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5月15日昼頃、コンビニでお買い物をしてpaypayで支払おうとしたら大規模な障害のせいで決済が出来なくなった。その時は何が起こったのか良くわからなかったがお財布に現金があったので無事会計できホッとしたが、ニュースソースによると、お昼にランチしようとした方でpaypayでの決済を行おうとしていた方の中には完全キャッシュレスの方もいた様で、支払いが出来なくて、慌てて現金調達に走った方が少なからずあった様だ。

普段からキャッシュレス決済で現金を持ち歩かない方は結構多いのだそうだが、震災以外でもシステムの不具合でキャッシュレス決済が出来なくなると言うのもあるので現金もある程度持って歩くというのは必要ではないのか?と思った次第。

 

まあ他のキャッシュレス決済やクレカを持っていれば良いんだけどね。

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介に参りましょうか。

本日紹介する作品は、当ブログでもお馴染みの作家さんである中山七里さんの『鬼の哭く里』です。いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

終戦直後元大地主の巌尾利兵衛が起こした惨殺事件によって起こった呪い話が今でも語られる岡山県の寒村に住む農家の跡取り息子の天木裕也は閉鎖的で非科学的で同調圧力が強い村の生活に飽き飽きしていた。

ある日、そんな村に都会から若い男が転地療養の名目で移住してきた。

証券会社のトレーダーだという男・麻宮恭一に都会の香りを感じた裕也は余所者を嫌悪する村人達には内緒で彼との交流を続けていた。

そんな最中、村に言い伝わる利兵衛の呪い通り嵐の夜に死人が出たことでヒステリックな村人達が「余所者が越してきたから死人が出た」と麻宮に対して嫌がらせを始める。そんな村人達の非科学的な嫌がらせを嫌悪していた裕也だったが、次の嵐の夜畑の様子を見に行った彼の父親が死体で発見されて・・・

 

【解説】

 

①本作の著者は中山七里さん

 

本作の著者は中山七里(なかやま・しちり)さん。1961年岐阜県出身の62歳。

1961年岐阜県の呉服屋で生まれる。小さい頃から本が好きで特にミステリー作品を読み漁る。高校時代には自分でも小説を書き始めていた。

大学時代『謝罪』という題名で東大安田講堂事件をテーマとした作品を江戸川乱歩賞に提出。予選通過を果たしたが決勝までいかなかった。その後就職を機に文筆から手を引いた。

2006年、大阪への単身赴任時、大好きな島田荘司のサイン会に赴き生の作家を見て一念発起して作家の夢にもう一度チャレンジ。

2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい大賞』受賞。48歳でメジャーデビュー!

当初は会社員との兼業作家だったが後に専業作家となった。

 

主にミステリー作品を発表する作家さんでメジャーデビュー作『さよならドビュッシー』では、明るく爽やかな音楽ミステリーという新たなジャンルを確立した。他にもダークでシリアスなホラーミステリー、警察小説、リーガルミステリー、コージーミステリーなど様々なテイストのミステリー作品を発表している。

 

多くの作品で物語の最後にこれまでの作品の流れをひっくり返す落ちを付けることから「どんでん返しの中山」という異名でも呼ばれる。

 

代表作

・『さよならドビュッシー・岬洋介シリーズ』

・『弁護士御子柴礼司シリーズ』

・『刑事犬養隼人シリーズ』

・『嗤う淑女シリーズ』

・『作家毒島シリーズ』

・『ヒポクラテスの誓いシリーズ』

など

 

②「八つ墓村」とは?

 

「八つ墓村」とは、日本を代表とする推理作家横溝正史の発表した推理小説作品。

 

舞台は岡山県の山村。戦国時代毛利氏に戦で敗れた尼子一族の落ち武者狩り話と昭和13年に起きた連続殺人事件「津山三十人殺し事件」を組み合わせた、寒村の有力者の後継者争いを巡って起きる連続殺人事件を東京で探偵をしている金田一耕助という男が鮮やかに事件の真相を紐解いていくおどろおどろしいホラー的要素のあるお話です。

長編推理小説「金田一耕助シリーズ」の第4作目。

何度も映画化、テレビドラマ化されている人気作。

 

【感想】

 

本作を読み始めると、直ぐこの作品が、横溝正史の「八つ墓村」をオマージュした作品だと判った。

事の始めは終戦後のGHQ指導の農地改革。これで日本から大農家は消え没落し小作人は土地を手に入れ小農家となった。

 

そこで没落し村人から嘲られ蔑まれた元大地主の巌尾利兵衛の引き起こした闇夜の連続殺人事件はまるで「八つ墓村」の田治見要蔵が引き起こしたモノとそっくり。というか「津山三十人殺し」をモチーフにしてるじゃん。そして、この作品も舞台は「八つ墓村」の舞台となった岡山の寒村。村人は余所者を嫌い、呪いや非科学的な伝説を信じている。

 

本作も、余所者である移住者・麻宮恭一郎に対し、村人達が、村で起きた不審死の犯人扱いで集団で嫌がらせを行っていく。

 

そんな村人達の閉鎖性、陰湿さを嫌悪する主人公の少年・天木裕也の目線で物語は進んでいく。そして連続不審死の謎を解く都会人の麻宮。この麻宮は、金田一耕助の立場。

 

そして終盤、遂に撃発した村人達は逃げた麻宮を害すべく集団で山狩りを行う。そこで出てくるモチーフが「大洞窟」!コレも八つ墓村をオマージュしたアイテムですね。そして麻宮は金田一耕助ばりに事件の事の真相を謎解いていく・・・くぅ~横溝ファン感涙のお話ですねぇ。

 

そして事件解決後のエピローグで中山七里名物の「どんでん返し」が久々に炸裂!

まあ、大体は読めていたけど、こういう終わり方「中山七里」らしくて良いですよ。

 

ということで本作は横溝正史ファン感涙の作品に仕上がっているので是非ファンの方は御一読を!お薦めです。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!