皆さんこんにちは。当ブログをご訪問頂きましてありがとうございます。ブログ主です。
いやーゴールデンウィークも本日最終日ですねぇ。
当ブログを訪れてくれている方々はどう過ごされたんでしょうか?
こちらは溜まっていた本やWeb小説サイトの『小説家になろう』『カクヨム』でブックマークしてあった作品を片っ端から読む傍ら、衣類の衣替えをしていました。
冬から春物を仕舞い、薄めの生地のものや半袖のものを出すなどしたのですが、去年の秋から冬購入した服なども含めて多くなってしまって仕舞う場所が足らなくなったので、もう着なくなった服多数を思い切って断捨離!
すると仕舞いこんであった服の中には、10年前に購入した服とか生地が傷んだ服も多数出てきてダンボール箱2箱分にもなってしまい、いかに杜撰な管理をしていたのか・・と思い知らされました。
やはり一年間に一度くらい、持ち物の整理処分をやらないと物が溢れてしまいますね。反省!
閑話休題
はい、それでは本の紹介へと参りましょう。
本日紹介する作品は、小杉健治さんの捕物時代小説『風烈廻り与力・青柳剣一郎』シリーズより、『罪滅ぼし』 です。
いつものようにあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
ある日の昼、芝、浜松町の蝋燭問屋『加賀屋』から火災が発生!またたく間に火は燃え広がり大火災になった。現場に駆けつけた町奉行所風烈廻り与力の青柳剣一郎は、燃え盛る家屋に飛び込み取り残された赤ん坊を助けた鋳掛け屋の長次に感心したと同時に興味が湧き長次の事を調べる。
すると長次は過去にも子供の命を救っていたことが判る。
何故、彼は危険を顧みず行動できたのか?
そんな中、件の火災は付け火の疑いが持ち上がり・・・
【解説】
①本作の著者は小杉健治さん。
本作の著者は小杉健治さん。1947年東京都墨田区生まれの76歳。
高校卒業後、専門学校を経てプログラマーとして18年勤務。
1983年、『原島弁護士の処置』で第22回オール讀物推理小説新人賞受賞し、小説家デビュー
1987年、『絆』にて第41回日本推理作家協会賞長篇部門受賞。
1990年、『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞受賞。
デビュー後、1980年代からミステリー・推理小説作品多数を発表する傍ら、2000年代から時代小説作品多数発表する様になり多くの人気シリーズを世に出している作家さんです。
②本作『風烈廻り与力・青柳剣一郎』とはどういう物語か?
本作『風烈廻り与力・青柳剣一郎』は、小杉健治さんの代表的時代小説シリーズ。
舞台は江戸時代の江戸の町。主人公の青柳剣一郎は南町奉行所の風烈廻り与力。
『風烈廻り』とは、江戸の町は火災が多いので、町奉行所は防火設備の設置状況や燃える物が無造作に放置されていないかを町廻りして点検する役目で、青柳剣一郎はそこの部署の長である『与力』を努めている。普段は御自ら同心達と共に江戸の町を街歩きする行動派。その傍ら青柳剣一郎の剣と探索の能力と権力に屈せず事件の真相追求に邁進する胆力を買っている年番方与力の宇野清左衛門に命じられ難事件の探索をも任されている。
若き日に、押し込み強盗の潜む町家に突入し強盗達と戦い頬に怪我を負った時の痕が青あざとして残っているので、世間では『青あざ与力』とも言われている。
【感想】
はい、小杉健治さんといえばミステリー作品も数多く発表されているんですが、私は時代小説の方が好み。
そして小杉健治の時代小説(時代小説シリーズ)の代表作といえば、この『風烈廻り与力・青柳剣一郎』が必ずあげられるんじゃないかと思います。
で、今回はその最新作『罪滅ぼし』の感想をお送りしたいと思います。
今回はめずらしく風烈廻り与力本来の仕事に近い火事の原因探し。というかすぐ放火らしいと判っての放火犯探しと相成ります。そこに燃え盛る家屋に飛び込んで赤ん坊を助けた鋳掛け屋の長次のお話が絡むお話。
何故、長次は、無謀にも燃え盛る家屋に飛び込んで子供を救うのか?と疑問に思った青柳剣一郎は、長次の過去を調べ始めます。すると彼は過去にも燃え盛る家屋に飛び込んで子供を救っていた事実に突き当たる。まるで命が要らぬ様な行動に彼の心の闇を感じた青柳剣一郎は彼をマークし始める。
その矢先、放火犯と思われる者が判明。すると長次が「自分が放火をした」と自首してきた。彼が放火犯をかばっていると見破った青柳剣一郎だったが頑なに自分が放火したと言いはる長次。
彼の過去を探り、昔犯した罪を償う為、放火犯の身代わりで死を願う男。
その事が判って、「未来ある若者の行末を守りたい長次の想い」と「奉行所の役人として法の適正な行使」の板挟みで苦しむ青柳剣一郎。
未来ある真犯人を捕らえるのか?それとも身代わりで死にゆく長次を黙って見逃すのか?思い悩んだ青柳剣一郎が下した判断とは・・・
いつも身分や権力の圧力を受けても決して正義を曲げず凶悪な犯罪人を捕らえてきた「青あざ与力」がここまで苦悩する姿は珍しいお話で見ものです。
ということでいつも人殺しや強盗を相手にしているのとはちょっと違う本作。なかなか感慨深い物語ですので、何処かで見かけたら、是非手に取ってみてください。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ生地には、KAWAKAMIさん、ふくすけ0616さんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。