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先日友人と話をしたら、「いや~今年うちの会社の正月休み長いんだよ・・」と、

「へぇ~どのくらいなんだい」と聞くと。

「29日から8日まで工場停めるんで11連休!」

「えぇっ」とカレンダーを見ると確かに正月明け4日と5日を休みにすると土日休みの会社だとそのぐらい長い連休にもなりうる。

「工場を1日か2日動かしてまた連休とかなると面倒なんだよね。だから通しで連休。しかも俺年内に後2日有給取らないといけないと労務管理から言われているから27、28日も休み取るかも・・」

「それじゃぁ13連休(驚き)!」

「うん、そうなりそう。俺2週間近くの休みどう過ごそう。やることないよ。」

ですと、2週間近くの長期休みが降って湧いてきた友人。あまりにも長い休みをどう過ごしたらいいか判らず、ここらへんにバカンスと縁がない働き蜂の日本の昭和人間が出てしまうのであった。

いや自分もこんなに長い休みもらえたら困惑するだろうな・・・

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は、佐々木功さんの時代小説、『たらしの城』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

【あらすじ】

時は室町、戦国時代。永禄3年尾張に攻め込んできた2万5千の今川軍を撃退した尾張大名織田信長は、隣国美濃を切り取る為動いていたが、尾張国と美濃国の間には木曽川を始めとする幾筋もの川が流れ攻め手である織田方は難儀していた。美濃国の本拠である稲葉城を攻めるに当たって戦力を削られるのは悪手。

そこで信長は木曽川、長良川、犀川の合流する地「州の俣」に3千の兵を収容できる砦を造るべきと考えたのだが、ある日、自分と同じ事を考えた者がいると知ってその者に砦造りを任せようとかんがえたのだが・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は佐々木功さん

 

本作の著者は佐々木功さん。大分県出身。年齢不詳

東京郊外で育ち、早稲田大学卒業後一般企業に勤めていた。

30歳の時、仕事に対して迷いを感じて自分は本当は何をやりたいんだろう、何が出来るのかと問い直したところ、自分がやりたいのは「ものを書くことだった」と一念発起して小説を書き始めた。

2017年、『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』(受賞時のタイトルは『乱世をゆけ』筆名は佐木コウ)  で第9回角川春樹小説賞受賞でメジャーデビュー。

以後、『慶次郎、北へ 新会津陣物語』『織田一の男、丹羽長秀』『家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録』『真田の兵ども』『天下一のへりくつ者』など歴史時代小説作品を発表している注目の作家さんです。

 

歌手のささきいさおさんとは別人。

 

②墨俣一夜城とは?

 

墨俣一夜城とは、永禄4年あるいは永禄9年の尾張大名織田信長が美濃斎藤氏を攻めた際、木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が長良川西岸の洲股(墨俣)の地に一夜にして砦を築いて織田軍の美濃侵攻を成功させる一因にもなったと言われる事柄。

しかし、それが史実であることを窺わせる史料は無く。墨俣の一夜城が初めて登場するのは、江戸時代後期の『絵本太閤記』とされてもいるので、後に豊臣秀吉の功績を称える為に造られた造り話とされている。

 

【感想】

 

本作は豊臣秀吉(羽柴秀吉、木下藤吉郎)を語る時にいくつか語られる出世のきっかけ、ターニングポイントとなるエピソードの一つ、『墨俣一夜城』のエピソードを描いた時代小説です。

 

農家に生まれた木下藤吉郎は農民になるのが嫌で家を飛び出し、物売りや今川家家人の下人をやるなどしたが上手くいかず、桶狭間の戦いで今川家を破った昇り調子の織田家に仕官。機転が利く奴と信長に見出された藤吉郎は足軽組頭にまでなり薪奉行の役をもらった。織田家当主織田信長は大国となる為に隣国美濃国を攻める際に木曽川長良川、犀川の合流する地「州の俣」に軍勢を収納できる砦を築く事に藤吉郎を抜擢。それを受けた藤吉郎は知恵を絞ってある秘策を考えつくのだが・・・というお話。

 

立身出世を願い上を目指してがむしゃらに頑張る青年藤吉郎(後の豊臣秀吉)の姿を藤吉郎の弟羽柴小一郎(後の羽柴秀長)や蜂須賀小六の目を通して生き生きと描いた快作!

本書にある帯の愉快、痛快! これぞ秀吉。若き豊臣秀吉=木下藤吉郎が、天性の〝ひらめき〟と〝愛嬌〟で人心をつかみ、仲間を次々に増やす。そして、ついには墨俣に一夜で城をつくる!? 織田信長も呆れ、足蹴にした男、その八面六臂の大活躍をみよ!』というのがまさしくぴったりの読後感!

 

困難な課題も「できると信じてとにかくやる。前に進む!」青年期だからこそのリスクを考えずとにかく前へいけいけどんどんやってしまえ!という勢いが感じられる本作。

呼んでいて気持ちよいことこの上もない作品です。

 

本年最後に紹介する本作。年末年始のお休み、気持ちよく読める本だとおすすめできます!