当ブログにご訪問の皆様こんにちは!ブログ主です。

 

今世間で騒がれている中古車販売買取業者のビックモーターですが、

前々から保険金詐取などの疑惑が噂されていたものの新聞やテレビ局は最近まで報じる事なくやり過ごしていました。

 

テレビ局ではビックモーターのCMをつい最近まで流していましたね。CMのスポンサーですから報道しない権利を・・ゴホンゴホン・・

 

ビックモーターの疑惑を積極的に報じていたのは、自分の知る限り自動車系雑誌の「ニューモデルマガジンX」ぐらい。

 

保険金の詐取された保険会社、ビックモーターに車検点検事故車修理に出していたユーザーも数多く、被害額は莫大なのではないでしょうか?

 

今回の事で今後車検点検修理を引き受ける業者さんに対するユーザーの目は厳しくなるはず。

 

もちろん車検点検修理に車を出すユーザー側も車を預ける業者さんに対し厳しく相対する必要があると思います。

 

どうすればごまかされないか?ユーザー側もしっかり考える必要があると思います。

 

閑話休題

 

はいそれでは、本の紹介に参りましょうか。

 

本日紹介する作品は、当ブログの常連の作家さん。堂場瞬一さんの警察小説、『ラストライン』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

 

定年まであと十年のベテラン刑事岩倉剛は、志願して警視庁本庁捜査一課から所轄の南大田署へ異動してきた。

すると大田署へ赴任直後、独居老人の殺人事件が発生!

岩倉には「奴が異動した先では必ず重大事件が起こる」というジンクスがあった。

またしても起こった事件に、交番勤務から刑事になったばかりの新人・伊東彩香を従え捜査を開始する岩倉。

更に新聞記者の殺害事件が発生!果たして2つの事件に関係があるのか?

ベテラン刑事岩倉の丁寧な聞き込みが事件の闇を祓う・・・

 

【解説】

 

①本作の著者は当ブログお馴染みの堂場瞬一さん。

 

本作の著者は堂場瞬一さん。1963年茨城県生まれの60歳。

1986年、大学卒業後読売新聞東京本社入社。社会部記者やパソコン雑誌編集者を務めるかたわら小説を執筆していた。

2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。

2012年、読売新聞社退社。作家専業に。

2015年、著作100冊達成!

主にスポーツ小説、ミステリー(警察小説)を発表する作家さんです。
 
代表作(警察小説シリーズ)
・刑事鳴沢了
・警視庁失踪課高城験吾
・警視庁追跡捜査係
・アナザーフェイス
・刑事の挑戦一之瀬拓真
 
 
②ラストラインはテレビドラマ化もされています。
 
ラストラインは2020年6月29日、20:00 - 22:08のテレビ東京「月曜プレミア8」にて『ドラマスペシャル 堂場瞬一サスペンス ラストライン 刑事 岩倉剛』としてテレビドラマ化され放送されました。主演で主人公岩倉剛を村上弘明さんが、相棒の新人刑事伊東彩香役を志田未来さんが演じられています。
 
自分の岩倉剛さんのイメージと村上弘明さんはちょっと合わない気がカッコ良すぎる感じが・・・ドラマ、一度見てみたいですね。
 
 
【感想】
 
本作は堂場瞬一さんが描く警察小説シリーズの一つ『ラストライン』シリーズの一作目です。
 
主人公の岩倉剛は五十路に足を踏み入れたベテラン刑事。階級は警部補。出世をして管理職になり現場捜査から遠ざかる事を嫌がり昇任試験に挑むのを辞めている。現在訳あって妻や娘とは別居中。ある理由で花形の捜査一課を離れ所轄署に異動。
 
本作は、基本岩倉剛目線で物語が進行し、主人公の行動と心の声が小説の最初から最後まで描かれ、その心の声も、事件の推論はもちろん、「腹が減った何処で何食べようか?」とか「〇〇は△△だから顔を会わせないようにしよう」とか、「◯◯は俺を嫌っているのか?」とか「今度彼女を誘ってここで食べてみよう」とか事件以外に思いついた下世話な事なんかを描き、人間臭いリアルな描写で描かれているのが特徴です。
 
また五十路の主人公は、後輩ながら出世して自分の上司になった刑事課長の安原を気遣ったり、新人刑事の伊東彩香を教育し育てようとしたり、捜査本部の方針が一つの方針に凝り固まる事から引き戻す役目を自ら引き受けたりと、ベテラン刑事らしい行動をするなど社会人として年季を重ねた大人らしい行動をしたりして共感を覚えます。
 
また本作の見所として、警察小説を多く描いた堂場さんの作品らしく、他の警察小説シリーズのキャラクターが登場(会話の中も含む)!警察小説シリーズを横断した交流も作品の魅力。他作品のキャラクター同士の交流で本作が大きな警察組織内の一断片を切り取った感じがして好ましい。こういう事ができるのも多くの警察小説を発表している堂場さんだからできること、コレで読者を他の警察小説に誘導できますし、物語の奥行きもでると一石三鳥です。
 
そして事件捜査の模様は、岩倉の聞き込み、聞き込み、また聞き込みとしつこく繰り返す感じでアクション性は薄く地味ですが、そこは警察の捜査って本来こういう物感を出しています。この聞き込みの繰り返しで五里霧中の事件の霧を晴らす過程を読者は岩倉の後を背後霊の如く同行し見つめて行く。そして物語の最後に事件の謎が解けた時の快感が素晴らしい。気持ちイィーとなるので是非読んでみてください。
 
そして物語の結末も当初考えていた読者の想像とはかけ離れているでしょうから・・
 
お薦めです。
 
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
 
※当ブログ記事にはminokikakuさん、れんげさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。