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お盆も過ぎても毎日暑い日が続いていますが、自分の住んでいる地域では朝晩はそれほど暑くなくなってきました。

そういえばセミの鳴く声も聞こえなくなってきました。

ということは、コレは「秋」の訪れなのでしょうか?

いささか早い気がしますが、空気感が明らかに変わった様な気配がします。

さてこのまま「秋」に一直線といくのか?それともまだ暑さがぶり返すのか?

このまま涼しくなっていってくれたらいいのにね・・・

 

閑話休題

 

はい!それでは本の紹介へと参りたいと思います。

 

本日紹介する作品は、堂場瞬一 さんの警察小説シリーズである、

偽装  刑事・鳴沢了 です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

 

ニューヨークでの研修でまたもや騒動を起こしたと見られて、犯罪発生率が低い西八王子署の刑事課に配属させられた鳴沢了は毎日定時で終わる生活に暇を持て余していた。

そんなある日新興住宅地の公園で十歳くらいの少年が保護されたとして相棒の藤田と共に現場に出動した鳴沢は、病院にて少年と面会するも少年は一言も口を開かない。唯一持っていたデイバッグには一切触らせずで身元も確認できず困惑する鳴沢達。

 

するとそんな謎の少年が病院から連れ去られる事案が発生!鳴沢、藤田のコンビに生活安全課の山口美鈴を加えた捜査チームは少年が日系ブラジル人労働者の子供ではないのか?という推測の元に調査を進め、件の少年が轢き逃げ事件を起こし指名手配中のマサユキ・イシグロの息子カズキ・オザキ・イシグロでありことを突き止めた。

鳴沢はマサユキ・イシグロが住んでいた日系人が人口の一割にも達する群馬県大曽根町に向かうのだが・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は堂場瞬一さん!

 

本作の著者は 堂場瞬一 さん。1963年茨城県生まれの59歳

1986年大学卒業後、読売新聞東京本社に入社、社会部記者(警察周り)やパソコン雑誌編集者を務めるかたわら小説を執筆し、2000年『8年』というスポーツ小説にて第13回小説すばる新人賞を受賞。

2012年、読売新聞退社。以後スポーツ小説や警察小説分野の作品を多く発表する作家さんです。

代表作

・刑事鳴沢了シリーズ

・警視庁失踪課高城賢吾シリーズ

・警視庁追跡捜査課シリーズ

・アナザーフェイスシリーズ

・刑事の挑戦・一之瀬拓真シリーズ

・警視庁犯罪被害者支援課シリーズ 他多数。

 

②『刑事・鳴沢了』シリーズってどんなお話?

 

『刑事・鳴沢了』シリーズは堂場瞬一さんの最初の警察小説シリーズでデビュー作の次に刊行された「雪虫」より「七つの証言 刑事・鳴沢了外伝」まで12巻刊行されています。※久遠は上・下巻

 

鳴沢了生涯一刑事として生きたいと志すストイックな男。24時間365日刑事であるという事を忘れず酒タバコをやらず日々身体を鍛え続けている。厳しい倫理観を持ち例え同じ警察官でも法やルールを逸脱するものは容赦しないし忖度もしない。

 

事件解明の為なら周りから孤立しようが捜査に邁進する硬骨な男。上司や同僚からは「あいつが関わると平凡な小さな事件も大事件に発展する」疫病神扱い。それは上司や同僚が気が付かなかった事件の真実や闇に気がつく有能さの証明でもあるのだが・・・

 

おかげで警視庁捜査一課よりはじき出され所轄署をたらい回しされているが本人は気にもしていない。そんな鳴沢了は今日も事件捜査に邁進するのだった・・・

 

 

 

【感想】

 

本作は『刑事・鳴沢了』シリーズの9作目。今回は海外から工場労働者としてやって来た日系ブラジル人達が多く住む街で起こったひき逃げ事件の加害者の息子である少年の失踪事件を鳴沢了が追います。

 

件の街では全人口の一割を日系ブラジル人労働者の家族で構成される特異な街。彼ら日系ブラジル人は日本の生活ルールや慣習をしばしば無視し自分達だけのコミュニティーを築き日本人と融和すること無く独自の生活文化や慣習の中で生きています。そんな相容れない日本人と日系ブラジル人の間ではトラブルもしばしば。対応に苦慮する地元所轄署は彼ら日系ブラジル人達に対し冷たい対応している。そんな中起こった日系ブラジル人の少年の失踪事件。少年の行方を心配する鳴沢了と同僚達は地元署の迷惑顧みず事件の真相を追うというお話。

 

地道な捜査の積み重ねは少年の父親のひき逃げ事件にも繋がり・・・という感じで事件の謎を追う刑事達の奮闘と心の動きをルアルに描写する一作。

 

相変わらず自分が関わった事件の捜査には手が抜けない鳴沢!少年の失踪事件にどっぷりハマリ、他県の街に出向いて、がっつり聞き込みを繰り返す。しかも事件の処理を終えたひき逃げ事件についても掘り起こそうというのだから、その街の警察署の者からすれば気に食わない!しかしそこから事件の真相が・・・っていういつもの展開が!いったい何が偽装されていたのか?というお話。

 

 

 

 

本作では過去巻で登場のあの女性探偵も登場。とは言ってもアクションシーンはラスト付近でちょろっと。物語の殆どは地道な聞き込みの繰り返しで事件の真相に迫っていくという警察小説の王道的作品。

 

なかなか事件の真相に近づけないもどかしさ焦燥感がひしひしと伝わってくる一作。

 

外国人労働者を呼び込んだ日本社会で起きる問題を取り上げた一作。なかなか骨太な物語ですので何処かでこの作品を見かけたら一度手に取ってみることをお薦めします。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

当ブログ記事にはColoring Landさん、イタチさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。