ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

6月20日、東京都知事選公示日よりいよいよ東京都知事選がスタート。7月7日の投票日までの17日間の暑い日が始まりました。

 

といっても、ある候補者はだいぶ前からフライングの公職選挙法違反が疑われる演説やチラシの配布を行うなどしていた為、ある弁護士さんから警察に対して告発がなされたとの事。

 

他にもNHK党が24人もの候補者を擁立したりで候補者総数が50人超えしたり。

 

ある候補者は都の選挙管理委員会が設けた複数の掲示板に「表現の自由への規制はやめろ」といった文字とともに胸や下半身の一部を隠した全裸に近い女性の画像が載った選挙ポスターを貼ったり、とカオスな状況に。

 

こんなに物議を醸す都知事選挙は珍しいのではないのでしょうか?

 

そんな中、大本命の一人、現職の小池百合子氏は、公示日まで大きな動きを見せていなかったのですが、選挙戦に入ると、東京都下でも中央から離れた地域や離島のポスター掲示板にいの一番に自身のポスターを貼り、他の候補者の殆どがポスターを貼れていない中、都心から離れた地域の方を忘れていないとアピール。

 

離島に貼られるポスターの文句もわざわざ「都民」を「島民」に変えたポスターを用意するなど周到。

そして自身の演説の第一声を八丈島からスタートする「川上戦略」を取るなど組織力、資金力、戦略の点で一歩上手な感じ。

 

もちろん投票先をこういう面で決めるものではないのですが。人を率いていくのに不可欠な実行力という点でこういう面も加味して投票先を選択することも必要ではないかと思う次第。

 

都民の皆さんの選択を日本中が注視しています。

 

 

閑話休題

 

はい、それではいつも通り本の紹介へと参りましょう。

本日紹介する作品は、先日も紹介させて頂いた、あさのあつこさんの時代小説『おもみいたします』の第二弾!

『おもみいたします 凍空と日だまりとをご紹介致します。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

【あらすじ】

時は江戸。五歳の時、視力を失ったお梅は、予約が一年先まで埋まっている凄腕の女揉み治療士。家族のいないお梅は、白い犬の姿に身をやつしている人ならざるモノの十丸と一軒のしもた屋に住んで日々患者の元に赴き揉み治療を行っている。

 

ある日、お梅のしもた屋に武士が二人訪ねてきて「主の腕が動く様にして欲しい」と依頼される。一年先まで予約が埋まっていると答えると、取り急ぐ事情がある様子。武士から張り詰めた気配を感じ取ったお梅は十丸が止めるのも聞かず依頼を承知する

 

当日籠で武家屋敷に連れ込まれたお梅は、出向かいに出た当主の姉・澄子から当主である弟の身体を動く様にする理由を聞かせれるのだが・・・

 

【解説】

①本作の著者はあさのあつこさん

 

本作の著者はあさのあつこさん。1954年、岡山県生まれの70歳。

幼い時から漫画や本が好きで中学生頃から創作を書き始める。

作家となるきっかけを掴む為、青山学院大学文学部に進学。

大学時代は児童文学サークルに入って創作を続ける。

大学卒業後は創作活動の時間が取れそうだと小学校の臨時教師となるが、多忙で小説は書けず退職。その後姉の同級生だった歯科医と結婚、子育てと医院の手伝いに没頭。子どもの手がかからなくなった36歳になって創作活動を再開。

大学時代に指導を受けた作家で主宰の後藤竜二に誘われ、日本同人協会「季節風」に入会。「季節風」に連載した『ほたる館物語』が認められ、37歳で作家デビューする。ペンネームがひらがなで「あさのあつこ」としたのは、女優の浅野温子さんの間違われないようにしたため。

1997年、『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞する。『バッテリー』は、幅広い世代の支持を得て児童文学としては異例の1000万部ベストセラーになる。

1999年、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞を受賞。

2005年、『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞受賞。

2011年、『たまゆら』で島清恋愛文学書受賞。

主に児童文学と時代小説を書く作家さんです。

 

代表作(児童文学)

・『バッテリー』シリーズ

・『The MANZAI』シリーズ

 

・『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ

代表作(時代小説)

・『弥勒』シリーズ

・「おいち不思議がたり」シリーズ

・「燦」シリーズ

・「闇医者おゑん秘録帖」シリーズ

【感想】

 

三週間前の6月2日に、本シリーズの初刊である『おもみいたします』を紹介させて頂きましたが、早くも二冊目のご紹介です。

 

今回も主人公のお梅は、患者さんの身体を治すだけではなく、こころのケアを行います。いやこのこころのケアの方が本命の治療と言えましょう。

 

今回の患者はある旗本の若き当主。この若き当主はある事件を町家で引き起こした事で身体が不自由になってしまいました。

 

そしてこの若き当主は、武士として事の責任を負いケジメを付ける為幕府からある命を受けています。当主の親代わりだった家付きの姉も家臣たちも武士の名誉と責任を果たす為に「幕府の命に従うべき」という立場。

 

そして武士としてケジメを付ける為にお梅に当主の身体を治療して欲しいと願います。

しかし、ネガティブな結末しかない事の為に治療をしたくないお梅は、未来が見える為に治療をする意思を示し、そもそも事の発端となった事件について調べ始めます。ここらへんは前回と同じミステリー要素。素人探偵のお梅は、十丸や先生の手を借りて事件の顛末を探る女探偵の活躍は見もの。

 

そして事件の謎解きと共に、当主とその姉に「武士でいなくてよい未来」を提示するお梅。そして身体とこころの治療を終えた当主は未来を選択して、若き当主に重荷を背負わせていた姉と家臣はそれぞれの考えで事のケジメをつける様は感慨深い。

 

お梅の治療は例え少しでもポジティブに生きていける為の治療。そんな一本芯の通った信念の元に一生懸命行動するお梅の姿に感動。

 

今回は人ならざるもの十丸と先生も大活躍!事件の真相に携わる証拠集めに助力してくれます。次回作も待ち遠しいあさのさんの一作。初刊の「おもみいたします」と共に是非お読み頂きたいと思います。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事にはしまたけひとさん、わらびさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。