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3月になって、寒の戻りが来て寒さに震える毎日を送っていた所・・
一人暮らしをしている弟が、「コロナに罹った」との報告をよこしてきました。
弟は営業職で多くの人と会うので誰から貰ったか判らないとの事。
初め「風邪かな?」と思っていたらしいですが、どうやら違っている感じだと、かかりつけ医に診察して貰ったらコロナ感染症だったそうで。
我が家族「初」のコロナ感染者!
医者からは「出す薬は無いから、市販薬でも飲んで寝ていろ」との事。
症状は熱も咳も大したことないのですが、食べ物の味がしないとの事。
後遺症の方が心配だとの事。
「コロナ感染症」の報道は無くなるも、感染症自体は消えたわけじゃない。
我が家には肺に疾患がある年寄りもいるので油断せず気を付けなければと思いました。
閑話休題
はい、それでは本の紹介へと参りましょうか。
本日紹介する作品は、藤田芳康さんの時代小説。
『化けもの 南町奉行所吟味方秘聞』です。
いつもの様にあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
三十八歳の若さで町奉行に就任した桃井筑前守憲蔵が下城してくると、吟味方筆頭与力の近藤辰之助が寄ってきて、あるお白洲に立ち会って欲しいと願ってきた。
それは、ある宿屋の女中が泊まり客の道中差を客が風呂に入っている間に奪い、自分の住む長屋に隠し持っていた所、泊まり客と揉めて泊まり客に怪我をさせてしまったとの事。その女中は「化けものを倒す為に奪った」と告白後は沈黙しているという。
是非とも奉行にお白洲に臨席して欲しいとの事。桃井は承知しお白洲に向かうのだったが・・・
【解説】
①本作の著者は藤田芳康さん。
本作の著者は藤田芳康(ふじたよしやす)さん。1957年大阪生まれの67歳。
神戸大学文学部卒業後サントリー制作室にコピーライターとして入社。「BOSS」、「なっちゃん」、「DAKARA」などの商品をネーミングする一方で、京番茶や天然水などのCMを企画・演出する。
1998年に映画脚本『ピーピー兄弟』でサンダンス/NHK国際映像作家賞を受賞し、自ら製作・監督。
2002年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で南俊子批評家賞を獲得した。
2020年には初の小説『太秦―恋がたき』(改題「屋根の上のおばあちゃん』)で第1回京都文学賞優秀賞を受賞し小説家デビュー。
本作「化けもの 南町奉行所吟味方秘聞」はメジャー2作目の作品。
【感想】
本作『化けもの 南町奉行所吟味方秘聞』は、2023年、直木賞&山本周五郎賞を取りました永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』を思わせる、時代小説に新風を吹き込んでくれている一作です。
ヒロインである女中の語りと、関係者の証言、そして奉行の独白によって、話が進んでいき、徐々に明らかになっていく女中が罪を犯した真相。
そして最後に起きる驚愕のどんでん返しのラストシーン。
物語が進むに連れ明らかになっていく罪人として捕らえられた女と奉行の深い因縁。
謹厳実直で切れ者と噂される若き町奉行の裏の顔。
「化けもの」とは何なのか?
罪人の女、奉行、立ち会っている吟味方与力を始めとする奉行所の面々、の表情の変化や空気感がはっきり見える描写力。
ミステリー仕立てのテイストも薫って、時代小説の新たな流れも感じさせる一作。
お薦めです。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはトムセン少佐さんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。






