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今日で今年も後10日!あっという間に時間が過ぎ去った印象があるのは自分が年を経た故か・・

 

後10日間あるが、今年の印象は?と聞かれると、一番実感出来るのは『物価高』

コロナ禍から値上げ傾向にあったし、昨年も物の値段が上がっていたのだが、今年はありとあらゆるものの値段が上がった様に感じる。コレはウクライナとロシアの戦争だけではなく、世界的異常気象の影響や、我が国では円安の影響や最低賃金の上昇に置ける人件費の高騰もあっただろう。

 

私は料理も造るのでスーパーマーケットにも良く行くのだが、今年は米、野菜、特に葉物野菜が夏場の暑さなどの影響で高くなったのをすごく実感した。

 

キャベツやレタス、ほうれん草なんざ驚く位に値段上がった。そして小振りで質も良くなかった。あぁトマトも普通店に出ない様な色の青いのが店頭に出ていてびっくり!いや今でも店頭に出ている。他にもティシュやトイレットペーパーも二~三年前に比べすごく値上がった。

 

来年はもう少しお手柔らかにお願いしたいところだが・・そうはいかないだろうなぁ・・・

 

閑話休題

 

はい、それでは、本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、遠藤遼さんの時代小説『夫婦包丁のおしながき』です。

では、いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

時は江戸。お佐江は江戸日本橋の呉服屋の生まれだったが、彼女が四歳の時起きた火事で店は全焼、家族も彼女を残して皆亡くなった。一人ぼっちになったお佐江は、店のお得意様だった武家のご隠居様に引き取られ、娘の俊姫様の女中として姉妹の様に仲良く育ってきた。そんな俊姫もお年頃になり波前藩のお殿様酒井重親に嫁ぎお佐江も俊姫付きとして波前藩へ。そんな波前藩はわずか2万石の小藩で金は無いが、人徳のある藩主の元、殿様から藩士、女中に至るまで皆和気あいあいと家族の様に親しい。そんな藩にも自慢できるものがある波前藩のお料理番・荒木弥之助だ。彼は繊細な包丁さばきと舌を持ち、内外に有名な料理人であった。そんな荒木弥太郎がある日曲者に襲われ、命は助かったものの頭を打った際の衝撃で味がうまく分からなくなってしまった。包丁一筋で生きてきた弥之助は絶望し、切腹をしようと考える。そんなときに出会ったのが、稀有な味覚と嗅覚をもった奥方の女中であるお佐江。弥之助はお佐江の才覚にほれ込み求婚し夫婦になる。そしてふたりは力をあわせて、御料理番のつとめに挑むことになったのだが・・・

 

【解説】

①本作の著者は遠藤遼さん。

 

本作の著者は遠藤遼(えんどうりょう)さん。​​​​​​1975年の東京生まれの49歳。

東京学芸大学教育学部卒。

2016年、『ユリアカエサルは一日にして英雄ならず』第3回オーバーラップ文庫大賞審査員特別賞受賞。

2017年、『週末陰陽師〜とある保険営業のお祓い日報〜』でメジャーデビュー。

ライトノベル、時代小説、現代小説などの作品を発表する作家さんです。

 

【感想】

 

本作はわずか二万石の小藩波前藩を舞台に、ある事件を機に繊細な舌の感覚を失った藩の料理番荒木弥之助と彼に嫁いだ新妻お佐江の二人三脚夫婦料理番の活躍を描いたほんわか人情時代小説作品です。

 

本作の主人公は波前藩正室俊姫付きの女中だったお佐江。食いしん坊で精細な舌を持っている。そんな彼女を見初めたのが、藩の料理人頭の荒木弥太郎。内外に知られた美味い料理を造ると評判のお料理番で誠実だがちょっと堅物な人物。

 

そんな彼がある日何者かに襲われ命は助かったものの料理人に絶対必要な繊細な味覚を失ってしまった。彼は自責の念から切腹を意識するが、そんな彼は正室俊姫様付きの女中お佐江が類稀な繊細な味覚を持っているのに気が付く。

 

そんな彼女の繊細な味覚で自分の料理番としての責務を補助してもらう為、彼はお佐江にプロポーズ。藩主正室の俊姫様の薦めもあって荒木弥太郎の妻になったお佐江。

 

最初はお佐江の味覚目当てで結婚した弥太郎だったが、次第にお佐江自身の朗らかさ、前向きさに惹かれ二人は徐々に真の夫婦へと成長していく・・・

 

お話は序章以外に4話。

 

荒木家に嫁いだお佐江は祝言の席で出た弥太郎の造った味噌汁を飲んで彼の味覚が予想以上に悪い事を知ったのだが、それ以上に、自信を失い料理造りの気迫を失った弥太郎を叱咤する『祝言の味噌汁』

 

夫婦になった弥太郎とお佐江だったが二人の間に甘い新婚生活は無く、料理の特訓に継ぐ特訓の日々。二人は毎日数度は口喧嘩。そんなある日、老中を招く宴席で加賀藩と料理対決をする事になって・・・『老中もてなし膳』

 

料理対決のご褒美を貰える事になったお佐江。お佐江は江戸の料理の食べ歩きを所望して弥太郎と江戸の街に繰り出すのだが・・・「誰かにおいしいと言ってもらう。なんとうれしいことか。それが我が妻ならなおのこと。そんな簡単なことも忘れて、やれ他藩だから、やれ幕閣がどうのと騒いでいた自分がまことに恥ずかしい」『江戸そぞろ食べ歩き』

 

先日の食べ歩きの時、駒込の評判の料理屋「長八」の店主長次郎にお佐江がスカウトされた事に嫉妬した弥太郎はお佐江と夫婦喧嘩を引き起こす。そんな最中、加賀藩と波前藩の合同で老中四人をもてなす宴席が開かれる事になったのだが、老中の一人が外様大名に厳しい態度を取る難物の人物で・・・『豆腐料理の心と握り飯』

 

生真面目な弥太郎と心優しく鷹揚なお佐江の新婚夫婦が料理造りを通じて徐々に真の夫婦へと成長していく様が、ほんわか優しい雰囲気の筆致で描かれる飯テロ系時代小説。物語に登場する美味しそうな料理は物語をどう彩るのか?お楽しみに!

 

曲者の正体も明らかにされず、物語はまだ続きそう・・続編も期待したい一作。

 

年末年始、こたつに入って(無い方はごめんなさい)ぬくぬくしながらまったり読むのに最適な作品。是非ご一読を!

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!