルでは定番ジャンルのお話。

 

設定は、

①ロールプレイングゲーム(RPG)ではお馴染みのダンジョンが世界各地に現れ、放って置けばモンスターが増殖し限界が訪れれば地上に溢れ出しその地域を蹂躙し尽くす。

②だから人間はダンジョンに入りモンスターを狩らねばいけない。

③ただモンスターを狩った後に残される魔石や、ダンジョン内の宝箱から産出する様々な物資は、人間社会に有用な必需品となる。

④ダンジョン内のお宝(有用な物資)を求めてダンジョン内の探索とモンスターを狩る探索者なる職業が現れ、各国は彼らを優遇する政策を取り始める。

⑤探索者は、モンスターと戦うと身体能力が急激に向上したり、魔法が使える様になったり、特殊なスキルが使える様になったりする。

⑥何者がダンジョンなどという未知の存在を地球に設置したのか?という謎

 

本作もライトノベルでは定番の上記の設定の通り話が作られている。

こうなると書き手側には「読者を惹きつける」筆致の力量差が現れて来るのだが、本作は読者を作品世界に惹きつける力がすごい。

 

ダンジョン内を探索する「探索者」のチームメンバーとして将来を嘱望された主人公がダンジョン内のとある階層で遭遇したのは、格上の未知のイレギュラーモンスター。

 

探索者達の攻撃は未知のモンスターには通用せず、圧倒的な力で攻めて来るモンスターに狩人達は蹂躙され、「撤退」の考えが頭を過る。

 

そんな時、チームのメンバーに絶体絶命の危機が!自身が駆けつけメンバーを助けた代わりに目を1つ失った主人公。

 

そして何とか逃走に成功したが、隻眼の探索者となり前衛職としての間合いを測れず「落ちぶれた」と周りから揶揄される主人公。

 

しかし落ちぶれたはずの彼の内心は、未知のモンスターとの再戦に向けてメラメラと燃えていた・・世間からの哀れみや嘲笑をものともにせず、リベンジに燃える主人公の冴えわたるクレーバーな思考と荒々しく禍々しい狂気が筆致から強く感じられる。まさしく彼は「肉食獣」!なるほど本作が「最優秀作品賞」を得たというのが感じられ、それに相応しい読み応えある作品だ。

 

もちろん、主人公以外にも、一癖も二癖もある狩人達、ダンジョンの利権に群がる悪徳政治家、官僚、商社のワル共の存在も魅力的で話をうまい具合に盛り上げる。

 

また、落ちぶれたと揶揄する世間に対して見事復活し成り上がる主人公の生き様には痛快な「ざまぁー」要素もたっぷり!

 

定番の設定だからこそ、著者の力量が表に現れる。本作は「当たり」の作品です。

なので、何処かでこの作品を見かけたら是非手に取る事をお薦めします。

 

ということで事で本日はここまで!じゃあまたね!