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2024年3月の彼岸の入りは本日17日。
それに合わせて少し遠方にある母方の祖父祖母の墓参りに行こうと思っていたのだが
母が体調を崩し行けなくなってしまった。
母も高齢になり、お墓のある所も山にあり急な階段を登っていく道行きで、高齢の母は「何時まで墓参りに行けるのか・・・」と思っての墓参りだったのだが・・残念。
まあ体調を整えてまた行けばよい。何時でも車出すからさぁ・・
閑話休題
はい、それでは、いつも通り本の紹介へと参りましょう。
本日紹介する作品は、当ブログでは常連の、中山七里さんのミステリー作品
『ヒポクラテスの悲嘆』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
浦和医大法医学教室に餓死した遺体が運び込まれた。
亡くなったのは40代の独身女性で死後3週間経過していた。
女性は大学受験に失敗した事を気に病んで20年以上家に引き籠もっていたのだという。同居していた70代の両親は先行きを案じ何とか更生させようと民間の自立支援団体を頼ったが、娘は激昂し食事を摂らなかったらしい。
彼女は何故餓死を選んだのか?それとも両親が嘘を?
だが解剖を行った光崎教授は空っぽであるはずの胃から意外な物を見つけるのだった・・
【解説】
①本作の著者は中山七里さん
本作の著者は中山七里(なかやま・しちり)さん。1961年岐阜県出身の62歳。
1961年岐阜県の呉服屋で生まれる。小さい頃から本が好きで特にミステリー作品を読み漁る。高校時代には自分でも小説を書き始めていた。
大学時代『謝罪』という題名で東大安田講堂事件をテーマとした作品を江戸川乱歩賞に提出。予選通過を果たしたが決勝までいかなかった。その後就職を機に文筆から手を引いた。
2006年、大阪への単身赴任時、大好きな島田荘司のサイン会に赴き生の作家を見て一念発起して作家の夢にもう一度チャレンジ。
2009年、『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい大賞』受賞。48歳でメジャーデビュー!
当初は会社員との兼業作家だったが後に専業作家となった。
主にミステリー作品を発表する作家さんでメジャーデビュー作『さよならドビュッシー』では、明るく爽やかな音楽ミステリーという新たなジャンルを確立した。他にもダークでシリアスなホラーミステリー、警察小説、リーガルミステリー、コージーミステリーなど様々なテイストのミステリー作品を発表している。
代表作
・『さよならドビュッシー・岬洋介シリーズ』
・『弁護士御子柴礼司シリーズ』
・『刑事犬養隼人シリーズ』
・『嗤う淑女シリーズ』
・『作家毒島シリーズ』
・『ヒポクラテスの誓いシリーズ』
など
②本作は『ヒポクラテスの誓いシリーズ』の一作
『ヒポクラテスの誓い』シリーズは、中山七里さんが描く、浦和医大の法医学教室を舞台とした「法医学系」ミステリー作品。
主人公の栂野真琴は浦和医大に勤める研修医。ある事情で希望していなかった法医学教室に所属する事になった。法医学教室は人気薄の部署だったが、そこには法医学界一とされる解剖医の光崎藤次郎教授と「死体好き」のキャシー・ペンドルトン准教授が居て日々、いわく付きの遺体の解剖を積極的に受け入れ行っていた。
栂野真琴は光崎教授の解剖によって、事件に隠された闇を明らかにしてゆく様を見て法医学の道へと進むことを決意するのであった・・・
本作は『ヒポクラテスの誓い』シリーズの最新作(2024年3月時点)です。
【感想】
お久しぶりの『ヒポクラテスの誓い』シリーズですね。
本作は埼玉県の浦和医大を舞台に、事件性が疑われるご遺体の司法解剖によって、事件の闇を暴いていく「法医学」ミステリー作品です。
主人公はシリーズ当初研修医だった栂野真琴。今現在は法医学教室の助教授に出世。まあ法医学教室は光崎藤次郎教授とキャシー・ペンデルトン准教授と栂野真琴の三人のみと相変わらずの陣容なのですが、そしてこの法医学教室に遺体を持ってくるのが埼玉県警捜査一課の刑事・古手川 和也。検視官に事件性が無いと断定されても、この案件が怪しいとなれば相変わらず様々な手を使って浦和医大法医学教室へ無理やり遺体を持ち込み司法解剖をさせてしまう。
そして法医学界の権威で『解剖魔神』でもある光崎教授が卓越した解剖技術で事件の謎を解いていく。二時間のサスペンスドラマでいったら名取裕子主演の『法医学教室の事件ファイル』連続ドラマでいったら上野樹里主演の『監察医朝顔』、石原さとみ主演の『アンナチュラル』そして本作『ヒポクラテスの誓い』もWOWOWで北川景子主演で映像化されています。
そして今回の『ヒポクラテスの悲嘆』テーマが『昨今の家族の問題』特に『長期高齢化する引きこもり事案』です。20代で自宅に引きこもった息子や娘を養っていた両親がそれから20年30年と引きこもりを許していた為高齢化し、引きこもり者が40~50代、養っている親が70~80代となり先行きが不安になっていく・・・という問題。親世代が自分達の「死」を考えた時、残された「子」はどうなるのか?不安に苛まれる親達。と引きこもりを続けたい「子」の葛藤が5つのエピソード中に4つも描かれています。
残る1つのエピソードも「老老介護」のお話で、高齢化社会の歪みみたいなものを取り上げているのが今時のサスペンス作品ですね。
今回も司法解剖では光崎教授が活躍していますが、物語の中心は、埼玉県警の古手川刑事と法医学教室の助教授になった栂野真琴の若い二人。
そしてラストでは間接的に事件に関わっているXが浮かび上がって・・・っていう、どんでん返しまで行かないまでも感慨深い展開も用意され、まずまずおもしろく読めました
なので、本作を何処かで見かけたら是非ともお読みになる事をお薦めします。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはACworksさんの写真素材が写真ACを通じて提供されています。