ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

先週の台風10号の迷走ぶりとそれに影響された連日の雨模様には参りましたね。

 

最初は「東海地方へ上陸」という話が、西にズレて「紀伊半島へ上陸」、更に西にズレて「四国上陸」、更に西にズレて「九州に上陸」と台風は進路を西にずらし続け、結局いつもの九州上陸から東に進路を取るコースへ。その間、日本全国で局地的大雨を降らすなど雨模様の一週間でした。

 

交通物流も停滞し、新発売の書籍も届かないなど影響ありあり。

 

私の住む地域も局地的に強い雷雨が降り、スマホには大雨注意報~大雨警報の通知が何度も発せられ五月蝿かったですね。

 

そんな台風は九州地方に上陸後東に進路を変え、中国四国地方を東に向かったと思いきや太平洋上に出て、更に進路を北へ向けて本日東海地方へ再上陸の模様。

 

東海地方から日本海側へ抜けるという話ですが、どうなるか?

 

東海北陸地域の方、いや東日本に住む方も十分注意なさってください。

 

しかし、台風シーズンこれから!まだまだ警戒しなくては・・・

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、伊兼源太郎さんの警察小説、

『密告はうたう 警視庁監察ファイル』です。

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

警視庁警務部人事一課監察係。警察官の不祥事を見張り問題あれば処分にも関わるこの部署は、同じ警察官からも煙たがられ忌み嫌われている。そんな部署に一年前異動してきた佐良は元捜査一課の捜査官。そんな佐良は人事一課監察官の能馬に呼び出され新たな任務を言い渡される。『「府中運転免許試験場の皆口菜子巡査部長が免許証データを外部に売っている」とのタレコミがあったので、上司である係長の須賀と共に行確(行動確認)せよ!』命令を受け早速皆口菜子の行確を須賀と共に開始する佐良。しかし佐良の内心は複雑だった。皆口菜子は佐良が所轄時代の後輩であり、一年前殉職した捜査一課時代の相棒・斎藤の婚約者だった女。一年前に関わっていた事案では捜査情報がマスコミに漏れ、容疑者のアジトへの突入では相棒が殉職した。果たして皆口の一年前の事件への関与はあったのか?心の動揺を抑え皆口菜子の昼夜を問わずの行確が行う佐良の目に写った彼女に接触する人物とは・・・

 

【解説】

 

①本作の著者は伊兼源太郎さん

 

本作の著者は伊兼源太郎(いがねげんたろう)さん。1978年東京生まれの46歳。

上智大学法学部を卒業後、新聞社勤務を経て執筆活動に入る。

2013年、『見えざる網』(投稿時のタイトルは「アンフォゲッタブル」)で第33回横溝正史ミステリー大賞受賞。メジャーデビュー。

著書は主にミステリー作品。

 

代表作

・見えざる網

・事故調

・「警視庁監察ファイル」シリーズ

・「地検のS」シリーズ

 

②『密告はうたう』とは?

 

『密告はうたう』とは、伊兼源太郎著作の警察小説。

警察官の不祥事に対処する警視庁警務部人事課監察係を舞台とした警察小説。

 

2021年8月22日~9月26日までWOWOW連続ドラマW枠にて『密告はうたう 警視庁監察ファイル』のタイトルで連続ドラマ化され放送された。主演は松岡昌宏。

2024年8月11日より同枠にて続編の『密告はうたう2 警視庁監察ファイル』のタイトルで現在放送中!

 

【感想】

 

本作は、警察小説としては珍しい「警察官の不祥事を暴き処分する監察係」を舞台とする警察小説です。

 

任務が任務だけに、同じ警察官達から忌み嫌われて、まともな神経では業務を全う出来ない厳しい部署で情実に捕われず常に冷静な心持ちで任務に当たらなければいけないのだが、監察係の捜査官も人間。ましてや監察係に異動してきて一年余の主人公佐良の心は揺れやすい。

 

そんな中、監察係のトップ足る監察官の能馬に呼び出された佐良は、所轄時代の後輩であり、一年前殉職した捜査一課時代の相棒斎藤の婚約者だった皆口菜子の行動確認を命じられる。運転免許試験場勤務の彼女が個人データを外部に売っているとのタレコミがあった事からの任務だったが、佐良の心は揺れる。彼女が本当に不正をしているのか?不正が本当なら一年前の事件でも情報を漏洩していたのか?

揺れる内心を押し殺して上司の須賀と共に彼女を尾行する佐良。そんな佐良の目に写ったのは彼女の周りに現れた佐良の見知った警官達だった・・・

 

という感じで、本作は、同じ立場の警官の不祥事を見張る監察係の孤独感や疑心暗鬼を内心感じさせながら、「容疑は本当なのか?」という「謎感」、そして「自分たちの捜査は正しいのか?」「捜査に見落としは無いのか?」という「不安感」が、文章からじわじわと感じさせてくれてゾクゾク感がたまらない。

 

基本対象者をじっくりと地味に尾行するだけなのだが、それがこれほど緊迫感を感じさせてくれるとは。著者の力量が慮れる。

 

そんな警察小説としては異端な部署の物語、面白いので是非一読を!

 

じゃあ本日はこれで終了。ではまたね!