当ブログをご訪問くださいましてありがとうございます。ブログ主です。

いよいよ明日をもって7月も終わりですが、いやー暑かったですねぇ。

連日テレビのニュースでは、「熱中症に気をつけてください。室内にいても水分補給をしてください」と警告を出すほどです。

 

では過去と比べて今はどのくらい暑いのだろう?と思って東京を例に調べてみました

 

判りやすかったので、去年のデータと70年前のデータを比べてみましょう。

 

2022年7月 最高気温平均 気温30度を超えた日数 気温35度を超えた日数

            31.7                       23                              4

1952年7月 最高気温平均 気温30度を超えた日数 気温35度を超えた日数

        28.2                       10                              0

最高気温の平均が70年で近くで3.5度程上がっていますし、最高気温30度の日が倍以上に、1952年では気温35度を超えた日はありませんが、去年は4日と暑さが厳しくなっていることが伺えます。

 

そりゃー熱中症の警告が出るのも判りますね。

 

あらためまして皆さんも熱中症や体調不良にお気をつけてください。

 

まだ暑い8月、9月を乗り切らないといけませんからね。

 

閑話休題

 

はい、それでは本の紹介へと参りましょう。

 

本日紹介する作品は先週に続き、堂場瞬一さんのラストラインシリーズ第2弾!『割れた誇り』です。

 

 

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

 

岩倉剛は警視庁南大田署所属の五十路の刑事。残りの人生、捜査本部の方針が過度に一つの方向に向かい過ぎている時には周りに嫌われてもブレーキをかける役目を負う事を自分に課している。

 

捜査一課から南大田署に来てから1年経ちこの地での勤務に慣れた春の日、一年前隣の北大田署管内で起きた女子大生殺人事件の容疑者として逮捕され先日裁判で無罪判決を言い渡された田岡勇太が南大田署管内の実家に帰ってきたという知らせが入った。刑事課長の安原から「田岡の様子を見てきてくれ」と頼まれた岩倉は、田岡の帰ってきた都営住宅に様子を見に行くが、案の定、地域住民の警戒する雰囲気が伝わってきて・・・何か事が起こらないか警戒する岩倉だったが・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は堂場瞬一さん

 

本作の著者は堂場瞬一さん。1963年茨城県生まれの60歳。

主にスポーツ小説や警察小説を得意とする作家さんで、警察小説は本シリーズ「ラストライン」も含め多数のシリーズを発表。2015年著作が100冊となった。

代表的警察小説シリーズには、『刑事・鳴沢了』『警視庁失踪課・高城賢吾』『警視庁追跡捜査係』『アナザーフェイス』『捜査一課・澤村慶司』『警視庁犯罪被害者支援課』などがある。

 

②『ラストライン』シリーズとは?

 

『ラストライン』シリーズは堂場瞬一さんの警察小説シリーズの一つ。

主人公は警視庁の警部補・岩倉剛。五十路のベテラン刑事で、現在別居中の妻と娘がいる。別居中の妻とは娘が高校を卒業し大学に入学時に離婚する事を合意済。

密かに20以上年下の女性と付き合っている。

捜査官としては長く捜査一課に在籍し手堅く粘り強い捜査で金星を上げる事もしばしば。所轄署に異動して、警察官人生も10年を切った今、重大事件が発生し捜査本部が出来た時、捜査方針が一つの方向だけに向かって過誤が起こりそうな時は自分が嫌われ者になってでも捜査の方向を引き戻す役目を負おうと内心決心している。そんな主人公の前に難しい案件が発生する・・・

 

 

【感想】

 

先週に引き続き、『ラストライン』シリーズの第二弾!のご紹介です。

 

というか、もしかすると『ラストライン』シリーズの紹介が続くかもしれません。

 

その理由は、図書館でこのシリーズ5巻まで借りてきて、先日読み切ったばかりなので・・

 

で、今巻第2巻で起きた事案は、一年前隣の管内で起きた女子大生殺人事件の容疑者として逮捕された田岡勇太という男が裁判で無罪判決を言い渡され、南大田署管内の実家に帰ってきたことが発端。

 

日本では容疑者が逮捕されると裁判の判決が出る前にも関わらず『犯罪者』として報道され、例え当人が裁判で無罪判決が出ようとも、『犯罪者』『うさん臭い人物』『穢れた者』『忌むべき者』という印象を持って接する人も多くトラブルになりやすい。

特に近年はSNSなどで情報が拡散され『疑惑』『憶測』という形で、Web上に記録が残り易いため、それを信じて嫌がらせや中傷に発展することが多い。

 

それを危惧した岩倉は田岡家に好意的な住民と連携して田岡家を護ろうと行動するのだが、案の定田岡家には嫌がらせが多々発生!田岡家家族は消耗していく、そしてそんな最中に女子大生殺人事件の被害者の恋人であった男が殺される事件が発生!

田岡勇太が恋人を殺したと思い込んでいた被害者の恋人は田岡家に嫌がらせを行っていた事もあり、捜査本部では「田岡勇太が返り討ちをしたのでは?」との憶測で動こうとしていた。その危険な徴候に岩倉は捜査方針を元に引き戻す為に聞き込みを続けていく・・・

 

ということで相変わらず、聞き込み、聞き込み、また聞き込み!の粘り強い積み重ね

の連続で事件の闇を解こうと奮戦する岩倉の行動を読者は背後霊の様に付き従っていく展開でお話は進んでいく。

 

そんな主人公の岩倉の姿は聖人と違って人間臭い!聞き込みの最中でも、年若い恋人の事を想ったり、腹が空いて昼飯や夕食の事を思ったり、異動してきた正体不明の同僚を警戒したり嫌ったり!同僚や上司を慮ったり評価したり、娘や妻の事を考えたり、自身の行動を振り返って落ち込んだり反省したり、とあれこれ考える主人公の岩倉の内心思考を読者は覗きまくるという立場になる。

 

警察小説は、群像劇的なモノと一人称視点で物語が進むものがあるが、本シリーズは後者。下世話な事も思考する人間臭い主人公を追いつつ、事件の先行きを推理する楽しさを堪能し、物語のラストで答え合わせをすることを十分に堪能できる一作。

 

今巻では、主人公と同じ課に異動してきた得体のしれない男・川嶋市蔵の登場!得体のしれない彼は何者なのか?そして堂場さんの警察小説でお馴染みの他の警察小説のキャラクターの出演では、『警視庁犯罪被害者支援課』シリーズより村野秋生が出演!などの見どころも!

 

冤罪事件の先にあったものとは?意外な犯人の正体?と事件の真相が明かされ、自身の事件に対する推測の答え合わせが済んだ時、充実した読後感を覚えるのではないかと思える一作だと思います。お薦めです。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事にはkazukiさんうなごちゃんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。