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新年早々、石川県能登地方を中心に大きな地震がありました。

寒い中、停電中だったり余震で家の中に居るのが怖くて家の外にテントを張って過ごしたり、車中泊された方も多いと聞くが体調不良が心配ですね。

震災地域にお住みの方々のご無事をお祈り申し上げます。

 

閑話休題

 

はい、それでは新年一回目の本の紹介へと参りたいと思います。

本日は、葉真中顕さんのミステリー作品、『W県警の悲劇』を紹介したいと思います。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

【あらすじ】

W県警の熊倉警部が遺体となって発見された。
彼に極秘任務を与えていた監察官の松永菜穂子は動揺を隠せない。
県警初の女性警視昇任はあくまで通過点。より上を目指し、この腐った組織を改革する、その矢先の出来事だったのに。
「極秘」部分が明るみに出ては県警を揺るがす一大事だ。私の経歴にも汚点が残る。
どうにか事故として処理し事件を隠蔽できないものか。苦悩する菜穂子だったが・・

 

 

【解説】

①本作の著者は葉真中顕さん

 

本作の著者は葉真中顕(はまなかあき)さん。1976年東京都生まれの47歳。

2009年、「ライバル」にて第1回角川学芸児童文学賞受賞。

2010年、同作でメジャーデビュー。

2013年、『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。

2019年、『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞受賞、第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞

2022年、『灼熱』で第7回渡辺淳一文学賞受賞。

「このミステリーがすごい」「ミステリーが読みたい」「週刊文春ミステリーベスト10」などで数多くの作品が上がる注目のミステリー作家さんです。

 

②本作はW県警で働く警察官達を主人公にした6話のお話で構成される短編連作小説スタイルのミステリー作品です。

 

本作はW県警で働く警察官達を主人公にした6話のお話で構成される短編連作小説スタイルのミステリー作品です。6つのお話のあらすじは↓

 

①W県警において「警察官の鏡」と称された警察官が山で死体として見つかった。山登り中の事故か?殺人事件か?彼に極秘任務を与えていた県警初の女性幹部で監察官の菜穂子は事態の処理に懊悩するというお話「洞の奥」

 

②元W県警の婦警だった主婦の聡美は近頃自分に関心を持たない夫に「女が居る」と感じ、夫に出来た女への殺意を募らせるのだが・・「交換日記」

 

③鑑識課所属の千春は同じランニングサークルに所属する野尻警部に思慕の念を持っているが近頃二人の間には壁ができて・・そんなある日密造銃のアジトへのガサ入れで久々に野尻と行動を共にする事になった千春だったが肝心の密造銃が見つからなくて・・「ガサ入れの朝」

 

④野倉署生活安全課の葛城千紗は学生時代痴漢にあい犯人を恐れ抵抗できなかった事から「強くなろう」「弱き者を助けたい」と警察官になった。そんなある日、電車内で痴漢を行ったと逮捕された男を先輩の矢野と取り調べる事になった千紗だったが・・「私の戦い」

 

⑤W県警日尾署所属の滝沢純江は再雇用警察官。鬱病を病んで家に居る夫に代わって元職に復帰して働いている。そんなある日、純江の近所の教会の神父佐山が老いた父親を殺したという事案で逮捕される。逮捕される佐山は老いが進み痴呆症を患う父親の看病疲れから衝動的に殺してしまったというのだが・・・「破戒」

 

⑥旧態依然の男社会であるW県警の男尊女卑体質を変えるという野望を旨に上を目指してきた松永菜穂子は遂に国家公務員になる警視正に出世しW県警を牛耳る秘密の幹部会「円卓会議」の末端に座る事が出来た。しかしまだ野望成就までは道半ば。そんな中、県警生活安全部長として県北部の猿渡署管内で起きた少女失踪事件の山狩りに参加する事になった菜穂子は・・・「消えた少女」

 

 

【感想】

「警察官も人間!だから必ずしも清廉潔白であるとは言えない!」という感じの

W県警内を舞台とした連作クライムミステリーが本作。

 

お話は6つあり、W県警の様々な部署に所属する者達を主人公にお話が造られている

 

様々な部署、立場、階級で働く者達は皆悩みを持ち、考え方や性格も様々。そして警官だから皆清廉潔白というわけでもない。

 

そんな彼らが遭遇する「事件」にどう対処したのか?というのが本作の本筋。

 

そして本作を読んでいくと、著者から読者への「思い込み」という誤解を生じさせようとする仕掛け(ミスリード)が文章に仕込まれている。

 

各話のお話を最後まで読んでいくと、「やられたー」と思わされニヤニヤが止まらない。

騙されたのに「痛快!」そして人間に潜む闇の部分があらわになる怖いお話がちらほら!

ミステリー妙味溢れる本作。短編作の集合体であるので短い時間で1話づつ読めるのでちょっとした空き時間にも読めます。

 

是非本書をお読みくださいませ!お薦めです。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事には、kscz58ynkさん、YUTO@PHOTOGRAPHさん、の写真素材が写真ACを通じて提供されています。