こんにちは~ブログ主です。ブログの閲覧ありがとうございます。
本日は、12月3日。気づけば、師走に入ってしまいました。
おじさんの私としては、今年も仕事や家の事を一生懸命努めていたらあっという間に時間が過ぎていて、今年ももう1ヶ月無いとは、呆然とするばかりです。
そんな中でも本だけは沢山読めた事は幸せな事でした。
年末に向かって忙しい日々が続くと思いますが1冊でも多く本が読めればと思います
閑話休題
はい、それでは本の紹介へと参りましょう。
本日紹介する作品は、梶永 正史さんの『ウミドリ 空の海上保安官』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
海上保安官の宗田眞人は転職組の救難ヘリコプターの機長だが同僚からの評判が悪い
遭難者を救いたいという思いが強すぎ隊員達の安全を無視するがごとく救難が極めて困難な状況でも救難活動を強行してしまうのだ。そんな宗田が漂流中のタンカーの確認ミッション中にタンカーに女性が居るのを発見するが、他のクルーは誰も確認しておらず、宗田の機長としての不信感が増大。基地長の配慮で鹿児島から羽田への転属が決まる。羽田へ転属した宗田だったがあのタンカーに居た女性が気になって密かにタンカーについて調べるのだが・・・
一方海上保安官でありながら犯罪捜査での陸上勤務一筋の吉見拓人は漁船を使った密輸事案の張り込み中失態を犯した所を呼び出され警視庁公安部の捜査に協力せよとの命を受けるのだが・・・
【解説】
①本作の著者は、梶永 正史さん
本作の著者は、梶永 正史さん(かじなが まさし)さん。
1969年山口市生まれの54歳。
山口県立の工業高校を卒業後コンピューター企業に就職し務める傍ら、一念発起して39歳より本格的な執筆稼働を開始。
通勤中にスマホによる執筆をしているのだそう。
『このミステリーがすごい!』大賞には第9回(2010年)から4年連続で応募!
2013年、『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』で、第12回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞。
主にミステリーやアクション小説を発表し続けている作家さんです。
代表作
・『警視庁捜査二課郷間彩香』シリーズ
・『警視庁捜査一課田島慎吾』シリーズ
・『青山愛梨』シリーズ
・『ドリフター』シリーズ
②民間から海上保安官になる制度
本作では民間のヘリコプターパイロットだった宗田が海上保安官(ヘリコプターパイロット)になっているシーンがあったので、そういう制度が実際あるのか?と思って調べた所。ありました。民間人でヘリコプターの事業者免許があり航空無線通信士、航空身体検査1種証明が有る人は、海上保安庁の試験を受け海上保安庁のパイロットになることができます。
【感想】
まず読み終わって判ったのが、
①本作は、ヘリコプターというアイテムを使ったアクション小説だということ。
②主に海上保安庁を舞台にした群像劇的物語だということ。
③「信仰を理由とした児童虐待や人権侵害をされている宗教二世の子供を救う」を謳う人権保護団体が裏で行っている犯罪と消えたタンカーを結ぶ謎を追うミステリーでもあること。
④自分が操っていたヘリコプターで起きた事故で恋人を失い心に傷負った男の再起のお話であること。
の4つです。
まず本作のおもしろさの1つ目は、
海上保安庁といえば、皆さんは、海上における遭難者のレスキューをまず思い浮かべるでしょうが、実は海上保安庁は『海の警察』としての役割もあり海で行われる密輸や密漁などの犯罪取締や捜査も行っています。
今作では序盤に救難シーンもありますが、犯罪捜査が主。ある人権保護団体が裏で行っている犯罪を暴くというミステリー要素がおもしろい。
2つ目は、物語後半、犯罪組織が行おうとする凶悪な犯罪をヘリコプターで防ごうとするアクションシーンが爽快感、痛快感がある事。
3つ目は、ヘリコプターの機長たる主人公を軸に置いた人間ドラマの妙です。
過去の事件でトラウマを背負った主人公の再起の物語が本作に彩りを加えてくれています。
これらの要素が絶妙なバランスで取れていて、読者に物語を一気に最後まで読み切らせる勢いのある作品だと思います。
本作は海上保安庁が舞台ということで、筆者も海上保安庁をしっかり取材したのか、物語のストーリーの為に、いささか疑問を呈する部分や誇張したりする部分もありますけれど、概ねディテールも細かく描けているのでリアリティーも十分。
本作は、アクションドラマとして映像化しても良さそうな物語なので、爽快感、痛快感を求めている読者は是非手に取って読んでみてください。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事には、JAPAN NAVYさん、おはつさんの写真素材が写真ACを通じて提供されています。