当ブログにご訪問くださいましてありがとうございます。ブログ主です。
いやー暑いですねぇ。もう秋のお彼岸なのに、最高気温が30度超えとか真夏並み。
皆さんも熱中症に気をつけてくださいね。
閑話休題
はいそれでは本の紹介へと参りましょう。
本日紹介する作品は、伊岡瞬さんのミステリー作品『悪寒』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
大手製薬会社「誠南メディシン」の社員藤井賢一は社内で起きた不祥事の責任を取らされ秋田の系列会社の酒田支社に飛ばされ鬱屈とした日々を送っていた。「半年から一年我慢すれば本社に戻してやる」という本社常務の言葉に縋り酒田に来てもうすぐ一年。東京に残してきた妻と高校生の娘との間に隙間風を感じ心寒くいたある日、その妻から奇妙なメールが届く「家の中でトラブルがありました。・・・」。嫌な予感がした賢一は急遽帰京する。その帰路警察から連絡があり妻が自宅で本社常務を殺害し逮捕されたという知らせが入り混乱する賢一だったが・・・
【解説】
①本作の著者は伊岡瞬さん!
本作の著者は伊岡瞬さん。1960年東京武蔵野市生まれの63歳。
日本大学法学部卒業後広告会社勤務を経て、2005年『約束(いつか、虹の向こうへ)』で第25回横溝正史ミステリ大賞受賞とテレビ東京賞をW受賞でメジャーデビュー。
2016年、『代償』で啓文堂書店文庫大賞受賞。
2019年、『悪寒』で啓文堂書店文庫大賞受賞。
2020年、『痣』で第6回徳間文庫大賞受賞。
主にミステリー作品を発表する作家さんです。
②『嫌ミス』とは?
『嫌ミス』とは、ミステリー作品の1つのジャンルで、読み終わった後「嫌な気分」にさせられる後味が悪い作品のこと。
通常ミステリーは殺人事件が起こっても最後には犯人が判明し事件が解決し何処かスッキリした開放感を持つことが多いもの。ところが『嫌ミス』は事件発生の動機などに人間の心の奥に潜むドロドロとした闇の部分を見せられ憂鬱で後味が悪い作品なんです。しかしこの「見たくもないもの」を見せられるという所に微妙な快感を覚えさせられ癖になる作品でもあると思います
【感想】
いやー読み終わって久々にお腹にズシッと重いものを抱えた様な気分にさせられた作品でした。
コレって嫌ミス作品ですよね。読後の後味悪っ!
この作品の主人公は大手製薬メーカーに務める平凡なサラリーマン。認知症を患いつつある母親を抱えなければいけないものの、美人の奥さんと可愛い娘がいる問題の無い人生を生きているはずだった。
しかしある日、一転、社内の不祥事の責任取らされ系列会社の支社に左遷させられ、
認知症を患う母の面倒をみる妻と高校生になった娘を東京に残し土地勘のない秋田の酒田へ単身赴任!
気の合わない上司に嫌味を言われながら、「半年から一年程で本社に呼び戻してやる」という常務の言葉に縋りつつも鬱屈とした生活を送る主人公。しかも近頃は東京に残してきた妻や娘にも冷たい態度を取られ落ち込む中年オヤジの主人公。
そんなある日、東京に残してきた妻から奇妙なメールが届きその内容に「虫の知らせ」を覚えた主人公は東京へ帰京をするのだがその最中に警察から「妻を殺人の疑いで逮捕した」との連絡が!
自宅で本社常務の頭を殴り殺したとのことで青天の霹靂状態の主人公!
しっかりものの義妹(妻の妹)のアドバイスを聞きながら事件の真相を探ろうと奔走しようと行動するが、妻と常務の仲に疑念が浮かぶなど精神的に追い詰められていく
果たして事件の真相は?という物語で、主人公の心理描写の巧みさと生々しさが見事
話が進む中、周りの者が信用できなくなり徐々に疑心暗鬼に・・・
そして物語の謎解きが進んで判る驚愕の真相と事件のきっかけとなった「憎悪の念」の怖さに戦慄と重さを感じてしまった一作でした。
とにかく「重い」ミステリー作品ですがお薦めできる作品です。何処かで本作を見かけたら是非手に取ってみてください。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事には、yosaiさん、ムラカミオさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。