昨日は親族の49日の法要があり参加。

集まった親族の面々を眺めていると、「皆、年経ったなぁ」という印象。

というか、何処も子や孫も少なく、代替わりもしないので、法事に来るのは年寄りばかり。

先日聞いたニュースにおいて、日本の出生数の推移は8年連続減少。2023年の出生数は75万8631人と2年連続80万人割りと最低水準。

これから若い衆はこの少ない人数でこの国を支えていかなきゃいけない。

となれば、若い衆のサポートとして、年寄りはもうひと頑張りしつつ、若者への負担を減らす助力も行わないといけないなぁ・・・

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、当ブログではお馴染みの作家さんの堂場瞬一さんの警察小説、『最後の光 警視庁総合支援課2』です。

 

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

アパートの一室で幼子の命が奪われた。通報してきたのは若いシングルマザーの夏海。同居していた男・岡江弘人が殺したのだと言う。岡江は普段から母子に暴力を振るっていたという。警視庁総合支援課の柿谷晶は憔悴しきった被害者の母親夏海に寄り添おうとするのだが、彼女は誰にも頼らず落ち込むばかり・・・晶は彼女の故郷に住む母親に彼女に寄り添ってもらおうと赴くのだが、夏海の母は自分を捨てて出て行った娘には寄り添えないと拒絶して・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は堂場瞬一さん

 

本作の著者は堂場瞬一(どうばしゅんいち)さん。1963年茨城県生まれの60歳。

1986年、青山学院大学国際政治経済学部卒後読売新聞東京本社入社。社会部記者やパソコン雑誌編集者を務めるかたわら小説を執筆する。

2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。

2012年、読売新聞社退社。以後スポーツ小説や警察小説を中心に作品を発表。

2015年、著書100冊達成。

 

代表作

・8年

・ミスジャッジ

・ヒート

・チーム

・刑事鳴沢了シリーズ

・警視庁失踪課高城賢吾シリーズ

・警視庁追跡捜査係シリーズ

・アナザーフェイスシリーズ

など

 

②警視庁総合支援課とは?

 

警視庁総合支援課とは、堂場瞬一さんの警察小説シリーズにおける警視庁犯罪被害者支援課』シリーズの続編シリーズの1つ。

 

警視庁犯罪被害者支援課』シリーズの物語内の設定は、警視庁内に「犯罪被害者に、もっと支援を!」という昨今の世論から、警視庁内に新設された「犯罪被害者への支援に特化した専門部署」が『警視庁犯罪被害者支援課』である。

 

しかし犯罪被害者に寄り添いケアをするということは、予想以上に大変で、被害者家族の心のケア、マスコミ取材対策、SNSによる心無い中傷や嫌がらせ対策、生活立て直し、等、に加えて、時には、事件捜査を担当している部署の捜査員が犯罪被害者に対して事情を聞くという取り調べからも被害者家族を守らなくてはならないなど、所属課員は手探り状態でケアのやり方を模索していくというお話。

 

このシリーズの続編が『警視庁総合支援課』シリーズです。このシリーズになって、支援対象が「犯罪被害者及びその家族」から『犯罪被害者とその家族+犯罪加害者家族』まで広がり、よりケアが難しくなりました。そんな状況に課員達はどう対処するのか?というお話。

 

主人公が前シリーズの村野警部補より新人の柿谷晶にチェンジしています。

 

【感想】

『警視庁犯罪被害者支援課』シリーズの続編として始まった『警視庁総合支援課』シリーズの2作目が本作。

 

前シリーズの自身も犯罪被害者だったベテランの村野から、続編シリーズになって自身が加害者家族でもある若い柿谷晶へと主人公が代わり2作目の本作。支援対象に感情移入しがちで熱しやすい入れ込みすぎがちな主人公がヘビーな現実に直面しつつも成長していく物語。

 

今回はよくニュースで報じられる、「シングルマザーの家に転がり込んだ同居人の男が幼子に暴力(DV)を振るい死なせた」という事案。

 

主人公の熱血!柿谷晶を始めとする総合支援課のメンバーは、亡き幼子の母親でシングルマザーの夏海に同情し寄り添おうとする。しかし憔悴しきった夏海は警察の支援を受けることに積極的ではない。更に実家の母の助力も請う気持ちもないようだ。

 

そして実家の夏海の母も、夏海の助力要請にけんもほろろ。夏海は厳しく子育てをする母を嫌って高校卒業後母を捨て上京したのだ。その事で母親も頑なになって「夏海はもう大人。自立した。」と言うばかり。

 

ここからはミステリーでもある本作の事ゆえ詳しくは述べない。しかし事件の真相を解く鍵であり物語の中心にいるのは「夏美」という、引っ込み思案でボッチ体質、しかし母を捨て上京して自由を手に入れようとする大胆さと気の強さ、「誰にも頼らない」という頑なな心根を持ちながらも、やはり一人は寂しいと同じく「母を捨てて世に出てきただらしない男」と同棲してしまう。複雑で相反する想いと気性を待つ彼女にある。

 

そんな彼女に寄り添い、感情移入して、時に感情が高ぶりエキサイトしてしまう晶。

そして彼女の事を理解する為に彼女の生き方を調査する内に出てきた「亡くなった幼子の父親は誰か?」というパンドラの箱を開ける問い?

 

そこまでは、焦れったくなるほど話が進まない状況に苛ついていた読者は、その問いから一気に状況は変化し新たな悲劇に遭遇し、「夏海」とはどういう人物なのか?と想いを馳せる。

 

そして物語終盤悲しい真実に突き当たる晶の想いや如何に!

 

なかなかヘビーで気が重い作品ですが読み応えあり。是非ご一読を!

 

という所で本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事には、matsunoさん、イラストスターさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。