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昨今、アメリカ合衆国や欧州での人種差別が元になったと思われる暴力事件の多発が問題になっている。
特に米国では2013年のBLM運動の勃発、2017年ドナルド・トランプ大統領の当選&ヘイトスピーチなどを機に活発化していて、近年米国では黒人による黄色人種やヒスパニック系人種への暴力が、欧州では移民を祖とするアフリカやイスラム系人種による白人種への暴力が多発するなど人種別による対立も表沙汰になりつつある。
そんな中、日本では岸田政権が安易な移民政策をぶち上げているのが不安でならない。
ドイツのメルケル元首相が「移民政策は失敗だった」と発言するなど、欧州の移民政策拡大が行き詰まり社会問題が多発する中、岸田政権は一周り遅れて安易な移民政策をぶち上げてしまっている。
子供の教育問題一つとっても受け入れる自治体側の準備が出来ていなければ義務教育さえ満足に受けさせる事もできない。
受け入れ態勢も整わぬ中、軽々に移民を推し進めて大丈夫なのだろうか?
閑話休題
はい、それではいつも通り本の紹介へと参ります。
本日紹介する作品は、中山七里さんの音楽ミステリー
『いまこそガーシュウィン』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
アメリカで指折りのピアニスト、エドワード・オルソンは、大統領選挙の影響で人種差別が激化し、変貌しつつある国を憂い、音楽で何かできないか模索していた。
そこで、3カ月後に予定しているカーネギーホールでのコンサートで、黒人音楽を愛した作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」を弾くことを思い立つ。
しかし、マネージャーのセリーナがガーシュウィンでは客を呼べないと反対したため、エドワードが入賞したあのショパン・コンクールで演奏によって人命を救い、一躍有名になった男、岬洋介との共演を取り付けることにしたのだが・・・
一方、新大統領の暗殺計画を進めていた暗殺者の〈愛国者〉は、依頼主の男から思わぬ提案をされて・・・
果たして大統領夫妻が聴きに来るカーネギーホールでのコンサートで何が起こるのか?
【解説】
①本作の著者は中山七里さん!
本作の著者は中山七里さん。1961年岐阜県生まれの62歳。
幼少の頃からの読書好き。高校時代から小説を書くようになり書いた作品が、江戸川乱歩賞の予選を通過したこともあった。その後就職を機に執筆活動から遠ざかっていたが20年後に執筆を再開。この時に書いたのが『魔女は甦る』は「このミステリーはすごい大賞」に応募して最終審査までいき。
2009年、『さよならドビュッシー』で第8回このミステリーがすごい大賞に受賞。48歳での小説家デビューとなった。
主にミステリー作品を発表する作家さんだが、作風が手広いのが特徴。本人いわく「どうしたら長く小説家として続けられるだろう」と考えた末、警察小説やリーガルサスペンス、ダークでシリアスなサスペンスからコメディー要素が入ったミステリー更にプロデビュー時の作品で新たに確立した「明るく爽やかな音楽ミステリー」と作風は変幻自在。
更に読者を楽しませる為に、物語の最後にそれまでのストーリーの世界観をがらりと変えるどんでん返しが仕掛けられていることが多く「どんでんがえしの帝王」なる異名で呼ばれているとか。読者を楽しませる努力を絶やさない作家さんです。
②本作は、『さよならドビュッシー』から続く音楽ミステリー『ピアニスト岬洋介シリーズ』の一作!
本作は著者の中山さんのメジャーデビュー作であり『明るく爽やかな音楽ミステリー』という作風を確立した『さよならドビュッシー』から続く『ピアニスト岬洋介シリーズ』の8作目の作品です。(※スピンオフ作品も入れると9作目)
メインキャラクターの岬洋介は、検察官の父を持つ天才的なピアニスト。実はピアニストとしては爆弾となる障害を抱え、一時期はピアニストを諦め父の進める司法の世界で生きる事目指した。
しかし、司法試験を合格し司法修習生まで行きながらも、ピアニストの夢を諦めず父親と絶縁してまで音楽の世界に戻った。
エントリーした世界的なピアノコンクール『ショパンコンクール』で入賞を逃したが、奇跡的な演奏をして世界中の音楽ファンを魅了。現在は世界中で演奏を行う売れっ子ピアニスト。
しかし行く先々で事件に巻き込まれたり、首を突っ込んだりするトラブルメーカー。天才的洞察力で数々の難事件を解決するアマチュア名探偵でもある。
現在は、友の無実を証明する為、多数の演奏契約を反故にして帰国した事で、多額の賠償金を求められている。その為賠償金稼ぎの演奏活動で世界中を飛び回っている模様。
③本作において重要なテーマ曲である『ラプソディ・イン・ブルー(Rhapsody in Blue)』ってどんな曲?
『ラプソディ・イン・ブルー(Rhapsody in Blue)』はアメリカ合衆国を代表とする作曲家「ジョージ・ガーシュウィンが作曲、ファーディ・グローフェが編曲したピアノ独奏と管弦楽のための音楽作品です。
ヨーロッパのクラシック音楽とアメリカのジャズを融合させたシンフォニックジャズとして高く評価されたアメリカを代表とする有名な曲の1つです。
是非一度聞いてみてください。作品世界が広がります。
【感想】
はい、今回は当ブログでは常連のミステリー作家の中山七里さんの作品。それも氏の代名詞的音楽ミステリー作品『岬洋介』シリーズの最新作!
『いまこそガーシュウィン』のご紹介です。
舞台はアメリカ合衆国、時はBLM運動真っ盛りで、大統領選挙でヘイトスピーチを繰り返すも当選した共和党候補だったあの人が当選した最中。
ショパンコンクール6位入賞を果たしアメリカを代表するピアニストになったエドワード・オルソンは、米国内で起こる人種差別主義、人種による分断の横行で国内が荒れる事に心を痛めていた。
そんな彼が思いついたのが、アメリカを代表とするコンサートホールであるカーネギーホールで行われる事が決まった自分のリサイタルで、アメリカを代表とする作曲家ジョージ・ガーシュウィンの代表曲である『ラプソディ・イン・ブルー』を演奏する事だった。
一方、暗殺者〈愛国者〉は、依頼主の〈組織〉から、当選したばかりの共和党系大統領暗殺の依頼を強要され渋々引き受ける。しかし大統領周辺の警備状況は予想以上に厳しく成功の見込みが殆ど無い。頭を抱えていた〈愛国者〉だったが〈組織〉から大統領がカーネギーホールで開かれる演奏会に出席すると聞き、演奏会に参加する方法を模索していくのだが・・・
物語は、このエドワードの語りのパートと〈愛国者〉の語りのパートで構成されている。岬洋介はあくまでエドワードを助する立場で登場であって、エドワード目線で語られる。
物語の殆どは演奏会の前の描写で、事件自体は物語の後半も後半に発生!
人種差別が横行を憂うエドワード。
一方、こちらも人種差別による暴力に心を痛めていた〈愛国者〉。
ポジティブな思考で動くエドワード。
ネガティブな思考で動く〈愛国者〉。
二人の思いの結果がどうなるのか
事件の謎解きや犯人探しは後半のそのまた最後にちょろっと披露されるだけ。正直ミステリーの範疇に入れてもよいのか?と思うほど事件絡みの描写は少ない本作!
人種差別というテーマに二人のキャラクターの想いが交差する人間ドラマが主で。
岬洋介はほんの助太刀キャラクター。
ミステリーとしては微妙ながら、人間ドラマとしてはおもしろい!
そんな音楽ミステリーの最新作。是非手に取ってお読みください!
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはacworksさん、ryokoikyanさん、スタジオ@ほんこんさんの写真素材が写真ACを通じて提供されています。