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本日、5月12日は、母の日!ということで昨日は近所のホームセンターへ行って母へのプレゼントとしてカーネーションの鉢植えでも買って来ようと行ったのですが、カーネーションの鉢植えも良かったのですが、ブルーの紫陽花の鉢植えが綺麗だったので購入してきました。
後で紫陽花の花言葉を検索してみると「移り気」「浮気」「無常」」との事、あんまり良くないなぁと思っていると、色違いで更に花言葉があるとの事。青の紫陽花の花言葉は「辛抱強い愛情」。あぁそれなら母にぴったり!
頑固で人の言う事を聞かない難解な父と、若い時にはいろいろ心配させた息子の私や弟。そんな私達に「辛抱強い愛情」を注いでくれる母が重なって・・・
これからも元気でいてください・・・
閑話休題
はい、それでは本の紹介へと参ります。本日紹介する作品は時代小説で!
知野みさきさんの『仇持ち 町医・栗山庵の弟子日録(一)』
です。いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
時は江戸、伊勢国津藩の武家の娘・石川凛は、藩の上役の奸計によって家族を失い更に自らも遊女の身に堕とされた事から仇を討つべく津藩江戸上屋敷へ出入りする町医者栗山千歳に身の上を偽り近づくと彼の弟子となることに成功した。
しかし、その千歳もかつて治療の際患者を死なせた事で恨みを買い命を狙われている「仇持ち」だった。千歳の弟子として日々を過ごしていた凛は、遂に千歳が津藩上屋敷に向かう事を突き止め自身を伴に連れて行ってくれと千歳に直訴するのだが・・
【解説】
①本作の著者は知野みさきさん
本作の著者は知野みさき(ちのみさき)さん。1972年千葉県生まれの52歳。
千葉県立袖ケ浦高校卒業後米国ミネソタ大学留学入学。
大学卒業後はweb編集の仕事に携わった後、カナダに渡る。
現在はバンクーバー在住。カナダの銀行の内部監査員を務める。
2012年、『加羅の風』で第4回角川春樹小説賞を受賞する。
代表作
・二幸堂菓子こよみシリーズ
・江戸は浅草シリーズ
・妖国の剣士シリーズ
・神田職人えにし譚シリーズ
など、時代小説作品を多く発表する作家さんです。
【感想】
知野みさきさんの新しい人情時代小説シリーズが始まった。
今度の主人公は、仇持ちの元武家娘の凛。
伊勢の国津藩の役人一家に生まれた武家娘の彼女は、謹厳実直に役目に努めていた当主の兄が悪党上司の奸計に嵌められ罪を擦り付けられた。兄は罪無き事を証明出来ずに死に、気落ちした母、妹が病で亡くなる中、凛も兄の同僚に騙され遊女に落とされる。そこで辛酸を嘗めた彼女に客として来た要という男に身請けされ、彼女は仇に対して復讐する為に生まれ変わった。仇の居る津藩江戸屋敷に潜入する手段として狙いを定めた凛は屋敷に出入りする町医者・栗山千歳に目を付ける。彼女は身投げを装いお人好しの千歳の経営する診療所に潜り込み江戸屋敷に潜入する機会を伺うのだが・・(仇持ちより)という感じで始まる本作。
敵討ちのお話がどうなるかと思いきや仇討ちのエピソードは一話であっさり終了!で拍子抜けた。
いや、まあお話としては立派に〆られているのだから、良いのだが。ちょっと、物足りない。一話1エピソードの連作小説スタイルを取っているからコレでも良いのだが、表題となっているのだから、主人公の仇討ちエピソードをもう少し引っ張ったらという印象だ。
どうやらこのエピソード、既存の時代小説傑作編の1エピソードの短編小説として載せたものを焼き直ししたものだという情報が入ってきた。それなら1話で話が完結しても仕方がない。
本作は3つのお話で構成されているから、後残ったのは2つの話だけ。
料理屋の息子が頭痛と吐き気に苦しんでいると往診に行った千歳と凛は患者の由太郎に違和感を感じて・・・という「夏の鎌鼬」と何者かに命狙われている千歳と凛を助けてくれた恩人の要はかつて伊賀の忍びだった。そこで起きた忍びの恩師の娘の死。それが千歳への恨みとなって・・という「忘れる者」というお話。
全体的にドロドロとしたエピソードのはずなのに、読んで受けた印象はあっさり!若干物足りなささえ感じる。まずまず美味しい話なのにどこか出汁が薄い感じ。
まずまず読める作品なんだが、もう一歩という感じ。
まあシリーズの初巻なのだからコレから巻き直せる。次巻に期待をして今巻はお薦め対象までにはしない。
まあ、こういう作品もあるさ・・・
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはariukaさん、cocoankoさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。