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自民党、立憲民主党の党首総裁を選ぶ党内選挙の話題がニュースで報じられている。

 

両党どちらも多数の候補者が名乗りを上げ「我こそは」とやっている。

 

国民の一人としては次の政局の主役ともなる方々なので関心があるのだが、残念ながらあくまで議員党員での投票なので見ているしかない。

 

特に与党自民党の総裁選挙は次の総理大臣になりうる方なので関心があるのだが、

それにしても現総理大臣の岸田文雄が裏金議員の政治資金問題によって辞める形になるのはもったいない・・

 

当初自分も岸田文雄が総理大臣になると聞いて「この人で大丈夫かいな?」と思ったものだが、その後の政権運営で成したことはかなり評価できると思う。

X辺りに彼が成したことの箇条書きが投稿されていたが、それを見るとたしかに有能でしかない。ただ国民へのアピール下手なのかマスコミが伝えないせいか、功績伝わっていない。

 

総理大臣としてかなり優秀だったと思うのだ・・・いや、まだ辞めていないが・・

 

これから選ばれる次代の総理大臣が彼ほど有能であるかは未知数。どうか彼ぐらい有能であると良いが・・と不安混じりで選挙の結果を見守る・・

 

閑話休題

 

はい、それではいつも通り本の紹介へと参ります。

 

本日紹介する作品は、佐々木功さんの『天下一のへりくつ者』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

時は天正十八年(1590年)日ノ本の西半分を制し天下人の座に手を掛けていた豊臣秀吉は関東の大大名北条氏の居城小田原城を二十万の兵で取り囲んでいた。難攻不落と言われる小田原城ではあったが秀吉の威勢には逆らえないと援軍は無し、北条家は風前の灯火。そんな中当主氏直は北条家の滅亡を防ぐ為一人の家臣に全てを託す決意をする、招聘された僧形の異才板部岡江雪融成(いたべおかこうせつとおなり)。

氏直と面会した板部岡雪は彼に言い放つ「秀吉を殺しましょう・・」

絶体絶命の北条家を救うべく一人の異才が今立ち上がる・・

 

【解説】

 

①本作の著者は佐々木功さん

 

本作の著者は佐々木功さん。年齢不詳、大分県生まれ。

小学生の頃から本を読むのも、ものを書くのも好きな少年で、成長するにしたがって赤川次郎などライトミステリーにも親しんでいくうちに、自分でも物語を書きたいという欲求が芽生え、司馬遼太郎、池波正太郎作品との出会い歴史小説に傾倒。創作意欲が膨らむ早稲田大学文学部卒業後、一般企業に就職するも、30歳の時自分を見つめ直し、自分のやりたい事をやろうと一念発起し作家への道へ。

2017年、『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』(受賞時のタイトルは『乱世をゆけ』筆名は佐木コウ)で第9回、角川春樹小説賞受賞。メジャーデビューを果たした以後時代小説分野の作品を発表する。

 

歌手の「ささきいさお」さんとは別人なのでよろしく(笑)

 

代表作

・乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益

・慶次郎、北へ 新会津陣物語

・織田一の男、丹羽長秀

・家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録

・真田の兵ども

・天下一のへりくつ者

 

【感想】

 

毎回室町戦国時代の武将に焦点を当ててその生き様を描く佐々木功さんが最新作で取り上げた人物は、板部岡 江雪斎(いたべおか こうせつさい)​!

 

「誰やねん!」​とツッコミいれられそうな程マニアックな方で、よほどの歴史マニアな方じゃないと判らないでしょうね。いや自分も知りませんでした。

 

そんな​​​​​板部岡江雪斎、調べてみるとかなり有能な方だったようで、関東の雄である大名北条氏の家系に連なる真言宗の僧田中奉行の子として生まれ、北条家の有力家臣板部岡家の名跡を継ぎ右筆、評定衆、寺社奉行、使者(外交官)として活躍。

 

以下が確認されている主だった彼の仕事。

北条氏の盟友・武田信玄死去の際氏政の命で病気見舞いの使者として甲斐の国に赴く

北条氏と武田氏との同盟が決裂後、織田信長との同盟締結の為に使者として赴く

信濃の国を巡って徳川家康と氏直が対立した際、和睦交渉に奔走し、家康の娘・督姫を氏直の正室にもらい受ける事に成功。

天正17年、豊臣秀吉との対立が深まると関係修復に奔走。本作でも触れる沼田領問題が起こった際も氏直の命を受けて事情の説明のために上洛し秀吉に気に入られる

小田原の合戦後秀吉に召し出され御伽衆になる。

秀吉亡き後は長男が使えていた徳川家康に接近関ヶ原の戦いで徳川家康に随従して小早川秀秋の説得に尽力したとされる。

 

もうかなりの能使で文官として有能だった事が分かる。

 

そんな結構すごい人物だが世に知られていないという人物は物語を創作するのに都合の良い人物ですね。

 著者はこの人物を、かなり頭の切れる策謀家で雄弁な人誑しとして描いている。主家のピンチにその弁才と人誑しの才を最大限に使って事を収める有能者。

 

そして室町戦国時代の有力者を翻弄し心を掴み己の策謀を推し進めるバイタリティー溢れる主人公のありようは痛快であり前半から中盤までは本当に楽しく読ませて頂きました。

 

しかし中盤から後半に向かうにあたって読者である私の心に寂しい気持ちが生まれる。歴史の結末を知っているから・・そして結末を知っていながら、目的の為に知略を巡らせ行動する主人公を俯瞰で眺めている。結末は変わらない。しかし目的の為に全力で事に当たる主人公が愛おしい。そんな想いを抱き読み終わった一作。

 

激動な時代の間で藻掻く一人の能使板部岡江雪斎の生き様、是非一読して欲しい作品です。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!