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海の向こうの米国、26日(日本時間27日)米大リーグ・ドジャースは、本拠地ロサンゼルスでのパドレス戦において7―2で逆転勝ちし、3年連続のナショナルリーグ西地区優勝を決めた。今季加入した大谷翔平選手にとっては、メジャー7年目で初の地区優勝となりました。

 

そんなおめでたい話の裏で何とも言えない騒動が巻き起こっています。

 

19日(日本時間20日)敵地ローンデポパークでのマーリンズ戦、大谷翔平選手が『シーズン50本塁打50盗塁』を達成した時に打った記念の本塁打のホームランボールを巡って二人の人物が「自分が捕った」と主張し所有権を争っているというのです。

現在記念ボールは最終的にボールを保持したとされる男性の元にありますが、その時ボールの捕球を争った18歳の男性が「捕球は自分がしたので所有権は自分にある」と裁判に訴えたとの事。

 

現在記念のボールはボールの所有者が裁判所の許可を得てオークションにかけられているとの事。記念ボールは大金に替わり、それを二人の男性が裁判で所有権を争うという何とも言えない展開に・・・

 

本当の野球ファンなら記念ボールは自分の手元に置いておきたいと思うものでは?と思うのですが、記念ボールは彼らにとって換金のアイテムでしかない・・・何とも生臭く残念な出来事になってしまっているのが野球に打ち込んでいる大谷翔平選手のピュアな所との対比になっています。

 

閑話休題

 

はい、それでは、本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、山口恵以子さんの『ゆうれい居酒屋』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

東京の下町新小岩の駅裏の商店街の一角に佇む居酒屋「米屋」はカウンター7席の小さな店。店主で女将の米田秋穂は未亡人。夫を10年前に亡くし、それ以来一人で店を守っている。店で出すのはお酒とお酒に合う女将の造る簡単な手料理。そんな居酒屋に今日も心に屈託を抱えた客が吸い込まれていく・・・

そして女将と常連客の何とも言えぬ温かな掛け合いに心ほぐれ、客は女将に自分の抱えている悩みを打ち明ける・・そんな打ち明け話に女将は・・

 

【解説】

 

①本作の著者は山口恵以子さん。

 

本作の著者は山口恵以子さん。1958年東京都江戸川区生まれの66歳。

小学生の頃から漫画家を目指していたが大学卒業後は宝石と毛皮の輸入販売会社に入社して働くうちに漫画から遠ざかっていった30代、一念発起して松竹シナリオ研究所研修生募集に応募し受講。派遣社員の傍ら2時間ドラマのプロット書きを多数行い文才を鍛え。

2002年、44歳のときに丸の内新聞事業協同組合の社員食堂で働きながら小説を書き続け、2007年、50歳のときに『邪剣始末』で作家デビュー。

2013年『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。

現代を舞台にした人情ドラマ作品の執筆が得意な作家さんです。

 

代表作は

・『食堂のおばちゃん』シリーズ

・『婚活食堂』シリーズ

 

【感想】

 

当ブログでは久々に登場の山口恵以子さん。2年ぶりくらいでしょうか。

 

以前ご紹介した彼女の作品は、『食堂のおばちゃん』シリーズの一作でしたね。

 

今回ご紹介するのも、おばちゃんが営む居酒屋さん。彼女は未亡人で、釣り好きの旦那さんを10年前に亡くし、二人で始めた小さな居酒屋を一人で守って営業しています。

 店が在るのは葛飾区新小岩。千葉県との県境近くにある下町。駅付近は繁華街で賑やかな所ですが昔ながらの商店街もいくつか残っていて、そんな商店街の一つの一角にひっそりとお店を出しています。店はカウンター7席。女将が提供するのは美味しいお酒と女将が手作りする手間の掛からないお酒に合う手料理。

何とも言えない温かさを醸し出す店の雰囲気に誘われて、今日も心に屈託を抱えた一人の一見さんの客が吸い込まれていく。

 

常連のお客さん相手に他愛もない会話で盛り上がる女将の優しい雰囲気に一見さんの客は自分の抱えている悩みを吐露していく、それに対して、「こうしたらイイんじゃない?」「こういう考え方もあるわよ!」と優しく応答する女将や常連達。応えを心に染み込ませた一見客は自分の抱えている悩みに一つの答えを得る。

 

そんな下町の居酒屋でちょいと起きる人情話。こんな事は別の多くの居酒屋で繰り広げられているんだろうな・・と思わせるちょっと温かい小話。

 

そしてそんな小話に添えられるのは、お酒と女将手作りの料理。『セロリと白滝の柚子胡椒炒め』『シジミの醤油漬け』『油揚の味噌チーズ挟み』『ニラ玉豆腐』『鮭の酒蒸し梅胡麻だれ』『鱈とアサリのカルトッチョ』など。読んでいて、あーお腹が鳴ってしまう。巻末にはいくつかの料理のレシピも掲載。コレは『食堂のおばちゃん』と同じスタイルですね。コレは是非作ってみなければ・・

 

作品は短い短編話の連作小説なので、ちょっとした隙間時間でも一話が読めるのが嬉しい。

 

お話自体はそれほど凝った内容ではなく、どこにでもありそうな人情小話なので衝撃的な驚きや感動といった激しく心揺さぶられるといった感じでは無いもののお出汁の効いたがんもどきを食べているような、じわぁーーと心に染みてくる小話集です。

 

そんな人情小話集の一作、読んでみませんか?お薦めです。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!