当ブログをご訪問中の皆様こんにちは。ブログ主です。

 

数日前、母から聞いた話なんですが、「今日な。2軒隣りの○○さんところに警察官が来ていてな、後で聞いたらどうやら空き巣に入られて現金3万円程盗まれたんだって。警察さんが言うには、この頃この地区で連続して空き巣被害が発生しているんやって。夫婦共稼ぎ世帯や老人夫婦2人世帯が多くなって侵入し易くなって入られるんだと・・」だと。

自分の住んでいる郊外の街は今まではかなり治安が良い場所で滅多にこの手の事件が起こり難い場所だと思っていたが、どうやらそうではなくなってきた模様。

 

近頃は、かなりこなれた値段で防犯カメラが売られているそうなので、我が家も設置を検討してみようかと思った次第。さあ、どうするかな?

 

閑話休題

 

はい、それではいつもの様に本の紹介へと参りましょうかね。

 

本日紹介する作品は、知念実希人さんの医療系ミステリー作品、

『十字架のカルテ』をご紹介します。

いつもの様にあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

【あらすじ】

 

大学附属の病院としては珍しい光陵医大付属雑司ケ谷病院に配属になった新米医師・弓削凛は、この病院の院長にして精神鑑定界の第一人者である影山司の助手を努めることに相成った。影山は時間と手間が掛かり触法精神障害者との接触で精神を消耗させられる割に金銭的見返りも少ない精神鑑定医を目指す凛を鍛えるべく精神鑑定の現場に凛を同行させる。触法精神障害者との面談の場で戸惑いを感じながらも必死に被疑者の心の内を覗き込もうとする凛。果たして彼女がそこまでして精神鑑定医になろうとしている理由とは?・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は現役のお医者さんでもある

知念実希人さん

 

本作の著者は現役のお医者さんでもある知念実希人さん。1978年沖縄生まれの44歳。とは言っても生まれて1年も経たない内に東京へ。東京育ちの都会っ子。小説書きに興味があるも祖父や父と同じ医師の道を目指し東京慈恵会医科大学に入学。

2004年卒業。医師国家試験に合格し内科医として勤務。4年間働き内科医の認定医となってから本格的に小説の執筆にとりかかり、父親が開業する西東京市の医院で勤務しながら執筆活動を続けている。

2011年、『誰がための刃 レゾンデートル』(応募時のタイトルは「レゾン・デートル」)で第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。

2012年、同作でメジャーデビュー

2015年『仮面病棟』でで2015年啓文堂大賞(文庫部門)受賞

2020年『ムゲンのi』で第6回沖縄書店大賞(小説部門)受賞

主に医療系ミステリー作品を得意とする作家さんです。

 

②本作は触法精神障害者の精神鑑定の世界を描いた医療系ミステリーです。

 

本作は、触法精神障害者の鑑定に携わる精神科医の世界を描いたミステリー作品です。

まず『触法精神障害者』とは?ですが、コレは「法に触れる 行為をしたが刑罰を科すのが不適当だと判断され た」精神障がい者のことを意味する。本作では法を犯した精神障害が疑われる者を意味し、主人公と先輩医師が検察&警察の依頼で彼らを起訴できるのか判断する為に、精神鑑定を行っていく様を描いています。

 

本作は一話完結の連作小説スタイルを取っていて全5話。

・闇を覗く

・母の罪

・傷の証言

・時の浸触

・闇の貌

 

 

【感想】

 

本作は、犯罪を犯した触法精神障害者の精神鑑定を行う精神科医の世界を描いたミステリー作品です。

自分も、世間一般の方々も、触法精神障害者(※以後、精神障害者と表記)とはどういうものなのか?という事を殆ど知らないと思う。

そして知らないが故に、異質なもの、恐ろしいと感じ、忌み嫌い、避けているのが世間一般の現状だ。そして無知によって、心神耗弱、心神喪失の違いも判らぬまま「精神障害者は精神病院の病棟に監禁隔離して二度と世間には出すな」という乱暴な話になり、また触法精神障害者の治療から社会復帰に対しても理解が得られないという状況にあります。

 

しかし本作では、現代社会では様々な生活環境で精神にストレスを感じ、内々に障害を持った方もかなり多くいて、その延長線上に触法精神障害者が居るのだという。決して異質なものでは無いのだと。

 

本作はそういった触法精神障害者の社会的問題点(医療観察法制度などについて等)を指摘しながらも、「この人は犯行時本当に精神を病んでいたのか?」「詐病か否か?」という見極めをする為に触法精神障害者と思われる容疑者へアプローチしていく精神鑑定医の主人公と師匠格の医師の描写が描かれ、ドキドキワクワク感を刺激する一級品の医療系ミステリー作品に仕上がっています。

 

そして主人公が精神鑑定医を目指した理由が明らかになる最終章「闇の貌」の、どんでん返しのすごい結末には感嘆しました。

 

ということで本作は、おもしろさ、読み応えも十分ですので、何処かで見かけましたら是非ご一読を!

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※当ブログ記事には、acworksさん、Haru photographyさんの写真素材がフォトACを通じて提供されています。