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先日、SNSに、れいわ新選組の支持者と見られる中年男性の方が列車内の優先席に座っていた若者に説教をして無理やり立たせた挙げ句、自身はれいわ新選組の山本太郎代表のポスターを掲げてドヤる動画が投稿されました。

 

正直、気持ち悪い動画で、れいわ新選組の支持者増大が見込めないと思える動画でした。

 

鉄道やバスなどに設置されている優先席は、車両が混んでいる際に、お年寄りや妊婦、身体に障がいを持っている方、病気を患っている方が居たら優先席に座っている方がそれらの方々に譲ってあげて欲しいという趣旨で設置されているもので、「専用席」というわけではなく車内が空いていたら健常者が座っていても良いものです。

 

また優先席に座っていた方が、一見健常者に見えたとしても、病気を患っていて身体が辛かったり、障がいを持っていたり、お腹が目立たない妊婦さんだったりするかもしれないので、説教して無理やり立たせる行為は、優先席の趣旨から外れる行為になりかねないので注意が必要です。

 

自分は「優先席」の設置を支持しない考えを持っています。その代わり「老人や妊婦や障がいを持っている方、病気を患って辛そうな方には積極的に席を譲ってあげて欲しい」とのポスターや表示を増やす啓蒙活動や学校での社会教育に重点を置いて欲しい派。

 

周りを見て立っているのが辛そうな方がいたら席を譲ってあげる。それが当たり前の空気感を醸成するのが大切だと思います。

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りたいと思います。

 

本日紹介する作品は、八重野統摩 著 『同じ星の下に』です。

いつも通り、あらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

【あらすじ】

12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが沙耶が下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男に呼び止められ、車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下での男との交流から、沙耶は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体何者なのか?そしてその思惑とは?

 

 

【解説】

 

①本作の著者は八重野統摩(やえの とうま)さん!

 

本作の著者は八重野統摩(やえの とうま)さん!1988年北海道札幌市生まれの35歳。立命館大学経営学部卒業後、書店員を努めながらも執筆活動をしていた。

2012年、『還りの会で言ってやる』でメジャーデビュー!

2019年、『ペンギンは空を見上げる』で坪田譲治文学賞受賞。

 

心揺さぶる青春小説、ミステリー作品を発表する作家さんです。

 

 

【感想】

 

結論から言いますと、「切ないねぇ、切ない!」の一言。

 

営利誘拐事件を犯した男が罪を犯すに至った理由が何とも切ないのです。

 

児童虐待をしているヒロインの家庭は貧しく金なんて無いのです。

 

そんな家庭の子を誘拐する理由とは何か?

 

ソレを考えながら読者は物語を読み進めるわけです。

 

物語の序盤から中盤まで読み進めていくと

 

誘拐事件を引き起こした男はヒロインとのやり取りから、あまり凶暴な男でもなさそうです。

 

むしろヒロインの境遇を知っているようです。

 

この誘拐犯の男はヒロインとどういう因縁、関係が在るんだとずっと読者は気にしながら読み進めるのです。

 

一方、誘拐事件発生に緊張する警察の捜査員も捜査を進める中、事件に違和感を感じつつ捜査を進めていく・・

 

そして終盤、ヒロインを人質に取った誘拐犯VSヒロインの両親&警察との対峙が

 

そこで何が起こるのか?

 

そして最後の男の回想で「理由」が判明し、ぐっと胸に突き刺さる事実が明かされ、ラストシーンを迎える。

 

「贖罪」

 

男の半生を想い、これからの彼の人生を想う。

 

いい読み終わり。

 

八重野さんらしい物語。お薦めです。

 

本日はこれまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

※当ブログ記事には、scene5さん、れんげさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。