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6月の最終日と相成りましたが、今年の梅雨はなんとも言い難い感じですね。
梅雨入りも各地で1週間から2週間も遅れ。しとしとと毎日の様に雨が降るかと思えるば、強い豪雨が一日中降る事も・・・
一昨日など線状降水帯出来て台風並の豪雨が降り各地で冠水するなどこれまでの梅雨の雰囲気とは違う様に思えるのですが、皆さんはどう思いますか?
また梅雨といっても梅雨入りが遅れた事もあって降水量も十分ではない気がします。
全国的に梅雨が終わってみないと判りませんが、梅雨時期の降水量もそれなりにないと、その後の作物の成長に影響が起きるかもしれず、また各地のダムの貯水量の減少を招くかもしれません。
果たしてどうか?心配でなりません。
閑話休題
はいそれでは、本の紹介へと参りましょう。
本日紹介する作品は、ライトノベルから、樽見京一郎 著 『オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
その年、大陸北部のオルクセン王国の王にして豚頭族(オーク)のグスタフ・ファルケンハインは北方国境地帯、シルヴァン川流域の森林地帯にて狩猟を興じていた。そんな中グスタフは森の中で瀕死の状態の闇のエルフ(ダークエルフ)族の娘ディネルースを見つけ保護した。川向うの隣国エルフ族の国エルフィンドに居住しているはずの闇のエルフ(ダークエルフ)族に何があったのか?
息を吹き返したディネルースによると隣国エルフィンドでは最大の氏族である白エルフ族が少数氏族の闇エルフ族に突然襲いかかり、多くの村が焼かれ白エルフ族は酷い殺され方をされていると言う。民族浄化。
ディネルースは故郷に戻り仲間を集め白エルフ族に対して復讐を行うと言うが、オルクセン王グスタフは別の提案をディネルースに行うのだが・・・
【解説】
①本作の著者は樽見京一郎さん
本作の著者は樽見京一郎さん。1980年、京都府生まれの44歳。
幼少期より海と港、艦船に親しむ。建設業界での情報処理分野などを経て、独立。物流業を経営。
2022年、本作『オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~』にて、第2回一二三書房WEB小説大賞にて金賞を受賞。
2023年、『オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~1』刊行。メジャーデビューに至る。
現在、第2巻も発売中。
コミカライズもされている。
樽見京一郎というと水上勉の傑作推理小説『飢餓海峡』における犯人役の名前と同一
そこから著者名を取った様な気がするのだけどどうでしょう?
②本作は、無料購読可のWeb小説サイト『小説家になろう』系の異世界戦記ファンタジー!
本作は、無料購読可のWeb小説サイト『小説家になろう』発の異世界戦記ファンタジー!現在はWeb小説サイト『小説家になろう』『カクヨム』にて無料購読が可能なので本作を気になる方はご購読を!(現在更新は止まっていますが、物語の第一巻程度までは読めます)
・『小説家になろう』↘
https://ncode.syosetu.com/n3719hb/
・『カクヨム』↘
【感想】
『オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~』という長い著作名の作品は、Web小説サイト『小説家になろう』発の異世界ファンタジーにして歴史戦記モノです。
主人公は他種族共生の専制国家オルクセン王国の王で豚頭族(オーク)のオルクセン。ヒロインはオルクセンに命を救われ彼の側近にして愛人となった闇エルフ(ダークエルフ)族のリーダー。ディネルース・アンダリエル。
作品は主にこの二人他、多くのキャラクターの語りで進行する群像劇的な展開です。
主人公がオークでヒロインがエルフということで、RPG(ロールプレイングゲーム)や異世界ファンタジーの小説、漫画、アニメに良くある半裸で粗末な布切れを身に纏い棍棒を振り回す野蛮な豚頭の醜い怪物と肌色は褐色、身体細身で耳長の見目麗しい森の民が活躍する『剣と魔法のファンタジー世界』モノと思いきや、本作は現在の地球の歴史で言えば、産業革命後の近代社会。日清日露戦争~第一次世界大戦期辺りの時代の物語。
オルクセン王国は、近代農業で食料の安定的増産を可能とし、鉄道が各都市を繋ぎ、マスプロダクションされた近代的工場で物が生産され、近代的軍隊が組織されています。
そんな王国を主導し近代化のヒントを与えと富国強兵化を図る、深謀遠慮を図り10年100年先の未来を見据えて行動するのが本作の主人公オルクセン王です。
そんなオルクセンが数十年先に王国が生き残っていく為に下した決断が、強力な魔法が使える者が多数いる隣国のエルフ国を攻め滅ぼす事。
来る人族国家の近代化と人口爆発による台頭で自国を滅ぼされぬように画策した「自国を世界から侮れぬ国と認識してもらうが為の画策」その為に、何十年も掛けて密かに密かに計画された国の近代化と戦争計画。そんな深謀遠慮の様子が圧倒的緻密さと濃密さで描かれています。
作品のテイストで言えば、佐藤大輔さんの『皇国の守護者』辺りが近く。読み応えばっちり。『転生者が織田信長を助けて天下取りを助力する』系とかの歴史ファンタジーで国の近代化を推し進め国造りする感じのお話が好きな方にもおすすめ。是非一読を願いたい。
異世界を舞台にした近代初期の国造り&戦記モノの秀作、おすすめです。