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10月7日、パレスチナ暫定自治区であるガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが突如、イスラエルへのロケット弾攻撃やイスラエル領への侵入後、女子供老人などを含んだ民間人の殺傷行為を開始しました。

イスラエル側は直ちに防戦を開始。今回のこの行為をハマスによるテロ攻撃だと表明。ガザ地区のハマスの拠点への空爆を開始。地上軍を集結し近日中にガザ地区に侵攻させハマス掃討作戦を開始する予定だ。(※イスラエル側は今回のテロ攻撃をパレスチナの攻撃とは言っていない。イスラエル側とヨルダン川西岸地域及びパレスチナ自治政府はお互い静観したままである)

今回のテロ攻撃は青天の霹靂とも言うべきものであってイスラエル側も予想にもしていなかった事態だが、ハマスが何故この暴挙を起こしたのかは判る気がする。

近年イスラエルはアラブ諸国との外交活動を積極的に行い。関係の改善を図っていた。中には国交を結ぶ国も出てきた中で、パレスチナ問題が国際的に軽視されたり、あるいは現状維持で固定化される危機感をハマス側が持ったのではないかということだ。そして自分たち組織とパレスチナ問題に注目してもらいたいが為の行動だったのではないかという推測が立てられる。

 

しかしハマスが取った行動はどうみても民間人へのテロ攻撃であって国際社会に認められる行為ではないことは明白だ。

 

そんな中、日本のマスコミ界にはハマスのテロ行為を矮小化して報道し、一方でイスラエル側の反撃こそが「悪」といった印象を与えようとする偏向的な報道が目立つのが気になる。

 

自分はことさらイスラエル側こそが「絶対正義」とは思わない。長年の因縁も承知しているしイスラエル側の強引な施策も存じている。それでも日本のマスコミで行われている一方の意見のみを取り上げ、どちらかを「悪」どちらかを「善」と決め打ちした報道を苦々しく思う。マスコミには、今回何が起こったのか?ということを、より正確に淡々と報じ、どちらがわに付くのではなく両方の意見や想いをできるだけ同量報じて欲しいと切に願う・・

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へ参りましょう。

 

本日紹介する作品は、伊岡瞬さんのミステリー作品、『朽ちゆく庭』です。

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

 

 

【あらすじ】

山岸裕美子は自宅のダイニングセットの椅子に座り物思いに耽る。「やはり引っ越さないほうがよかったのではないか・・・」一年前、住み慣れたマンションから郊外の中古の一軒家を買って引っ越してきた山岸家だったが、めんどくさがり屋で口先ばかりの夫は仕事を理由に家の事にはノータッチ、そして引っ越す直前から素直で明るかった息子は無口で引きこもりになり学校にも行ったり休んだりを繰り返している。そんな閉塞感漂う息苦しさを覚える私にも秘密が・・・

 

母親がドアから出ていく音が聞こえて一分と経たないうちに真佐也のスマートフォンにメッセージが届き、部屋を出て玄関に急ぐとドアからノックの音が響く。ドアを開けるといつもの様に純二が敬礼をしながら入ってくる。冷蔵庫から食い物をあさり飲み食いした後は二階の俺の部屋でコルタワのプレイをさあ開始だ・・

 

 

【解説】

 

①本書の著者は伊岡瞬さん

 

本書の著者は伊岡瞬さん!

1960年東京武蔵野市生まれの63歳。

日本大学法学部卒業後広告会社勤務を経て、2005年『約束(いつか、虹の向こうへ)』で第25回横溝正史ミステリ大賞受賞とテレビ東京賞をW受賞でメジャーデビュー。嫌ミス作品も多く手掛ける作家さんです。

2016年、『代償』で啓文堂書店文庫大賞受賞。

2019年、『悪寒』で啓文堂書店文庫大賞受賞。

2020年、『痣』で第6回徳間文庫大賞受賞。

主にミステリー作品を発表する作家さんです。

 

②『嫌ミス』って何?

 

『嫌ミス』とは、ミステリー作品の1つのジャンルで、読み終わった後「嫌な気分」にさせられる後味が悪い作品のこと。

通常ミステリーは殺人事件が起こっても最後には犯人が判明し事件が解決し何処かスッキリした開放感を持つことが多いもの。ところが『嫌ミス』は事件発生の動機などに人間の心の奥に潜むドロドロとした闇の部分を見せられ憂鬱で後味が悪い作品なんです。しかしこの「見たくもないもの」を見せられるという所に微妙な快感を覚えさせられ癖になる作品でもあると思います。

 

 

【感想】

 

いやー何とも言えないお話でした。

 

嫌ミスか?と言われれば、嫌ミスまではいかない。この物語は一見ごく普通で平凡な家庭が壊れていくという重いお話でした。

 

物語の前半は、主に何らかの理由で学校をサボりがちな息子・真佐也の語りで、彼の日常の風景が語られます。両親の事、親友の純二の事、そして自分が学校をサボりがちな理由。

 

そして場面は代わり母・裕美子の語りで、夫への不満、息子の事、鬱屈した自分の想いと共に裕美子が抱える秘密が明らかになり、その秘密事が新たなトラブルを発生させていきます。

 

そして物語中盤、そんな一家の自宅で幼女の遺体が発見される。

 

突然起こった幼女殺害事件に息子の真佐也は殺害を自白!驚愕する山岸家の両親!山岸家は突然ジェットコースターで頂上まで駆け上がり駆け降ちる事態になっていく、そんな中で発覚する父・陽一の隠してきた秘密・・・空虚な家族関係が明らかになっていく・・・

 

そして物語後半、事件の容疑者があきらかになり、家族は再生できるのか?と思わせておいて、更にあらたな事実があきらかになり事件の真相は二転三転!

 

◯◯がこうなったのは△△を護る為だったり、◯◯が◇◇を護っていたつもりが実は逆だったり、◯◯が優しい気持ちの持ち主だったから故に起きた悲劇だったり。

 

ラスト、事件の真相を見抜き、◯◯の行く末を心配した大人2人が◯◯にしたことで救われる想いを抱きつつ、なんとも切ない想いを抱いて物語を読み終えました。

 

◯◯の今後に光明の光が差し込んだ感じの終わり方なので明確な嫌ミスとは言い切れないけど、悲しい物語。

 

いろいろ語りたいけど、ミステリーなので、これ以上詳細は語らず。

 

是非一読してもらいたい一冊です。

 

うーん、思わず他の作品を読みたくさせて来る伊岡瞬さん。これじゃあ、来週も伊岡さんの作品お薦めしちゃうかも?

 

次回はどうしようか決めきれません。ではまた来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事にはニッキーさん、猫エンジンさん、minokikakuさん、K-factoryさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。