こんにちはブログ主です。
9月の三連休の中日ですが、大型で強い台風14号が屋久島の南南東を九州方面に向かって進んでいます。午前7時時点では台風がまだ九州上陸していない様子。ですがこれから風雨が強まっていくでしょうから九州を含む西の地方に住む方々はくれぐれも自身とご家族の安全を第一に行動する様にしてくださいね!。
閑話休題
それでは本の紹介へと参りましょうか。
本日紹介する作品はあさのあつこさんの時代小説乱鴉の空です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
その日無事商談をまとめた遠野屋清之介、番頭の普三と共に店に帰る途中中食を取ろうと岡っ引きの伊佐治の店「梅屋」に立ち寄ろうとする。しかし「梅屋」は昼なのに暖簾を下ろそうとしている。家人に話を聞くと同心が突然やってきて伊左地が捕らわれたという。異常な事態に困惑しつつも清之介は町奉行に働きかけ伊佐治を開放させ話を聞いた所、伊佐治が仕える北町奉行所同心の木暮信次郎が行方知れずになっていて、その信次郎の行方を同僚であるはずの奉行所の同心が行方を追っているとの事。「いったい何が起こっているのだ?」不穏な空気が漂う中、遠野屋清之介と岡っ引きの伊佐治は信次郎の行方と信次郎が身を隠さなければいけなくなった原因を探ろうと動きだすのだが・・・
【解説】
①本作の著者はあさのあつこさん!
本作の著者はあさのあつこさん。1954年岡山生まれの67歳。
学生時代から詩などの創作に勤しんでいたあさのさんは大学卒業後小学校の臨時教師になった後3年で退職。その後歯科医と結婚、医院受付と医院事務を手伝う傍ら子育てをした。子供が大きくなり少し空いた時間が取れる様になった36歳、執筆活動を再開。大学時代に指導を受けた作家で主宰の後藤竜二に誘われ、日本同人協会「季節風」に入会。「季節風」に連載した『ほたる館物語』が認められ出版され37歳で作家デビュー。
1997年、『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞する。その後『バッテリー』は児童文学としては異例の1000万部の大ベストセラーになる。
1999年、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞を受賞。
2005年、『バッテリー』全6巻が小学館児童出版文化賞を受賞。
2011年、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。
主に、児童小説と時代小説のジャンルの作品を多数刊行する人気作家さんです。
ちなみにペンネームの「あさのあつこ」は女優の浅野温子と間違われない様にひらがな表記にしたという。
②『弥勒シリーズ』とは?
『弥勒シリーズ』は、あさのあつこさんの描く捕物帳スタイルのミステリー系時代小説シリーズ。2022年9月時点で11冊刊行中。本作はその11巻で最新作です。
シリーズの大筋は、「商人として生きる」事を固く誓って商いの道を生きる元は武家の刺客だった小間物屋の清之介、難事件の謎解きにしか興味が無いニヒルな奉行所同心の小暮信次郎、一見すると面倒見が良いが、実は事件の影に潜む人間のドロドロした闇を覗くのが生き甲斐の岡っ引きの伊佐治の三人が江戸の町で起きた難事件の謎を解き明かすという捕物帳スタイルの長編時代小説シリーズです。
③本作のタイトルにある「乱鴉」とは何?
「乱鴉」とは「らんあ」と読み、意味は「乱れ飛ぶカラス」を意味しています。忌み嫌われ不気味な存在として扱われるカラスの乱れ飛ぶ様とは、かなり不穏な感じがしますね。
【感想】
『弥勒シリーズ』も今作で11巻!今巻はこれまでとちょっと趣を変えてきました。
「信次郎の突然の失踪」と「信次郎の行方を追う町奉行所の同心達」という展開が序盤に発生!何が起こっているのか判らぬまま、清之介と伊左地は信次郎の行方を追うという展開。
読者も何が起こったのか判らぬまま清之介と伊左地の行動を見守ります。そして彼らの探索の最中、発見される遺体。果たしてこの遺体は信次郎の失踪と関わりがあるのか?という疑問が頭に浮かびつつ、「まあ関わりがあるんだろうな・・・」と話を読み進めていく。
そう物語の序盤からラスト近くになるまで「信次郎がずっと居ない」というのは初めての事、この間に感じる「不穏な空気感」や「不気味さ」はここ最近の本シリーズに無かった緊張感を味あわせてくれました。
まあラストで謎が解き明かされた時点ではちょっと物足りなさを私は感じましたが、それでも今巻は「何が起こるのか?」というドキドキ感をしっかり感じさせてくれましたので合格!やはり本シリーズには「不穏な空気感」を漂わせてくれるというのが無いと駄目ですね。
ここ最近の「弥勒シリーズ」はちょっとマンネリ感を感じていましたが、そこに久々に「喝」を入れたかの様。コレならまだシリーズも続けていけますね。
ということで今巻はお薦め巻ですので何処かでこの作品を見つけたら是非手に取ってみてください。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはnomnomさん、ミイコソルさんの画像が写真ACを通じて提供されています。