ブログ主です。当ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

5月24日、衆議院の政治改革特別委員会において各党の政治資金規正法改正案に関する質疑を行なわれ、自民党から立憲民主党に対して行われた質問への立憲民主党の応答に愕然とした。

 

立憲民主党は政治改革特別委員会へ「政治家の開く政治資金パーティーの全面禁止法案」を提出するとしていたのだが、その立憲民主党所属議員複数が6月に政治資金パーティーを開くというのだ。

 

この明らかに矛盾した行動に自民党が噛みついたというわけだ。その際立憲民主党が応答した答えが「法案の成立・施行前に所属議員にパーティー開催の自粛を求めることはせず各議員の判断に委ねるのが党の方針だ」という。

 

「政治資金パーティーは駄目だ」と党が方針を定めたというのなら、法案が通る通らないに限らず立憲民主党所属議員は政治資金パーティーをやらなければよいのに、党は所属議員も統制できていない。当の政治資金パーティーを開くという議員も「法案が通ったら政治資金パーティーを辞める」と発言。

 

与党側は政治資金パーティーの存続を願っているのだから、法案が通る可能性は無い。法案が否決される事を前提に立憲民主党は良い格好をする為にこの法案を提出したのは明らかだ。このあまりにも国民を馬鹿にした行動には呆れてしまう。

 

これが政権交代を狙うと称する党のやるべき事なのか?

 

もし本気で政権を取りたいならば、政治資金パーティー禁止法案が無くても「我が党は政治資金パーティーは開きません」と国民に宣言してみたらどうかと思った次第。

 

皆さんはどう思いますか?

 

閑話休題

 

はい、それではいつも通り本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、小倉日向さんのミステリー作品、

 

『いっそこの手で殺せたら』です。

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

【あらすじ】

元教師のライター・筒見芳晃は十歳年下の可愛い妻・絵梨、年頃の愛娘・沙梨奈と何不自由のない平穏な暮らしを営んでいた。
そんなある日、勤め先から妻が帰ってこない事に不安を覚えた芳晃は最寄りの交番に赴き妻が行方不明だと届け出を出すのだが・・・それは彼と娘にとって驚天動地な事態の始まりだった・・・。

 

【解説】

①本作の著者は小倉日向さん

 

本作の著者は小倉日向(おぐらひなた)さん。1964年新潟県生まれの60歳。

上越教育大学大学院修了。地元での公務員生活を経て、2020年、『極刑』にてデビュー。毒とユーモアを好み、筒井康隆、モンティ・パイソン、北野武らに影響を受ける。愛読した作家は他に遠藤周作、太宰治、向田邦子、丸谷才一など。2022年、2作目となる猛毒ミステリー『いっそこの手で殺せたら』(双葉社)を刊行。近著に『東京ゼロ地裁 執行 1』『東京ゼロ地裁 執行 2』がある。

 

【感想】

『覚悟がある人だけ読んでください「最凶」ミステリー降誕!』という帯に目を捕られ、ついこの本を手に取ってしまいました。

 

どうもこの作品の著者小倉日向氏の作品群の帯を見てみると「この世から消えてほしい人はいますか?」「影の裁判所開廷 民事賠償金を踏み倒す凶悪犯から金も命も絞り取れ!!」「影の裁判所開廷 特殊詐欺の黒幕どもから身ぐるみ剥いで✕✕に処す」と物騒で刺激的な言葉が踊る。

 

デビュー4年目のミステリー作家の著者の事をちょっと調べたら、氏は「許されざる罪と人が人を裁く意味」をテーマに作品を書いているらしいと判った。

 

本作はデビュー作の「極刑」に続いた2作目で、読んでみたら題名や帯の言葉通り不安感や不穏感をビシバシ感じさせるかなり過激的な作品だった。

 

ミステリーなのであまりネタばれするわけにもいかないので詳しくは書かないが、

物語冒頭のプロローグでいきなり何者かのレイプシーン。

 

そこから一転、描写が変わって、元教師で今は在宅で教育関係の著書を書くライターの主人公とその家族(パート勤めの妻と反抗期に入った中学生の娘)の平穏な日々が主人公目線で描かれる。

 

そしてまたまた一転そんな平穏な日常が壊される事態が・・妻が帰ってこない・・妻の勤め先も知らず不安が募るなか、近所の交番を訪れ妻の行方不明の届けを出す主人公。その直後、「妻が逮捕された」という報が!警察からは事の経緯に関する詳細な情報を得られず接見も断られ、途方に暮れる主人公。

 

「どうしたらいい?」・・あぁ、こういう時は弁護士だ!と思いつくが弁護士ってどうやって探して選べばいいの?と焦りながらも異常事態に対処しようと藻掻く主人公。

 

どうにか弁護士を探して妻への接見をお願いするもその弁護士が警察署に向かうと妻には勤め先が手配した弁護士がもう居て接見出来なかったと・・・妻と会えない・・不安が募るなか、娘には「お母さんは警察に逮捕された」と言えず誤魔化しながらも、妻に起こっている事態の真相と解決に邁進する主人公に読者は乗り移り体験を共有する。

 

殆どの読者は家族が逮捕されたという体験は無いですよね。当然、そうなった時、何が出来て、何を行えばいいか判らない。弁護士なんかどう選んでどう依頼したらいいかも判らない。その不安な気持ちを読者は体験してドキドキ!

 

という感じで、物語の展開は、もうジェットコースターに乗っている様にアップダウンが続く!

 

読者は主人公の意識とシンクロされ、主人公の身に起こっていく事を共有していく。この、読者を物語へと没入させる感じが著者の上手さだろう。

 

もちろんこの後も主人公にはあれこれと出来事が起こっていくのだが、ミステリーなのでコレ以上のネタバレは無しで。

 

とにかく妻の失踪話と物語冒頭のレイプシーンが絡んでのお話。読んでいけば「いっそこの手で殺せたら」というショッキングなタイトルの謎解きへと向かう。

 

まだ作品数は少ない作家さんだがミステリー作家に必要な「毒」も十分持っている様で今後の活躍も期待できる。もちろん本作も十分読み応えありました。

 

ということで本作を何処かでお見かけしたら手に取ってみてください。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!